【本のこと】心と体、つらいのはどっち?
近況報告
前回のnoteを更新してから1年以上が経過してしまいました。こんにちは、小夜です。特に誰からも求められていませんが、近況報告をしようと思います。
2023年は、私にとって挫折の年でした。というのも、大学時代に発症した持病の悪化により、半年間の休職、そして退職を経験したんです。坂を転がり落ちるように症状が悪化し、気付けば会社に行けなくなり、どうしようもないまま辞めることになりました。
とにかく悔しかったです。憧れた場所で何とか頑張ろうともがいていたのに、「もうここには居られませんよ」と言われた感覚でした。今でも、脳の片隅に、強くて濃い未練が残っています。
でも、2023年は幕を閉じ、2024年が始まりました。今年は、悔しさを乗り越えて、病気という生きづらさと共存しながら、新しい道へと踏み出したいと思っています。(その第一歩がnote再開でした)
さて今回は、そんな気持ちで手に取った1冊をご紹介します。
生きづらさの往復インタビュー
今回ご紹介するのは、頭木弘樹さん・横道誠さん著『当事者対決!心と体でケンカする』(世界思想社)です。
この本は、潰瘍性大腸炎(体の病気)の当事者である頭木さんと、自閉スペクトラム症とADHD(心の病気)の当事者である横道さんが、往復インタビューをしながら「心と体、つらいのはどっちか?」という議論を闘わせる、一風変わった内容。
Xでこの本を知った時、「なんて興味深い本なんだ!絶対読まなきゃ!」と大興奮したのを覚えています。なぜなら私は、過敏性腸症候群(体の病気)と双極性障害(心の病気)というバチバチの当事者だから。
「こういう病気に関する本って難しくて読みにくそう………」と思う方も少なくないかもしれません。でも大丈夫。往復インタビュー形式なので、頭木さんと横道さんのおしゃべりに混ぜてもらっている感覚で、するする読み進めることができます。(私は2日で読み終えました)
頷きまくりの共感ポイント
それでは、生きづらさの当事者である私が共感したポイントをシェアしてみたいと思います。
感動とガッカリ
この部分を読んでいた時は外にいたのですが、「わー!分かるー!」と大声を出したくなりました。
私の場合、まず、今までの困り事に対して「双極性障害」の診断がついたことに大感動しました。自分を変えてしまった原因に行き着くことができ、自分探しの一部を終えることができて安心したのかもしれません。
でも、そのハッシュタグを抱えてほくほくする私を待ち受けていたのは、まさに「量産品」の感覚でした。Xで病名を検索すればたくさんの投稿がヒットするし、本を開けば自分と同じ症状が文字として溢れている。とても不思議な感覚だったのを覚えています。
これから
『当事者対決!心と体でケンカする』を読んだ後、私は自分の病気をもっと知るため、図書館で双極性障害の本を借りました。今までは病気の輪郭をなぞるだけだったけれど、これからずっと付き合っていく病気の内面まで知らなければと、ふと思ったのです。
それでは、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。素敵な1日になりますように。