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20241019 学力喪失 今井むつみ


生きた知識:様々な状況においてすぎに取り出せて問題解決に使える知識

その分野の超一流の達人は現在の情況を一瞬で見極め、その状況に最も関係する記憶を取り出してくることができる。これは極度に高度で、熟練が必要なことである

本当の学力は、自ら学ぶ力である

思考力とは、知識を使って問題解決する力

学習内容を既に知っている知識を使い、推論によって行間を埋めて理解し、知識を拡張させること

システム2を発動できないと大変困ったことが起こる。誤った知識を修正できないのだ
→付箋に書くということは、システム2を発動させる
ファスト&スロー

スキーマの確認:世界の捉え方

小学校では、3、4年生から学ぶ内容が急に抽象的になる

量的実感こそ、実は中学・高校で数学を学習していくために不可欠な要素なのである
人間が乳幼児期にすることを一言で言い表せば、世界を自分の身体で探索することだ
子どもは、情報が豊富すぎる外界から、言葉の指す対象を切り出さなければならないのだ

教えられたことが理解できずにつまづくもっとも大きな原因はスキーマの誤り

知能テストのスコアは、学力と有意味な相関があるが、大きくない

子どもは、算数の文章題を「問題解決」するために意味がある答えを考えて出さなければならないとは全く考えておらず、そこにある数字を機械的に足したり、引いたり、かけたり、割ったりして計算し、何らかの答えを出すという程度にしか考えていないことがある

問題が解けた、答えが合っていたではなく、意味が分かったという瞬間、学びは遊びが実現する

結果が上手く出る方法を見つけることではなく、
「なぜ、こうすると上手く行き。なぜこうすると上手く行かない」のかというものごとの仕組みを発見する

TOC的アプローチと記号接地

躓きを生み出す複数の要因を一つ一つ個別につぶしていっても問題が解決しないこと、もっと根本からするべきことがあることを意味している

読解力が足りない、論理的思考力がら足りないと言われても、学習者本人にとってできることは、同類の過去問を繰り返し解くことぐらいしか思いつかない

なんらかの直観があれば、最初の一歩を踏み出すことができる

日本では、子どもに「まだこれは習っていないからこの概念を授業では使ってはいけない」が多すぎる

比較し対比させることは、モノや行為の間に共通性と差異を際立たせる。ネズミとハムスターにそれぞれ「ネズミ」「ハムスター」の様に区別する名前が付けられれば、子どもはそれぞれの対象の間の違いに注意を向ける。逆に、両方に「げっ歯類」という名前が付けられれば、両者の共通性に目を向けやすくなる

非常に限られた情報処理能力を逆手に取り、記号接地をし、そこから抽象的な記号世界に自力で果敢に踏み入り登攀していく、それを可能にするのは人間だけがもつ学習する力だ

記号接地を助ける、プレイフルラーニング
年下の、自分たちより知識の少ない子どもたちを思いやり、楽しんでもらえるように一生懸命計画する。強化を横断し、自分のもつ知識を統合し、使い、作品を作る。それを言葉で表現したり、説明したりする。なんと豊かな学びだろうか?
→正にMG

抽象的な概念はすぐに接地できない。接地しかけても必要な時にすぐ取り出せて問題解決に使える「生きた知識」にまで育てるには、その知識を使うたくさんの練習が必要だ。たくさん間違えることも必要だ。

分散学習と多様学習
分散学習は、あることを学習するのに、同じことを一気に集中して学習するより、少し間を置きながら分散して繰り返し学習する方が、記憶の定着がよいという理論
→一度で理解できなかったことを、少しおいて学ぶ。ネガティブケイパビリティ。もやもや保持力

多様学習は、あることを学習して定着させるのに、同じことを繰り返すより、多様な環境で学ぶ方が定着が良いという理論
→バスケの3Pシュート練習。同じ種類の違った著者の本を読んで学ぶ


#学力喪失
#今井むつみ

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