脱ステからの紅皮症。
「紅皮症ですね」
「もう少し遅かったら、即入院でしたよ」
見かねた両親に、病院へ連れて行かれた私に、
聞いたことのない言葉が入って来た。
コウヒショウ???
なにそれ???
先生が、分厚い本をめくり、
紅皮症の症例写真を見せてくれた。
みんな真っ赤だった。
「だから紅皮症っていう名前なんですよ」
なるほど、分かりやすい。
どうやら、免疫力も著しく低下してしまっていて、
このままでは、あぶないと言われた私は、
いくつかの飲み薬を処方され、点滴を受けた後、
その場ですぐに、ステロイドを塗られた。
あああああああ嫌だ。
嫌で嫌で、嫌だったけど、
そこから、私の皮膚は、
魔法にのように、見る見る回復して行った。
(これがステロイドの力か、、すごい)
そう思ったら、
なんだか泣けて来た。
ステロイドが嫌で脱ステして、
動けなくなるほど体調を崩して、
泣くほど病んで。
それなのに、その苦しみから私を救ってくれるのは、
またしても、ステロイドなのか。
それから私は、徐々に元の生活を取り戻して行く。
食べ物に対する拒否反応は、しばらく残っていて、
友達との外食で、揚げ物を勧められた時、
口に入れても飲み込めなくて、
いやいや飲み込んでみたら、吐きそうになった。
お菓子も、最初は拘って、
白砂糖不使用のオーガニックなものしか食べたくなかったけど、
そんな贅沢は言ってられないぐらい、
そういうお菓子は値段が高いもので。
あぁ、生活するってそういうことだな〜と、
少しずつ何かを諦めて、
少しずつ元気になって行った。
そして今、
10年ぶりに脱ステに挑んでいる。
紅皮症になったあの頃とは比べ物にならないぐらい、
正常を保ちながら、脱ステを進められている。
すっかりお菓子も爆食いするようになっていたし、
全然完璧ではなかったけど、
揚げ物や、
ファーストフードぐらいは、完全に絶っていたから、
少しの努力だったかもしれないけど、
この10年間、気をつけて来たことが、
多少は効いているような気がして、嬉しかった。
まだ、2ヶ月目だけど、
根治をめざして頑張ろう。
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