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『Total Conditioning Coordinator』

最近、少し悩んでいました。
私の仕事のカテゴリー(とか肩書き)ってなんだろう、と。
そこで、とあるきっかけで後輩から、この名前をつけてもらいました。
時間が経つにつれ、じわじわとフィットしてきています。

私のずっとやってきた・やりたかった事と、今見えていることについて。
この名前がつくまでの、少し長いお話。

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私は、理学療法士新人の頃から患者さんに言っていた。
”もし、薬だけで治るなら、薬屋さんになるし、電気だけで治るなら電気屋さん(治療機器屋さん)になります”、と。
また、新人の頃に先輩からリハ終了時に指導を受けた、”あの子はもう、絶対にその痛みで病院に戻ってこないって絶対にいえる?”という言葉。ずっと脳裏から離れない。

患者さんの痛みがちゃんと無くなって、が大切。

1つの分野で細かく知識を増やすことよりも、何か患者さんや、スポーツ選手が怪我や痛みがあったときに、”痛みを減らして、思うような競技や生活に戻ること”、に興味があった。

スポーツの現場に出たら、整形外科の中でリハビリをしているよりも、たくさんの怪我や痛みや身体作りや、たくさんの事を知らないと対応できなくて。他の理学療法士が、専門的に勉強しているときに、私は外の世界ばかり見ていた。
だから、私が治せないのは、まだまだ専門的な勉強が甘いからだ、とずっと思っていた。もちろん、その側面もある。

それでも、目の前にいる方の 身体と、その人の生活習慣と ずっと向き合ってきた。
身体の使い方は、他の患者さんより良いのに、痛みが強く出て治りにくい方
身体の使い方や姿勢は悪いのに、痛みがない方
色々なことができているのに、”全く変わらない”という方
ある程度放っておいても、勝手に良くなっていく方
痛みが軽くなるなんて”おかしい”と言って、クレーム入れる方 (笑

まだまだ、治せない人がたくさんいる。
何をすることが、痛みを取ることに効果的なんだろう。まだまだまだまだ。

それでも最近、自分の中で答えが一つ出てきている。
以前は、バイオメカニカルの問題や技術や患部ばかり追っていたのが理学療法だった。(ように思う。)
でも、今は少し違って ”人をみること” に焦点が当たり始めているように思う。慢性疼痛や脳機能に目を向け、研究している先生方が、口々に伝え始めている。 治療技術だけでないアプローチについて。

先の記事でも書いたけれども、”痛み”は近年 BPSモデルで表現される。生物ー心理ー社会モデル。
複雑系に絡み合っている。
IASPで41年ぶりに改定された”痛み”の定義も、よりそれが強調されている。

痛みとは、 組織の実質的あるいは潜在的障害にもとづいて起こる不快な感覚・情動体験、またはそれに類似した不快な感覚・情動体験である。

・痛みは常に個人的な経験であり、生物学的、心理的、社会的要因によってさまざまな程度で影響を受ける
痛みと侵害受容は異なる現象である。感覚ニューロンの活動だけから痛みを推測することはできない。
・個人は人生経験を通じて、痛みの概念を学ぶ
・痛みとしての経験に関する人の報告は尊重されるべきである。
・通常、痛みは適応的な役割を果たすが、機能的、社会的および心理的な健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
・言葉による説明は、痛みを表すいくつかの行動の1つにすぎない。コミュニケーションができないことからといって、人間や人間以外の動物が痛みを経験する可能性を否定するものではない。

痛みは、あくまで個人的(主観的)な感覚や情動体験であり、その人の人生経験による。そして人生に悪影響を及ぼす可能性がある。

そう、経験だし、個人的な”感覚”。
痛い = 組織損傷 ではないのです。(もちろん=の場合もある)

だから”治療”は、その人の経験や価値観や感覚がポイントになるし
その経験や価値観や感覚が、その人の中で、どのように機能し作用しているのか。そうなると、脳の機能がkeyになってくる。

私は、ずっと整形外科の治療の現場で。
目の前にいる痛みで困っている人を、ただただ治して笑顔になって人生を送って欲しかった。

色々な痛みや身体の不安を持つ人がいる。
患部組織に問題がある人もいる。バイオメカニカルの問題の方もいる。栄養や呼吸、睡眠等自律神経の問題や、持っている認知バイアスの偏りの方も。その方の経験から判断されている事の決め事、等々。
何がポイントなのか。その比重は、人によって違うし、最適なアプローチの方法も色々ある。今は、ある程度の知識や技術とともに、クライアント様に渡すことができる。

そんな想いから、最近こんな肩書きを付け加えました。

Total  Conditioning Coordinator
全体のコンディションを整える、コーディネーター

コーディネーター;
1 いろいろな要素を統合したり調整したりして、一つにまとめ上げる係。また、そういう職業。「会議のコーディネーター」「ファッションコーディネーター」(デジタル大辞泉より)

クライアント様が、なりたい人生になるように、色々な要素を統合したりして、一緒に作りあげるお手伝いをします。

理学療法士から、トレーナー、ヨガインストラクターを介して
トータルコンディショニングコーディネーターとして。

新人の頃の最初の言葉の答えになったになってるだろうか。痛みを治す為に、今この仕事を選んだということ。

どうぞ、改めて宜しくお願い致します。

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