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【気になる土偶#100】湘南の風に吹かれて/神奈川県立歴史博物
湘南の爽やかな海風に髪をなびかせ、粘土を手にする縄文人…ちょっと素敵な光景が思い浮かびませんか?
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神奈川県藤沢市の「遊行寺」の西側にある遺跡から発見された土偶です。
この「遊行寺」という名称は、箱根駅伝の往路3区・復路8区にある急坂「遊行寺坂」で聞き覚えのある方もいるのではないでしょうか。
その坂を下ってしばらく行くと、相模湾を望む湘南海岸へ行きつきます。
海の恵みを受けた貝塚のある遺跡からは、縄文時代の土偶、土器等の多くの遺物が出土しました。
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神奈川県立歴史博物館(企画展)
高さ13センチ。平たい板状の土偶で、もともと脚は作られませんでした。
顔から胴体までその境目ははっきりせず、見ての通り寸胴。そこにある胸でかろうじて女性像であることが分かるようです。
少し歪んで作られた目鼻に、愛らしさを感じるのは私だけでしょうか。
背中のやや右上に渦巻文様が2つあります。
左の土偶のように、渦巻が真ん中に配置されていないのは、作り手のセンスなのか、それとも他に意味があるのか…。
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横浜人形の家(企画展)
横から見ると、鼻と胸とが同じように見えてきます。
平たい粘土を長方形にして、まず両手を作り、鼻と胸を作り、目を窪ませて…と、その工程が想像できるようです。
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神奈川県立歴史博物館(企画展)
実はこの土偶は私のターニングポイントとなった大切な土偶です。
この土偶を初めて見たとき、それまでに見た国宝や重要文化財級の土偶にはない、素朴なぬくもりのある愛らしさに目が釘付けになりました。
そこから私の縄文への興味が溢れ始めたのです。
このシリーズも今回で100回目。
読んでくださる方があって、ここまで続けることができました。
改めて、感謝申し上げます。
これからも縄文人の心に耳を傾けながら、彼らが慈しんだ土偶や土器などを紹介していきたいと思います。
*参考資料
土偶界へようこそ 誉田亜紀子 山川出版社
©2024 のんてり
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最後までお読みくださり有難うございました☆彡