結局、私は「グレーゾーン」
自己紹介のあと、何を書こうかとリストアップしてみたんですけど、大事そうなことを綴ろうと思います。
私は17歳でアスペルガー症候群と診断を受けました。
ただ、「アスペルガー症候群の傾向がみられる」と、少し曖昧なことを最初に言われたことを覚えています。
ウェスクラー式知能検査を受けて、診断されましたが、凸凹はその時の精神状態も影響されることが多いそうです。
私の場合は高校の時に不登校になり、二次障害に困っていたことから、診断に至りました。
「グレーゾーン」に当たる人は二次障害に困って、大きな問題に直面しないと診断されることがほとんどないのだと思います。
診断後も「アスペルガー症候群」がどんな障害か、ということは病院で教えていただきましたが、「自分の特性」について話したことは無かったように思います。
時代が"そう"だったのか、主治医や親が"そう"だったのか分かりませんが、当時は発達障害だからといって支援を受けることはありませんでした。
今、言葉を選ばずに言うと「明らかに障害があり、支援を受けやすい程度の障害があればよかった」と思うことがあります。
グレーゾーンにあたる人たちは、過剰適応してしまったり、苦手なことを得意なことでカバーできてしまうので、本人は実は困っていることに気づかずに、「爆発」して気づくことになります。
私は何度も何度も爆発して、何度も何度も仕事を辞めて、それでやっと「障害を理解しなきゃ解決しない」と気づきました。
10年かかってます。
この10年の間に、たくさんの言葉で傷つき、今もふと昔の言葉や出来事に囚われ動けなくなります。
診断を受けたあと、障害を認め、適切な支援を受けることができていたら、傷つかなくてよかったことがたくさんあります。
私が就労移行支援に通所して感じたことは、「グレーゾーン」に当たる人こそ、学生時代からの呪いやトラウマ、劣等感と戦うことになるということです。
工夫をしたら、支援がなくともなんとなく生きていけます。ただ、人よりも1つ1つを噛み砕き、工夫し納得する、練習するということをたくさんして過ごしています。
現在、特例子会社に就職して「支援される側」ということを実感しました。全てを自分の工夫で対処しなくていいということは、私の支えになりました。
私は二次障害で困らされたために、運良く診断してもらえたグレーゾーンです。運良く困り事を解消するための支援を受ける側になれたんだと思います。
「障害者」は本当に困っている人に与えられるべきだと思っています。しかし、「グレーゾーン」という言葉があることで、「障害者」を増やしているようにも感じます。そもそも、発達障害は誰も持っている特性が大きくでて生活に困り事をもっている人のことなのに。
私も「グレーゾーン」という言葉で本当に困っているわけではないのに、「障害者」という枠に組み込まれたひとりじゃないかと、少し不安に思いながら、暮らしています。