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【読書感想】陰翳礼讃

陰翳礼讃を読んだ。

古来から「陰」を否定せず、闇の中でこそ美しく映える景色を育ててきた、東洋の陰翳思想へ想いを巡らせる谷崎潤一郎の随筆。

西洋文化をあまりにもsageすぎてる事は否めないけど、本来闇を味方につけ、いかに「陰」や「不便」を愛でるか、趣向を凝らしていた日本人の心の豊かさからは、色々と学ぶべきと感じた。
「風流は寒きものなり」らしい。

蒔絵や金屏風など、部屋中を光で満たす電燈のもとでは贅沢に見える絢爛なものが、
かつては闇の中で行燈の炎のように妖しくゆらいでいたらしい。

時代を超びこえて、想像力を刺激し襖の奥の闇に引きずり込むような谷崎の文章力には鳥肌が立った。

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