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ギャンブル依存症

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記事一覧

カミングアウトを「言い逃れ」という家族心理について

カミングアウトを「言い逃れ」という家族心理について

いつも掲示板やコンテンツ内で議論になるカミングアウト。SAGSでは、これまでカミングアウトを「最も効果的な生活環境の改善」とし、参加者さんたちにこれを推奨してきた。

だが最近になって寄せられた相談で、「カミングアウトすること自体、依存している人の言い訳ではないのか」という質問を頂戴した。結論から申し上げると、家族にちゃんと「自分はギャンブルに依存している」と告げることは決して言い訳ではない。

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パチ屋離れは ギャンブル離れなのか?

パチ屋離れは ギャンブル離れなのか?

パチンコ店の倒産が止まらない。SAGSの掲示板でもちょくちょく話題になっているが、「パチンコ店の閉店速報」というサイトまであり、毎日閉店したパチ屋の情報を更新している。

そういったサイトで、全国のパチ屋が減っていく様子が手に取るように分かる。私も覗いてみたが、大阪では知っていたパチンコ店が3軒閉店していた。

だが、パチンコの店舗数が減ってはいるものの、設置台数が減り始めたのは2年前くらいからで

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「私はダメ人間」と言うのは 「マウント取り」だというハナシ

「私はダメ人間」と言うのは 「マウント取り」だというハナシ

最近、というよりはずっと以前からもそうなのですが、SAGSの掲示板で自分のことをクズだとかダメ人間だとか書き込む人が出ます。

これまでそういった方に接してきて感じるのですが、ひとことで言えば「手の施しようがない方が多い」ということです。

つまり周囲の仲間たちが声がけして励ましたり対策をアドバイスしてあげたりしても、すぐにスベってしまい、そこで出るのが「ダメ人間」という言葉なのです。そして、「掲

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SAGS掲示板から「渇き」になる衝動とは

SAGS掲示板から「渇き」になる衝動とは

SAGSでは、毎日、参加者さん同士が様々なスレで交流しています。今回は、衝動についてとても興味深いやり取りがあったので、シェアさせていただきました。(ヤバイ気持ちをはきだすスレvol.2から)

パチンコ屋に行く瀬戸際投稿者:Aさん 投稿日:2021年 3月26日(金)13時14分22秒

今日は半日仕事で昼から休み。朝からパチンコ屋に行きたい欲求が半端なかった。
仕事が終わり、定食屋に逃げ込み

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パチ屋の交友が いとも簡単に崩れ去る理由(最終回)

パチ屋の交友が いとも簡単に崩れ去る理由(最終回)

ここで話をパチ屋の交友に戻そう。どんなに真面目な人であれ、どんなに気が合った友人であれ、どんなに懇意な間柄だったにせよ、「パチ屋で得た交友は、とにかく飛びやすい」のである。

私の場合、親しくなったのは同性・異性を問わず「友人」止まりだったが、中には男と女の関係になってしまう人たちも居る。というか、そうなってしまう人たちは想像以上に多かった。

だが今になって考えると、「飛ぶという行為が、いかに思

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パチ屋の交友が いとも簡単に崩れ去る理由(その3)

パチ屋の交友が いとも簡単に崩れ去る理由(その3)

まだ20代だった私は彼女と出会った時、自らの名刺を手渡した。それは人助けをしたいという思いと同時に、この人なら身元を明かしても大丈夫という勝手な思い込みからだ。決して、ふしだらな気持ちからそうしたわけではない。

だが今よく考えてみると、彼女は自分の電話番号しか告げなかった。つまり、私は彼女を信用したものの、彼女は私のことを信用していなかったのである。

先の記事で書いたが、「素性を明かさないのは

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パチ屋の交友が いとも簡単に崩れ去る理由(その2)

パチ屋の交友が いとも簡単に崩れ去る理由(その2)

当時、私の職場は大阪市内だったが、もう一つの稼業であるパチに関しては、甘い店を探してあちこち点々とすることになった。特に東大阪や堺市内のパチ屋にはよくでかけた。そういった「出先」で顔見知りのプロと偶然出会うことは珍しいことでなかった。

