【書評】手放す練習 著者:しぶ 出版:角川文庫
ミニマリストは「生き方」
今週は、しぶさんの「手放す練習」を読みました。前著である「手ぶらで生きる」に感銘を受け、引き続き読みました。
本書は、ミニマリストを目指す方に向けた本で、ミニマリスト(物質的)のなり方が書いてあります。
表題にもありますが、ミニマリストとは「生き方」で、しぶさんの考えるミニマリストとしての人生の考えが、生き方が書いてあります。
私の感想を読み、ミニマリストに興味が湧いた方はぜひ本書を手に取り読んでみてください。
【目次】
1 はじめに
2 特に印象に残った事項3つ
2-1 「ミニマリスト」とは幸せになるための生き方
2-2 人生は「積み重ね」ではなく「積み減らし」
2-3 物の減らし方、増やし方
3 これから実践したい事項
・不要なものを手放すこと
・家計の見直し
・「ミニマリスト」という生き方を小さく実践
4 まとめ
1 はじめに
自分はミニマリストとは、「物を持たない事」、「少ないもので生きる人」と思っていました。でも、本書を読みそれは変わりました。ミニマリストとは、自分の好きな物を強調すること、本当に好きな物/事に集中する生き方、人生の不安をなくし自由に生きるための手段、つまりは「幸せになるための生き方」であると思う様になりました。
2 特に印象に残った事項3つ
2-1 「ミニマリスト」とは幸せになるための生き方
これまでは、ミニマリストとは、「少ない物で生活している人」と考えていました。また、自分は転勤が多く40代にして寮での部屋替えを含めたら24回ほど引っ越しをしているため、ミニマリストとは、ただ単に物が少ないのは引っ越しが楽だなとか、物が少ないと探し物をしなくていい、掃除をしなくていいな、ぐらいにしか思っていませんでした。
でも、この本を読み、ミニマリストとは物を減らすのではなく、「好きな物を強調するため」、「自分の好きな事だけに集中するため」の生き方であると理解しました。「物を減らす」というのは、これを達成するための手段でしかないということに気がつきました。また、物を減らした結果として、経済的にも楽になり経済的自由を獲得しやすいこともわかりました。
この本を読みながら、自分は「なぜこの本に惹かれた」のかを、何度も何度も考えました。結論は、自分はミニマリストになりたいのではなく、ただ「幸せ」になりたい。そのための生き方の一つとして「ミニマリスト」というものがあり、その生き方に共感したから本書を読んだのだとわかりました。
なので「ミニマリスト」とは、人が幸せになる為の「生き方」の一つだと分かりました。
2-2 人生は「積み重ね」ではなく「積み減らし」
「人生は「積み重ね」ではなく「積み減らし」」という本書に記載のある岡本太郎さんの言葉の引用文には、驚きました。年をとるごとに人生に厚みが増す。人生とは、木の年輪の如くと思っていましたが、本書を読み、自分らしい人生、自分の好きなことをやって生きる人生を過ごすには、「積み減らし」という考えがとてもしっくりきました。
「積み減らす」とは、「やりたくないこと」や「したくないこと」をしないことで、「やりたいこと」をやる時間と労力を作り出し、やりたいことができる人生を設計することです。このように、少しでも無駄を省くことで人生に余白を設計することが大切だと述べられています。
2-3 物の減らし方、増やし方
物を減らすといっても、なかなか減らせないのが自分です。捨てる際に、「もったいない」、「まだ使える」と思うとなかなか捨てられません。
そこで著作は、「何を捨てる」かではなく「何を残すか」を考えるといっています。これは発想の転換で、確かに、「何を残したいか」、「これはないとダメ」という事を考えると、捨てるかどうか迷っているものは必要ない物ということです。
ここまで、ミニマリストになるための物の減らし方に多くのページを割いて来たのに、今度は物の増やし方について書かれており驚きました。
しかし、内容を読めば納得で、人は物がないと生活できないの確かです。歴史上最も物が少ない「ミニマリスト」は、僧侶で自分の着ている物と食事用のお椀だけを持っていましたが、そのお椀も捨ててしまった聞いています。
幸せになるための生き方としての「ミニマリスト」にはやはり、最低限の物は必要です。そこで、著者は物は増えるので、増やす前に「なぜ増やすのか」、「どう手放すか」を考えてから物を買うことを勧めています。増やす物とは、自分に必要な物ですが、そこにもしっかりとした基準が必要です。
具体的な例には、「お金」、「時間」及び「楽しさ」を生み出すも物は必要な物です。。逆に言えば、これらに該当しないものは不必要なものとして手放すのがミニマリストです。
なので、自分の楽しみを増大させてくれる趣味の道具は必要以上に減らす必要はありません。ただ増えすぎないようにすれば大丈夫です。
3 これから実践したい事項
・不必要な物を手放すこと
初めはわかりやすい、物理的なミニマリストを目指して「お金」、「時間」及び「楽しみ」を増大させない物を手放していきます。
また、それに合わせて、「掃除」をこまめに行い精神的安定性を確保していきます。物を減らし、部屋の余白を作り、部屋を掃除して精神的な安定を手に入れていきます。
・家計の見直し
家計の見直し、「ミニマムライフコスト(生活のために必要な最低限の支出)」を下げて、少ない稼ぎでも経済的な自由を得られる生活習慣を身につけていきたい。
・「ミニマリスト」という生き方を小さく実践
「ミニマリスト」とはやりたいことのためにその他をやめて、人生に余白を設計してすることです。一方、言葉で言うのは簡単ですが、実際には家族を持ち、仕事を持ち、社会的責任を負ってしまった自分には、「今日からミニマリストとして生きていきます。」と言うことはできません。夫とし、父親として、会社の上司、同僚、部下として色々な責任を負っています。その責任を全て投げ出して「ミニマリスト」という生き方を実践することはあまりにも無責任すぎると思いました。
社会の中で生きるには「権利」と「義務」の二つの天秤があり、これが傾いてはいけないとお思ってます。なので、本書に記載のある「ミニマムスタート思考」でミニマリトへの道を始めていきたいと思います。
まず、精神的安定を得るために、自分の布団周りの整理・整頓・清掃から始め、経済的自由を得るための家計の見直し、副業・転職に向けた資格試験の勉強から始めていきます。
4 まとめ
幸せになるために「ミニマリスト」という生き方について書かれ、ミニマリストになるための手段として、特に物資的なミニマリストへのなりかたについて詳しく書かれています。今の自分が幸せではないと感じている方は、一度本書を手に取り、「ミニマリスト」とはどうのような生き方なのか知っていただければ嬉しいです。