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4年越しの入社?エントリ
大学3年生の頃に書いた文章が、下書きに眠っていた。読んでみると、当時私は今働いているS社でバイトをしていたらしく、関心を持った経緯や、入ろうと思った理由が書かれていた。
そんな4年越しのタイムカプセルを、ちょっと手を加えつつ開いてみよう。
大学二年の時と比較して、自分でも面白いくらい変わった昨年。じゃあ結局この間なにをしていたかといえば、越境と越境と越境だったと思う。中高一貫校で過ごし、大学内で新しい友人を作るのにさえ四苦八苦していた私が、今思ってもよくこんなに色々な人と知り合い、話をすることが出来たものだ。素直にすごい。
そんな越境をする中で、本当にたくさんの、自分の価値観を広げてくれる人に会ってきた。出会いの数だけ、気付きがあり、思い出があり、それを思い出させるグラレコ(※)やツイートが残っている。無精で、インドアだからと、機会を作ろうともしてこなかった私にとって、ゼミに入ってからの多くの巡り合いは、一つ一つ、大切な財産だ。これは、挑戦を後押ししてくれるゼミの場のおかげだろう。
(※…話の内容などを、絵や図形などのグラフィックを用いてまとめたもの)
そんな越境先の中から、今私のバイト先でもある、S社に関わることを決意した、きっかけのエピソードを紹介する。
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ゼミの教授の付き添いで、2020年6月にインタビューに同席した。そこで初めてS社の代表であるKさんと出会った。その時、Kさんの、「経営者の仕事は場づくりである」「遊ぶように働く」などの経営の考え方に非常に感動し、初めて「働く」ということに前向きになれた気がした。日本には、こんな経営者がいるのだ、ということに希望を抱いたのを覚えている。
ただ、その時はS社について詳しく調べようとは思っていなかった。素敵だなと思いつつ、自分がその会社の一員になるという選択肢は上がらなかった。
その後2020年11月にゼミの先生の授業にKさんがゲストとして来てお話を聞く機会があり、またやっぱり良いなと感じたのを覚えている。そこで、私は初めてKさんの会社で働きたいという意思を持つことになった。しかし、まだその時は、「入りたいけどな…」と語尾を濁していた。
理由は、私が今まで話を聞いてきた人たちの多くが、社会問題を解決するという大きな目標を掲げ、奮闘してきた人たちだったから。だからこそ、株式会社に入ることに、後ろめたさを覚えていたのだと思う。
しかし、2020年12月には新卒応募をすることを決め、S社でバイトをすることが決まった。後ろめたさが消えた理由は、12月1日のKさんの発信がきっかけだった。
会社を作って10年近く経つけれど、ずっと世界を変えるみたいなことは言えなかったし、これからも言えそうにない。それこそ創業当時は、世界を変えるようなスタートアップに憧れたりもしたけれど、今にして思えば、本当にやりたかったことは、自分たちが生きれる世界をつくることだったんだろうな。小さな世界だけど、共感してくれるお客さまや働く人たちが増えて少しずつ世界が広がるのは嬉しいことだ。壮大でも崇高でもないけれど、こういう起業の形があっても良い
これを読んだ時に、「それを求めてもいいんだ」と目から鱗が落ちた思いがしたのだ。社会にインパクトを、と活動する人たちは大きな目的があってキラキラして見えるのは確かで、その人たちを尊敬し、憧れる気持ちは今でも強くある。でも、私がS社に対して感じる「S社みたいな会社が増えたら、仕事を楽しんでる会社員ばかりになるんじゃないか」「S社で働いたら、楽しそう」という気持ちも、本心だ。その心を蔑ろにしなくてもいいんだ、とKさんの発信を読んでようやく肯定できた。社会問題を解決したいという強い気持ちがない、そんな今の自分のことも受け入れられたのだ。
本当は自分の中でやりたいことがあるのに、「するべきだ」って言葉で、自分の心を、気持ちを、好奇心を、無視することが今までにも多くあった。自分のしたいことを「するべき」方向に意味付けして、理由を言い聞かせてきた。
でも、これからはもっと自分に素直に生きたい。私が自分の好奇心に素直になれた時、私はきっと今心から幸せだといえるし、社会を良くしたいという気持ちにも、より素直になれると思う。今も私には、この問題を解決したいという強い思いが無い。もしかしたらこれからもそんな気持ちは出て来ないかもしれない。けど、挑戦したいことはある。知りたいことはある。好きな人や、組織がある。私のそんな素直な思いに従って動き続けた後、何かが見えるかもしれない。そんな曖昧だけど楽しい世界で、私は生きていたいと思っている。
過去の私も、今の私も、本当にやりたいことは、「仕事を楽しんでる人を増やす」ことなのだろう。
3年働いてる中で、その手段は沢山あるということを実感している。私にはどんな手段が合っているのか、誰向けに自分は仕事をしていきたいのか。いずれは、その解像度もあげていきたいな。
昔の自分の文章は、なんとなく素直で真っ直ぐで、眩しい気がした。粗い部分も多いけど、それでも頑張って書いて出そうと思ってるのが伝わってくる。
4年前の自分へ、
良い記録をありがとう。
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