出会いがあれば、別れもある
半年間だけ、海が近い街に住んでいたことがあった。海がない場所で育った私は、幼い頃から海に憧れを持っていて、大学を卒業した後、そこへと移り住んだ。
やりたいこともなく、就職をしないという選択をした私は、とある宿で住み込みをしながら働き、その街で、決して贅沢とは言えなかったが貯金を切り崩しながら生活していた。
月日は流れ、そこを離れなくてはいけない日がやってきた。その日の前日、私はいつも通り海へ向かい、海を眺めた後、海岸沿いを自転車で走り、海の見えるカフェへと向かった。
そ