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6月短歌まとめ(14首)

 あっという間にひと月が経ったので6月分の短歌をまとめました。決して多くはないですが、今月は深夜のガストで食べながらだったり、雨の日に外で仕事してたりした中で詠んだ3首1組のテーマ詠を2つしてみたり、ちょっと楽しかったです。感じたことを無理にひとつにまとめようとして苦しかったんですが、途中で「複数に分ければいいじゃん」と気付いて楽になりました。
 また、noteの短歌タグからみなさんの短歌を楽しみながらスキを付けたりして、楽しまさせていただきました。私は生活歌がメインだと思ってますが、子育てや恋愛など、人によって個性があって自分には無い感性があって、瑞々しさもあって羨むばかりです。みなさんに負けないように精進したいと思います。
 では、今月も私の適当なコメントを付けながら、振り返りたいと思います。どうぞお付き合いください。

1.吸い殻が排水溝に捨ててある防火意識だけあるんですね
路上喫煙禁止の場所に落ちていた吸い殻。こういう人のモラル意識の境界線が気になります。下の句が8音6音になってるのがモヤっています。本当は「だけは」にして「だけ」より強調したいんですが音律的に正しいかが分かりません。

2.モンステラ 我の世話さえできねども甲斐甲斐しく葉の雫見ゆ
友人から植物をもらいました。古語風の短歌は好きなので、しっかり学んで使いこなせるようになりたいです。高校の時にもっとまじめに古文の勉強をしておけばと後悔もしています。

3.六月の別れを憶う雨音を聴いて眠る水底の澱
私の想いが強すぎて評価ができない短歌です。6月の雨の日には毎度思い出す記憶があります。

4.期限切れミルクに熱を加えれば命が延びると疑わない
これも下の句が8音6音になってて納得してないです。足して14音という理屈がまかり通るのか通らないのか分からないままやっています。

5.爪先がたった1ミリ伸びただけベース1日サボっただけ
ベースを弾く前に深爪するくらい短くするのですが、爪が伸びた分がサボった証拠になります。それを31文字に圧縮して、客観的に伝わるかが微妙だなと思ってます。上の句と下の句で同じ助詞を使うのは好きです。

6.あの人の活躍を知る鈍色の空が落ちて息が苦しい
SNSで遠巻きに知人の活躍を知ると悔しい気持ちでいっぱいになります。現状に対して「自分はこんなもんじゃない」と過大評価をしてるせいです。暗い気持ちを示すのに「鈍色」というありふれた表現を使ってしまったのがもったいないかなと思ってます。

7.あの線路脇に少女は捨てられた「鏡よ私の顔を教えて」
言いたいことを詰めすぎて訳がわからなくなってる気がする歌です。悲しいニュースに悲しいコメントをする人たちを見ていると、自分はちゃんと悲しい顔ができているか不安になります。

8.目の前で人が倒れた僕はただ慌てただけで何もできなくて
この日の勤務中、足の悪いおばあちゃんが私の目の前で躓いて倒れました。私は受け止めることもできずに呆然としてしましました。幸い、大事には至りませんでしたが、その後の対応も周囲の人に任せっぱなしになってしまい、何もできなかったことが悔しいです。

9.感情が無くてよかったロボットは「行ってくるにゃ」と無賃で働く
9〜11は「ガスト短歌3首」です。私があのロボットの役目だったら即刻辞めてるなと思いました。大体の仕事は誰がやってもいいので、多くの業務がロボットに切り替わっていくんでしょうね。「」で台詞が入ってる短歌は結構好きです。効果的に使えるようになりたいですね。

10.憎しみがグラスの底に溜まってるカラカラのままのコーンフレーク
上の句が下の句の前振りになってるのはよくある形だと思うんですけど、バランスを崩すと大喜利みたいになってしまうと思ってるので、慎重に言葉を選びたいです。

11.寄る辺なき街を彷徨うアンデッド御一行様を歓迎します
ゾンビ(3音)をうまく入れられなくてアンデッド(5音)にしましたが、どっちにしろ比喩として成立しているのか疑問です。でもまあ、深夜にフラフラしてポツンとある明かりに集まるのはゾンビか虫のどちらかですから。

12.デジタルの赤い雨雲行く先は別のどこかでここではないの
12〜14は「雨の日短歌3首」です。外仕事なので、天気の影響をかなり受けます。雨足が強まると業務が継続できないので、雨宿りをするついでに雨雲レーダーを見るんですが、現状とレーダーの情報が合致していないと、同じ地点なのに別の世界の話をされているような気になります。

13.立ち停まる時間は返って来やしない西の彼方は明るくて吉
雨宿りをすればするほど勤務時間が延びていくのは仕方がないんですが、雨が落ちるのを眺めるだけでただただ時間が消費されていきます。それでも、西の雲が薄ければまだ救いがあります。

14.雨粒に追われるように去る子らと伏目に走るスーパーカブと
上の句、下の句を「と」で並べる歌を詠んでみたんですがいかがでしょうか。自由に逃げられる子どもと責務に縛られた大人の対比ができてればいいなと思いました。

 以上、14首お付き合いありがとうございました。どれかひとつでも心に届いたなら嬉しいです。いよいよ7月に入り夏本番ですが、暑い時は「暑い!!」と叫んで、コンビニに入っては「涼しい!!」と叫び、夏らしく楽しんでいきましょう。

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