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「この動画は再生できません THE MOVIE」面白かったですよ!
「この動画は再生できません THE MOVIE」
見てきましたッ!
とても面白かったですッ!
この二行が俺の抱いた感情の全てなんですけど、みんなにも見にいってほしいな! と思ったので、極力ネタバレを省いた映画紹介をします。
どうか皆さんも、気になったら見に行ってください!
今の段階(2024年10月8日)で、まだ上映している映画館3つしかありませんけど!(※改めて確認したら、2024/10/09現在、まだ4つありました! お詫びして訂正いたします!)
い、今なら新宿とかお洒落な場所で上映してますよ!
※上映時間と席を確認の上、安全にお越し下さい。
さてこちらの作品。
Amazon Prime Videoなどで見る事ができる「この動画は再生できません」という深夜帯でつくられたドラマの栄えある劇場版となっております。
そのため、前作にあたる「この動画は再生できません」(シーズン1とシーズン2がありますゾイ。いっぱいあって嬉しいですね!)を見ているとシリーズに出ている登場人物の活躍や、お互いの人間関係などを知ることができてますます面白いんですが、見ていない初見の人でも、ザックリと登場人物の解説があるので今までのシリーズを一切未履修でも全く置いて行かれるという点はございませんので、ご安心めされよ。(いきなり武士)
とはいえ、実はこの作品、シーズン1はとある仕掛けが施されていおり…映画を見ると、その部分も説明されてしまうので、シーズン1を見てないのに劇場版を見にいくと、先にネタバレされちゃぅう! ってのは事実なので、「エェッ!?」という驚きが欲しい方は、シーズン1だけは見ておいてほしい! というのが俺のが本音ではあります。
シーズン1見たの?
だったらシーズン2いこうか?
2も見た? わかった映画館いこ♥
脱線しましたね! いつものことですが。
「この動画は再生できません」という作品。
基本的な作品の構成は
「まず、唐突に映像が始まる」
↓
「その映像が、どんな作品なのか、どういう曰く付きの映像か、何のために作られたのか等が説明される」
↓
「映像のプロフェッショナルである主人公の江尻が、画面を解析しながら、その映像に秘められた謎を解く」
というのが基本的な流れ。
曰く付きの映像や、すでにネット上から削除された映像。公開できなかった映像など、ワケアリの映像が中心なので、主人公の江尻が解析する動画は多くが心霊系動画のようなホラーテイストの映像が多く、そのため作品のジャンルとしては「ホラー」ではあるんですが、その内容は「映像があること前提のミステリー作品」寄り。
ホラーが好き、なおかつミステリー展開が大好き!
という人にはオススメしたい作品となっております。
特に今回の劇場版は「一つの作品が、実は……!」という展開なのでより、ミステリ色が強くなっていると思います。
映像があることが前提で、ユーザーに映像を見せてその違和感の正体を突き止めるという、映像ありきのトリックや謎解きって、あんまり見たことがないのでとてもとても新鮮ですし、「この動画は再生できません」では確実に見ている側に伏線を隠さない手法をとっているので、我々が見ているものと同じものを、画面の向こうにいる主人公たちも見ていて、それに気付いているんだ、という点も没入感を高めます。
また、「この動画は再生できません」は見ている我々に「何の説明もなく突然、映像を見せる」(しかもその映像が結構長尺)という手法をとっているので、映画館でも一瞬「お、俺は間違えて別の映画を見に来てしまったんだろうか!?」と思っちゃうんですが、その映像の中にある違和感や、何か明らかにおかしいことがおこっている不穏さを、映像だけで伝えるのがとてもお上手なんですよね。
この映像ッ、何か変……!?
メインの主人公は二人、探偵と助手役のような存在をお笑いコンビの「かが屋」のお二人が務めているんですが、この掛け合いがとっても良いんですよ。
いかにも真面目で神経質そうな主人公の江尻(かが屋:加賀翔)はいつもデスマーチのような納期に追われヨレヨレになる中、その相棒であるもう一人の主人公、鬼頭(かが屋:賀屋壮也)の茶化し方、台詞回し、所作の絶妙なウザさで、どんな恐怖展開が来ても「何だか鬼頭がいるから面白い!」になるので、安心感がすごいんですよね。
鬼頭……big love……。
特に鬼頭というキャラの良い所、マジで全然、何にも、推理方面では役にたってないことなんですよ。
すごいですよね、全然役に立ってない助手ですよ!
でも、絶対に必要な存在が鬼頭という人物なんです。
というのもこの作品、基本的に「変な映像を、映像のプロである江尻が解決する」という流れでなんですが、江尻がやり手の映像編集者なので事件の殆どは江尻が解いてしまい、鬼頭は実は「助手」っぽいことなーんにもしてなくても大丈夫なんですよね。
だから鬼頭の存在は探偵と助手というよりコメディリリーフみたいに一見思えるんですけど、そもそもこの江尻という人物は淡々と編集作業をし続けるタイプで、違和感がある映像も「あー、何かおかしいな」と思うけど、それを調査しようとまでは思わないタイプなんですよ、本来は。
でも隣に鬼頭がいるため、好奇心旺盛な鬼頭が「どういうこと?」「あれなに、コッワー!」とか言ってうるさいから「仕方ないですねぇ」って説明する、そのことにより「えぇ、マジで!?」って真相に行き着く展開なので、江尻という天才を起こすために鬼頭はやっぱり必要なんだ!
そう思わせるキャラクターバランスが最高に良いです。
また、劇場版はドラマとは違いかなり時間が長めにとれているので、普段よりも長い尺の映像が流れるというのが嬉しいところですよね。
基本的に「この動画は再生できません」の映像は、意図的に見ている我々にも違和感や、不信感を掻き立たせるデキなので、江尻ほど冴えた推理力や映像技術を持たない我々でも、「あれ、今なんかおかしいぞ」「……ん、ちょっと変じゃなかった?」が何カ所もあり、一緒に違和感をつなぎ合わせ推理できるようになっているのもとっても楽しいんですよ。
明らかに違和感のある謎の作品から繋がる、いくつもの不穏。
一見無関係なピースが段々と意味をなしていく展開も面白いので、皆さん是非、まだ劇場でやっているうちにお楽しみください!(わりと必死)
ちなみに、俺が「この動画は再生できません」の地味に好きなところ。
オカルト系の小物デザインがけっこう「ガチ」ってるところです♥
今回出るオカルト系ウェブサイトの「CROSS」もとってもいいですよね。
ムー系のパロディ、ってのをわらせようとすると赤にピラミッド系のフォントで「メー」とか「モー」ってなりがちなのに、CROSSは三角形と目をモチーフ。プロビデンスの目に寄せていってるあたり、オカルトを茶化しつつも、細かい造形も手は抜いてないところ、とても好きです♥
シーズン1に出ていた御札の文字もちゃんと存在する呪文を利用している、オカルトと茶化してるけど信じている。
この絶妙な距離感を感じられる「この動画は再生できません」
今回は劇場版もやってますが、「えー、今まで知らなかったよ~」という皆さんも、是非ぜひ、シーズン1から楽しんで下さい♥
安心してください、ホラーだけど見ても……生きてますよ!