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また明日
これはきっと小金井の一つの奇跡の物語。本気でそう思います。
小金井市にあるNPO法人地域の寄り合い所「また明日」。
そこでは認知症高齢者のデイホーム、小規模保育園の虹のおうち、そして誰でもどうぞの地域の寄り合い所という3つの事業が、長屋のような建物1階の同じ空間のなかで運営されています。
その「また明日」で日々繰り広げられる、人と人が通わす心の暖かさに触れられるようなステキな本が間もなく発売されます。(2019年12月15日出版予定)
著者は編集者、ライターをされている太田美由紀さん。
小金井のまた明日を知り、取材に訪れ、実際にボランティアのように関わりながら取材を重ねられたというその本は、そこにいるおじいちゃん、おばあちゃんや子どもたちに寄り添って丁寧に綴られた、また明日のヒューマンドキュメントです。 藤田浩司さんの温もり伝わる写真もほんとステキです。
また明日の運営をされているのは、代表理事の森田眞希さん、その夫で介護福祉士の森田和道さん。
本では、お二人の想いと想いが繋がり、その想いを形にして、それに共鳴するたくさんの人たちの支えもありながらまた明日ができる様子や、また明日に関わる多様な人たち誰もが受け入れられ、自分がありのままでいられることで主体的に自分の人生を生きていく力につながっているという様子など、僕自身、普段忘れてしまっているような本当に大切なものが何なのかを気付かされることがたくさん詰まっています。
いま、多くの人が日々の仕事や生活など目の前の自分たち自身のことに精一杯過ぎて、例えば地域の他人に関心を持つ余裕などはないのが現実なのかなと思います。それは自分自身もそうでした。
認め合ったり、受け入れたり、困ったときは助け合えたり、持ちつ持たれつ時にはお互い支え合ったり、そんな本来は当たり前なはずの人との関係性は、意外といまは難しい。
でもまた明日には、そんな風に忘れられている本当に大切なこと、誰かが誰かを想う優しさや愛が溢れています。
ほんの少しだけ、本文にある森田和道さんの印象的な言葉をお伝えします。
誰かから与えられるだけの人生でいいのでしょうか。
お年寄りだけではなく、誰もが、そんな人生は辛いと思います。私だって嫌だ。私たちがやろうとしていることは、子どもとお年寄りがただ一緒にいることではないのです。
ただ一方的に何かをしてあげるために『また明日』を作ったのではありません。それぞれの人が、それぞれのいいように自分の人生のひとときを過ごせる場所を作りたい。
それぞれが主体となって、ある時は支え、ある時は支えられる。そういう関係性が生まれる場を作りたいということがすべてです。
僕自身も、小金井で縁があってお二人とも繋がりを持たせていただいており、今回の本の出版記念イベントにも参加させていただきました。
80名満員のその場の雰囲気は、また明日に関わるそれぞれの人たちとの関係性が伝わる本当にステキな場でした。
森田さん夫婦の想いから撒かれたその種は、しっかりと芽を出して、「また明日」という花を咲かせた。そして、それを育てているのは関わっている全ての人たちなんだろうと思います。
この小金井の一つの奇跡がこれからも多くの人たちの心に触れ、心を動かして、物語が綴られていくことを心から願っています。
こんな感じで、生意気にも書評じみたこと書いてみました。
でもそれは、また明日をまだ知らない人たちにも、こんな場所がある、こんな人たちがいるってことを知ってもらいたいし、それを自分なりに感じとって、自分自身の人生に前向きになってもらえたらという僕なりの想いからです。
何か感じて下さる方がいたら、ぜひこの本を手に取って読んでいただければ幸いです。
令和元年、今年最後のnoteでした。
また明日。