想像力

感染病が猛威を振るう昨今ですが、皆さんはどのような暮らしを送っているのでしょうか。きちんとご飯は食べられていますか?

残念なことに、私自身あまり調子がよくないようです。人ごとのように感じてしまうのは、理由もなく勝手に涙が溢れてくるからです。こんなに胸が苦しくて、どよーんとした気持ちが長く続いてしまうのは、体や心の調子が良くないのでしょうね。原因はわかっています。大切な人たちに会えないからです。

学校は休校、バイトも短縮。時間が余るとやはり大切な人たちに会いたいという気持ちが膨らみます。しかし、今はそれがどれだけ危険で、最もしてはならない行動だということを、頭では十分にわかっています。なぜなら、私は頭の中で十分な時間をかけて想像をしたからです。私が実家に帰る途中、もし感染・保菌してしまったら、96歳の祖父はどうなるでしょうか。まだまだ元気でたくさん笑う、明るい60歳の母はどうなるでしょうか。毎日毎日愚痴もこぼさずにひたむきに仕事に向き合う58歳の父は、果たしてどうなってしまうのでしょうか。そして、私自身はどうなってしまうのでしょうか。たくさんたくさん考えた結果、実家には絶対に絶対に帰らないと決めました。当たり前の決断をするのに、何日もかかってしまいました。でもこの決断ができたのは、想像力のお陰だと思っています。

本当は、この“想像力”について書きたいのですが、今は頭がうまく働きません。想像力を育むために重要だと考える“読書”も、ここ数日の私にとっては難しい行為でした。しかし、こういうときに映画の存在がありがたいですね。ページをめくる力がないときには、気軽に見れる映画を観ることにしています。映画、普段はまるで観ないけど、存在してくれていてよかった。ありがとう。少しずつ調子を戻して、自身が落ち着いた頃に、この件を書き始めようと思います。

それよりも、今私が本当に求めているものは、文化的娯楽の享受ではないのだろうと思います。文化的娯楽では得られない、胸にぐっとくるような、温かくて熱くて流れ溢れて止まらないあの感情だけは、大切な人と会ったときにしか感じることができません。あの感覚だけは、替えがきかないのです。あーあ、会いたいな。会うという単純な行為が、ただただ愛おしいと感じる今日この頃です。


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