会食するにも一苦労なわが身
7月2日から自律神経失調症に苦しめられている。先週土曜の夜、知人らと食事した。突然寒くなったのが体に堪えた。
夕方、かかりつけの皮膚科を終えたあと、腹ぺこが亢進して参った。ごはんの待ち合わせには間がある。くらくらして舞い倒れそう。そういうときはほんの少しだけ何かを食べるべきなんだとか。気を失ってしまうからね。ファミリーマートのサラダチキンを買い求めて車で食べる。新しい味だったのでわくわくした。吐瀉物のにおいがした(ファミリーマートとサラダチキンをDIS っているのではないの)。
座っているのにふらふらする。毎度の苦しみが強くなり始めた。不安を抱え、恐る恐る移動……。帰りたくはなかった。わたしはこうして無理をする。
車を預けたのは待ち合わせから600m 離れたデパートの駐車場。日比谷のお店に着いたのは45分前だった。ぼんやりして時間配分もできないのだ。
困った! ふらつきと吐き気が本格化し、立っていられない。仕方なく歩き、冷風を受けてガクブルになって立ち尽くしたときゴジラ像と対峙。適当な高さの石の段に腰かけると、冷たくて気絶寸前だった。
時間がありすぎる。春にオープンした日比谷ミッドタウンに入ってみよう。映画館が主体のようだ。地下に降りたら(不調を抱えたとき、人は上を目指さないものだ)、いくつかの飲食店の中心のスペースに、テーブルと椅子がたくさんたくさんあった。助かった……。腰を下ろして2秒、フードコートの説明をする係員が現れた! 何かを買ってきて食べる専用の場所だって。各店のメニューを渡された。ただ座っていちゃだめなんだ。追いたてられるように逃げた。
これから食事だっていうのにむかつきをこらえ、フロアの端っこで時間が経つのを待って、今晩は会を早退すると決め、みんなになんて申し出るか考える……。
水入らずの友人達と会うっていうのに、どうしてこんな目に遭わなきゃなんないの。何を恨めばいいやら。そして、なんだか満腹を感じた。これからごちそうが始まるのよ! ひと口も食べられない。わたし、悪いことしていないし、苦しまなければいけない道理がない。ひどいもんだ。
まだまだ時間はあったけれど、店先に戻った。誰もいない一角に立つ。
友人が現れた!
「○○ゾーさん、○○ゾーさん、○○ゾーさんて!」
わたしは呼ぶ。友人がわたしを一切見ないでキョロキョロし、声の主を捜し続ける。
「○○ゾーさんって!!」
ぶっつかるほど接近してやった。
「あぁ〜、10h さん、そこにいた? 気づかなかったよ!? 変わったね! えっ、どうしたの? 気づかないよ! 全然違うね!?! うん、変わったよ! なんだろうね!」
吐き気とふらつきと満腹感はやわらぎ、ゆかいな時間が始まった。
このとき、帰途のめまいと悪心をまだわたしは知らない。