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何者にもなれない私

新卒で大手食品メーカーに入った。本当はディベロッパーになりたかった。

経理に配属された。本当は広報とか営業になりたかった。

それなりに信念を持って就活していたが、結局皆が知っている企業ですごいって言われたいという取るに足らないプライドを捨てきれなかった自分がいた。

今になって痛いほど分かるが、こんなものは就活終了〜大学卒業までのとっても短い期間のエゴでしかなかった。大事なのはむしろここからで、キャリアプランとかライフプランとか壮大なテーマについて一生考えていかなくてはならない。

社会人1年目はOJTとソリが合わず、8年くらい病気をしてこなかった私が半年で蕁麻疹と胃腸炎になった。2年目は経理という仕事が嫌すぎて転職サイトに登録し、面談に行ったものの決断しきれず、上司に言われるがまま簿記を取った。

そして3年目、上司との面談で私が「クリエイティブな仕事がしたい」なんてワードを使ってしまったせいで総スカンを喰らった。別に経理がクリエイティブじゃないとは一言も言ってないのに相手にはそう伝わってしまったらしい。じゃあどんな仕事がしたいの?という質問にも一言でズバッと答えられず、就活の時のような浅い発言のまま。上層部への一斉送信メールすら一発で送れない。決算資料も一度で数字が合った事がない。一体私はこの3年間何を学び、何を得たのだろうか?

思えばここ最近、好きな人に面と向かって全力で思いの丈を伝えた記憶もない。何かと保険をかけて自分が傷つかないよう、思い通りにいかないことは相手や環境のせいにしてきた。プライドや世間体を捨ててぶつかる友人を見ては、すごいねーと冷めた目で見て、順調なカップルにも涼しい顔で祝福の言葉を送った。本当は喉から手が出るほど羨ましいのに。どちらにもなれない自分に腹が立っていたのに。

これといった趣味も特技もない。じゃあ何か努力してるのかと聞かれても何もない。強いていうならやっと3週間続いてきた寝る前10分の筋トレ位だ。昔は一食抜けば平気で1キロ以上落ちていた体重も今ではだらしない体型になりつつある。

ふと気付いたら大した中身もないくせに理想だけ語る、私が1番なりたくなかった大人になっていた。3年前の私が見たらどう思うだろうか、情けなくて悲しい。

「25歳・社会人3年目・彼氏なし独身・実家暮らし」

変わりたい思いはあれど人生における優先順位もつけられず、もう何から手をつけていいのかわからなくなってしまった。最近見たAmazon Primeの東京女子図鑑というドラマがそんな私を描写しているように感じ、とてつもない不安に襲われた。結婚や出産がゴールだとは決して思わないが、将来的に私はできるなら結婚も出産も子育てもしてみたい。

もちろん何か成し遂げたいならそれ相応の努力が必要という事はこれまでの経験からよくわかっている。TOEICの勉強は必死にやれば800点を超えたし、行きたい学部のために必死に論文を書いたら見事に合格したし、嫌いで仕方なかった簿記も必死に勉強したら後輩に指導できる程には理解できるようになった。逆にきちんと努力しなかった時は結果も得られなかった。

つまり今、私が何者にもなれていない理由はここにある。明確な目標がない故、それに応ずるだけの努力をしていないのだ。まずぼんやりとした理想をもう少し具体的なものに落とし込むところから始めようか・・・

世の中の25歳ってみんなこんな感じなんだろうか。まだ25歳?もう25歳?生き急いでいると言われる事が多い私だが、やっぱり生き急ぎ過ぎなんだろうか。

なんだかよくわからないまま8月最後の土曜日が終わろうとしている。

突然空から結婚相手や魅力的な仕事は降ってこない、朝起きて突然スリムになっていることもない。戒めの為、ここに記録しておく。

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