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「アクション・リサーチ型」の校内研究(上)

 先週末(1月17日)に、横浜市立H小学校の校内研究に参加してきた。同校の校内研究に足を運ぶのは、昨年の10月以来2回目のことである。

 H小学校の校内研究には、次のような特色があると思う。

〇全員が同じ教科や領域の研究に取り組むのではなく、教職員一人ひとりが(ときには複数で)テーマを設定し、それぞれが探究活動に取り組む。

〇各自が探究するテーマは、
・自分が関心をもっている教科や領域
・担任をしている学級の実態や校務分掌などに即した内容
・自分が継続して取り組んでいる教育課題
 など様々である。

〇テーマは、各自の「ストレッチゾーン(学習・挑戦することで成長可能なゾーン)」に収まることを意識して、年度当初に決める。すぐにはテーマが決まらない場合には、他者との対話を通して絞りこんでいく。

〇テーマは「個別」に決めるが、「孤立」した探究にならないように、職員集団としての「協働的な学び」を目指す。

〇校長、事務職員、栄養職員、技術員など、教諭以外の職員や保護者も参画する。

〇他校の教職員や学校以外の教育関係者なども参加・参画し、H小学校を交流の場とする。

〇他校の授業研究における「講師」に相当する存在を「escort runner(伴走者)」と呼び、「escort runner」は年間を通して探究活動の「伴走」をする。

〇授業研究会(授業公開)と日常の授業とのつながりを大切にする(授業公開を「特別な場」としない)。

〇ミドル・リーダーの教員を核とした、「ミドルアップダウン型」の取組である。

 これらの特色は、「校内で統一された研究内容」「膨大な時間と労力を要する指導案作成」「心理的な負担の大きさ」「授業研究会は、講師の『ありがたい話』を拝聴する場」といった既存の校内研究に対する強烈なアンチテーゼになっているといえるだろう。

 また、「実践者」と「伴走者」が協力し、問題の解決を図っていく探究活動であるという点で、H小学校の取組を「アクション・リサーチ型」の校内研究だと呼ぶことができると思う。

 この日の校内研究は、次のようなスケジュールで進んでいった。

13:35〜14:20 授業公開
※3年1組 総合的な学習の時間
※6年2組 社会科

14:35〜
※外部からの参加者向けに、同校の校内研究に関する説明(研究主任より)
(H小学校の教職員は、通常通りの休憩時間)

15:00〜16:45 校内探究会
①MK校長の探究『釣りとけん玉と学校経営』
②6年2組・IK教諭の探究『社会の授業をみんなで考えようの会』〜歴史を知るは未来を知る〜
③3年1組・IH教諭の探究『テーマプロジェクトとマイプロジェクトの往還と興味の複合』〜クラスでの探究、個での探究、その揺らぎ〜

※最後に、校長・参加者代表からの総評

(つづく)

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