【宝石の原石】③自分のストーリーを生きる
辻仁成さんの『ミラクル』は、傑作だ、と私は感じている。
『サンタクロースっているんでしょうか?』という本も、よく人に紹介する。
私たちは、自分たちが思っているよりも、ずっとずっと信頼や愛に守られている。
世界そのものが愛なんですが。愛は、エネルギーだ、と思っている。でも、目に見えるものばかり信じる世の中では、愛や信頼をも、目に見える形であることを求めるようになった。
『ミラクル』のアルは、母と会う。それは、たぶん父のことも救うことになる。
ニューヨーク・サンという新聞社は、少女にこの世界がどんなものでできているかを伝える。
この2冊は、
愛を、思い出させてくれると同時に、
この世界を、きちんと自分の目で編み直す大切さを教えてくれる。
自分のストーリーを生きる、とは、自分勝手な解釈をすることとは違う。
ずっと、この世界で受け継がれている愛というものを、
受け取った上で、
世界を見つめ、
自分がこの世の中に何を注ぐことができるかを考えるということだ。
この世の中には、
実はサンタクロースを信じている人がたくさんいることを、
私は知っている。
そして、私も信じている。
信じている人がいる限り、私たちは、みーんなサンタクロースのいる世界を生きている。
と、全員が思える世界を 願う、11月の夜。