エバラ焼肉のタレのブランドムービーがマジで泣ける理由 ~情緒的価値を作れるかがカギ~
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たまたまSNSで繋がってる、ある方がオススメされていた
「エバラ焼肉のタレ」のブランドムービーがヤバいと聞いて
見てみました。
これがまた感動的で、素敵なのです。
(動画この記事の最後に。ぜひ見てみてください!)
そんなムービーなのですが、泣けるなーというだけじゃなくて
ものすごく、深いブランディング・マーケティングの戦略が
散りばめられていて、素敵な物語と裏腹に
「そのスジのプロ」が作ったとしか思えない素人では無理な代物です。
かなりの巧の方が作られたと思うこちら、
私なんぞですが、少しだけ分析します。
まず「エバラ焼肉のタレ」の課題ってなんでしょう?
・健康志向や高齢化などの中で、コッテリ感あるタレが忌避される可能性がある
・ミツカンの味ぽんなど、あっさり美味しいに対して、コッテリは弱い
・焼肉だけでは、トップラインが広がらない
・個食の時代に、「食」のブランドとしていかに、食の喜びを広げていくか
・色々な調味料が出る中でどう愛され、選ばれ続けるか
そういった課題がいくつか考えられます。
そこで着目したのが、まず「焼肉」。
最近は、ひとり焼肉なんて出てきましたが、
基本的に焼肉というのは、一人で食べるよりは
何人かでワイワイ食べることが多いものです。
家庭などで焼肉をする、となると
家族、友達、恋人で肉を焼いて
おそらくエバラ焼肉のタレをかけて、
「うめぇ〜!」って言い合う。
”誰かと美味しいご飯をと共にする”=いい思い出。
”食を通じて、人と人のつながりを創る”
そんなシーンがきっと一緒に存在していたはずです。
このムービーで、売れない芸人で貧しくて
肉を入れられない野菜炒めみたいのに、焼肉のタレをかけて
「うめぇ!」って二人で盛り上がっていた時間。
それは「売れないけど、希望に満ち溢れていた時間」とシンクロします。
そして後半、最後の食卓で
やっと焼肉にちゃんとタレをかけて食べる瞬間
これは、お互い進むべき道が見えて人生の次のステージに進めた時間とシンクロします。
売れない芸人の前者が辛く、道が見えた後者が幸せ?
いやむしろ貧しいけど前者の方が楽しくて、別れを選んだ後者が不幸?
しかし、このムービーではどちらも、焼肉のタレをかけたご飯を
美味しく食べます。
そう、人生のどんな時でも、大切な人と
一緒に美味しいご飯を食べる時間は幸せなんだと。
そんな幸せを作りたいから、
かけるだけでなんでも美味しくなるタレを提供してるんだ。
だからエバラの企業としてのタグラインは
「こころ、はずむ、おいしさ」なんです。
ここまで分析して、めっちゃ鳥肌立って、ゾワっとしました。
マーケティングやってる人なら
”情緒的価値”なんて当たり前に見えて、
ついつい、「他より、こういう機能が優れてる」みたいな
”機能的価値”の方を訴求しがちです。
もちろんこのムービーにもこっそりビジネス的に言いたいことは
仕込まれています。
「まかないの肉なしの野菜炒めにかけたって、もちろん肉にかけたってエバラは美味くなる」
そして芸人のコンビ名の「かくし味」というのも、なかなか巧妙です。
お金がないけど頑張る人を応援するみたいなスタンスを、さりげなく
取ってるのも巧妙です(お金ない若者なら「買っとくか」ってなってしまいます)
正直、私はエバラの焼肉のタレは買わないし、
対して、タレなんて、どこも変わらないくらいに思ってました
(エバラさん、ごめんなさい)
実際、競合のタレメーカーも優秀なので
同じレベルのものは、なんだかんだ作れると思います。
だけど、いや、だからこそ
「どんな思いを載せてるのか」「どんな気持ちで買ってもらいたいのか」
という送り手の、”強い想い”が、情緒的価値を創造する、第一歩目なのではないか。
送り手に強い想いが無ければ、
そういう情緒的価値は作り出せません。
私は基本的に色々なブランドを支援することが多いです。
だからこそ、「どうやったら売れるか」の前に
「どうやったら好きになるか」をすごく考えます。
これはデジタルもアナログも関係ありません。
プランニングの基本なんです。
そう
「愛だろ、愛」(古い)なんですよねー。
ではまた!
参考リンク:エバラブランドムービー「思い出のそばに、エバラ」篇
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