お互いにもう気心は知れているので、そういった場で、「今日はこちらですか。江坂の店、ダメなんですか?」といった会話があり、電話番号やアドレスなども自然と交換するよう

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パチ屋の交友が いとも簡単に崩れ去る理由(その1)

パチ屋の交友が いとも簡単に崩れ去る理由(その1)

私はパチンコを高校2年生から始め、それから30年近くの歳月やり続けてきた。本当に無駄な時間を浪費したと感じるが、その間に人生の甘さも塩っぱさも辛さも酸っぱさも全て経験した。今になって、当時の交友について思い出すと感慨深いものがある。

長い期間パチ屋に入り浸ると、当然ながらそれなりの交友が生まれる。全盛期ではパチ屋関係の知り合いだけで、おそらくだが20名以上は居た。

だが、今、それらの人たちの中

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パチンコ店の自己申告・家族申告プログラムは機能するのか

パチンコ店の自己申告・家族申告プログラムは機能するのか

近頃、パチンコ店の内容を調べていると目にすることが多くなったのが、「自己申告・家族申告プログラム参加店」という表示である。

これは「パチンコ・パチスロ産業21世紀会」というパチンコ業界全体で運営している団体が、「パチンコ・パチスロへの依存問題に対する啓発・予防等の取り組みの一環として」設けている制度である。

概要をひとことで言えば、「本人や家族の申告によって、遊戯しすぎないよう手助けを行う制度

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バクチ資金のタレ流し ATMはこれで解決

バクチ資金のタレ流し ATMはこれで解決

これまでSAGSでは、「断パチ・スロ3原則」として

・金銭管理:余分なお金を持たない
・時間管理:時間を持て余さない
・誘惑排除:誘惑の芽を摘む

これら3つの自己管理をお勧めしてきた。だが、そう簡単なことではない。一筋縄でいかないのは確かである。

時間管理については、習慣にかかわる要素が多く一朝一夕に改善できない。誘惑については、ある程度の排除は即可能だが、時系列的に考えることが必要でそれな

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スリップする直前の「自問自答」とは

スリップする直前の「自問自答」とは

少し前にスリップの記事を投稿し、書き忘れたことがあった。今から書くことは意外と重要なことなので、心の片隅に置いていただければと思う。

SAGSのテキストにも書いていない。

自問自答する理由以前、スリップした方から、「スベる瞬間に自問自答する」という話を何度か耳にした。その際の質問の内容だが、次のような内容が多かった。勿論そういった方々は、これらの質問に対する答えが「OK!」だったからスベったわ

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スリップ防止(まとめ)

スリップ防止(まとめ)

少しだけ前回の補足だが、「仲間たちの元に帰って得られる知識は、なぜ特別なのか?」という疑問もあるだろう。

それをひとことで言うならば、リアリティーである。本やWEBサイトで得られる知識は、インパクトが少ない。

ところが現実に仲間と会って、「ボクは、パチンコが原因で離婚し家族を失い、ホームレスまで落ちました。」などといった体験談を耳にしたらどうだろうか? 

少し違った例としては、「私はパチンコ

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スリップをスリップで終わらせるために

スリップをスリップで終わらせるために

ここで少しだけSAGSについて書かせていただく。

リアルでつながった関係は強い。少々のことでは崩れない。ところが残念なことにSAGSのような団体の参加者さんたちは、WEB上のコンテンツや掲示板だけで仲間達とつながっている関係ともいえる。

自助グループというのは正にリアルのライブなのだが、開催日が決まっていたり会場が遠かったりといった物理的な要因が参加の敷居を高めていることもある。

そういった

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実際は多い「無知のリスク」とは

実際は多い「無知のリスク」とは

ところがどっこい、「空パチ」どころか「禁パチ」さえ叶わぬ方がわんさといらっしゃる。私自身も辛酸をなめてきた部類である。だからそういった方たちに、「私もそうでしたが、最初は誰だって我慢からですよ」とお話しすることが多い。

我慢から克服への過程我慢することから断ギャンブルは始まるのである。やがて我慢は諦めへと代わっていく。諦め続けることで、やらないことが日常になっていく。

それが1年続けば、その時

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