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悲しい国から来た。

雨の止まない春の始まり。
25時の終電を逃した他人が笑う。
昨日までの冷たい雨を思い出して、
駅の外れベンチに横たわる。

寂しさに満ちた身体。
他人の二人は春の雨を勘違いしている。
悲しいまま抱かれた身体。
終わらない昨日を引き摺る。

私を見ながら、遠くを思う。
きっと貴方は寂しい。
私を見ながら、誰かを思う。
きっと貴方は優しい。

雨の止まない春の始まり。
行くあてもない知らない街が手招く。
昨日のまでの温もりを掻き消して、
街の入り口で立ち止まる。

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