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凡人は筋力向上を目指す前に、まず筋出力不全に対してアプローチをする。




重量も大して持てなければ、発達も遅い凡人は、ジムで、悔しさのあまりしばしば見栄を張って身の丈に合わない重量を持ったり、明らかにフォームが崩れているのに粘り続けたりするケースがある。

(毎度の確認だが、凡人は私)

これは、根性があって、体づくりに対して誠実なわけではない。

むしろ、見えっ張りで根性という綺麗ごとっぽいことに逃げて、自己正当化していることの方が多いのかもしれない。

凡人は、まずそんなメンタリティから脱することが大事ですが、他の選択肢がなく、追い込む他ないんだ、と思い込んでいる場合もあるので、じゃあ具体的に根性に逃げないためにできることがなんなのかを書いていきたい。

その一つとして、今回のテーマである、筋力向上と筋出力不全についてのアプローチが挙げられる。

筋力は、筋繊維の横断面積の増大や筋繊維数の増加によって増加する。

その一方で、不動や廃用により筋容量が減少すると、筋力低下が生じる。

これは、筋繊維の数と太さの減少により、筋が萎縮するためである。

いわゆる筋力低下とは、筋実質部の生理学的要因によって生じる。

肩関節拘縮の評価と運動療法 P.76


これを読むと、筋肉を使わなければ萎縮する。

なら、「筋トレやりまくらねば」と単純に解釈できます。

筋トレしなければ、筋肉は小さくなり、それに応じて筋力も減る、というのは想像に容易いですよね。

お次にこちら。

関節拘縮の存在は、生理的な関節運動から逸脱して不安定性を伴うため、疼痛や筋攣縮を誘発する。

そのため、筋出力は不足し、この様な環境下で無理に筋力強化を行うと筋萎縮を助長することもある。

肩関節拘縮の評価と運動療法 P.77

筋トレをやりまくらねば、と無理をした結果、関節の拘縮が進みそれでもやり続ければ、筋出力が下がって場合によっては筋萎縮することもあると・・

「さっき、不動や廃用で萎縮すると言っていたくせに、今度はやりすぎで萎縮だと・・・?」となる方もいるかもしれません。

ここで、「筋出力」が登場しましたね。

「筋力が下がって」ではなく、「筋出力が下がって」という表現がされています。

なんでなんでしょうか?

お次にこちら。

それに対し、筋出力は、運動ニューロンの興奮と筋繊維が収縮する割合によって大きくなる。

しかし、筋攣縮の発生や、拮抗筋の緊張が高いと筋力低下や筋萎縮を認めないにも関わらず、筋力がうまく発揮できなくなる。

いわゆる筋出力不全とは、運動神経と筋接合部による生理学的要因によって生じる。

肩関節拘縮の評価と運動療法 P.76

「筋力がうまく発揮できなくなる」

これが、筋出力低下のキーワードになってくるとおもいます。

筋力はもっているのに、発揮できない状態とも言えます。

「あらあなた、こんなに筋力あるのに、もったいない。ちゃんと筋出力不全にアプローチしなさい。」

ね、やってきたのはもったいないばあさんです。

凡人トレーニー「もったいないばあさん、じゃあどうすればいいの?」

ばあさん「あなた、ちゃんと上の文章を読みなさい。”筋攣縮の発生や、拮抗筋の緊張が高いと”って書いているでしょう。」

筋攣縮は、損傷や萎縮、筋力低下などがないのに、伸び縮みする能力が低下していう状態で、慢性的な筋の緊張状態と言われたりします。

こちらへのアプローチに関しては、ストレッチよりもいわゆる「リリース」が適していると考えられます。

マッサージボール、セラガン 、徒手によるリラクセーションなどがあたります。

筋攣縮は、ボールを当てたり、押されたりすると圧痛があるのが特徴ですので、マッサージボールで痛いところを探して、持続圧でセルフマッサージを施すなどはオススメです。

骨盤職人、トリガーポイントMBシリーズなど、部位によって適するツールを使うと良いでしょう。

ただ、痛すぎると防御反応による過剰収縮を出す?(ちゃんと調べられたらまた更新)ので、その人の感受性にもよるかと思いますが、イタ気持ちいいを目安に当てると良いかと思います。

拮抗筋の緊張の高さの改善についても、同様の考え方で良いと思います。

ただ、筋短縮を伴っている場合はしっかりとストレッチもするというのは大切です。

NASMのエクササイズコンティニュームでは、抑制→伸長→活性→統合という流れがあります。

抑制をかけてから伸ばす。その後、再訓練をしていくと筋出力不全を未然に取り除いてからトレーニングすることが可能になり、良い結果が得られやすいでしょう。

結局、いつも書いている内容とアプローチ自体は同じにおちついてしまいました。

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