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#773 管理職が無理ゲーとされている今、部下を取り囲む構造を理解することもまた無理ゲーになりつつある

部下を取り巻く構造の全容は、完全に見えることはない。

どんなに見ようとしたところで、わかるはずはないんだ。と常々思います。

上司として部下をマネジメントする際

「なんでこんなことができないんだ」
「おれの時代にはもっときついことをやってたぞ」
「自分で勉強して頑張れよ」

なんてことが頭によぎることも珍しくはありません。

実際、自分が抱えている仕事の量と質は部下のそれとは比べものにはならず、「何道端の石ころでつまづいて動けなくなってんだよ。こっちは動かせるかもわからない超巨大な岩石を動かさなきゃいけないのに…」なんて思ってしまいがち。

なので、部下の立場に立って、状況や置かれている環境などの『構造』を理解してマネジメントすることがすごく大事です。

そのために情報を集めたり、外部から知識を収集したり、勉強して学んだり…構造の理解に奔走しています。

しかし学べば学ぶほど気づくことがあります。

それは、『部下を取り囲んでいる構造を完全に理解することはできない』ということです。



それはなぜか?

そのポイントは複数あります。

まず自分とは違う人間だということは必ず押さえておくべき点です。

自分と他人は違います。
たどってきた人生も得てきた経験も違うし、その結果持っている経験値もスキルも物事に対する感覚も全部違います。

人生をどう生きたいとか、どれくらい頑張りたいとか、課題を解決するために何をどうすればいいかとか、課題に対してどういうメンタルの反応をすればいいのかとか、仕事に対してどういう姿勢で向き合うのかも違います。

何もかも違う、そんな感じなのです。

なので本人ではない僕のような上司が分かったような気で、「これはこうすればうまくいくよ」なんてなかなか言えるもんじゃありません。

原因と結果がわかって尚且つ再現性が確認されたものであればうまく行く可能性は高いし、アドバイスできますが、全員が全員に当てはまることって少ないんです。

とはいえ上司としてマネジメントしていく上で教育指導は欠かせません。何もできないかというとそういうわけではなくて、やり方はいくつかあります。

やり方の一つとしては、とにかく相手を知ることです。本人の話をしっかりゆっくり聞いて、尚且つ傾聴して理解する。そして本人に合ったベストプラクティスを考えて考案し、実践してみて試行錯誤を繰り返すことが大事です。

その過程で色々と気付いたり成長することができて、ゆっくり前進することができます。



そしてもう一つのポイントは、時代の変化とともに、状況や環境などの構造が大きく変わっているからです。

昭和・平成・令和と時代が移り変わる過程で、人々や社会そのものの価値観も大きく変化しています。

昔は良しとされていたことが悪とみなされていたり、できていたことができなくなっていたりもします。

最近管理職や責任者を取り巻く環境が激しく変化したな(尚且つ自分が責任者をやっていた頃とは大きく変わったな)ということがありました。

それは、パワハラ防止法の施工や、働き方改革による労働時間の縮小、世代間の価値観の変化による、働き方の多様化です。

社会の流れ的に良い変化ではありますが、反面、デメリットも感じています。

例えば、パワハラ防止法の施行に伴い、指導される側に過度なストレスはなくなりましたが、反面指導される側の声が大きくなりすぎて、その声にビクビクして責任者が萎縮してしまうようになりました。

何かあればSNSで文句を拡散されたり、それによって社会問題化され、プライバシーが侵される危険もあります。

労働時間の縮小によって負担は軽減できましたが、時間投下でしか成長できない人にとっては頑張りたくても頑張れない環境ができてしまっています。

世代間の価値観が多様化したことで、一つのルールで管理することができなくなり、新たなルールが求められています。それに、さまざまな条件を加味してルールを作らないといけない分、ルール設定の難易度が上がりました。
しかも、適切なルールが設定できていないと、不平等だと文句が噴出してしまいます。



学び続け、試し続けること

このように、社会の構造が変化したことである意味のルールチェンジが起こり、マネジメントの工数がや考えることが増え、難易度が爆上がりしています。

非常に厳しい状況ですが、打つ手はないかというと、そうでもないと思います。

大事なのは学び続け、試し続けることです。
構造が変化しまくっているので、常に新しい状況が出来上がっています。
そんな中で動きを止めてしまったら、いよいよ終わってしまいます。

どんなとっかかりでもいいので、何か少しずつでも新しい知識をインプットし、試してフィードバックを得て成長することが求められています。

幸いなことに今の時代にはAIがありますし、YouTubeなどをはじめ、昔は有料級であった情報も手軽に手に入れることができます。

もうほんのちょっと学びの時間を増やすことができれば、そしてその学びを活かして行動することができれば、少しずつですが状況は好転していくのではないかと思います。

自分もコツコツと試行を繰り返し、何か気づいたことがあれば発信していこうと思います。

本当に毎日わからないことだらけです。今日も頑張ります。


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