夫の育休に救われた
4ヶ月前に子どもが産まれた。
出産は大変だったけれど、母子ともに健康で、皆んなに祝われて。それだけで、もう十分すぎるくらい幸せなことだけれど、もう一つ最強に幸運なことがあった。
夫が育休を取ったこと。それも、半年という長期間。
実は、出産するまで夫の育休は予定しておらず、せいぜい最初の1週間くらい、有給休暇を使いながらサポートしてもらおうという算段だった。そのはずが、出産時に色々と問題があり私が動けず、もうどうしようもなく、急遽夫が長期でお休みすることになった。迷わずそう判断してくれた夫にも、家族の一大事だからと全力で育休取得に動いてくれた夫の会社にも、本当に感謝している。
そんなこんなで、全く予想していなかった夫との育休生活。
最初の1ヶ月は働いている実母や義母にも助けてもらいながら私はほとんどを寝て過ごし、3ヶ月が経つ頃にはようやく出歩けるようになり、4ヶ月が経った今では、家事も育児も夫と協力しながら少しずつ楽しめるようになった。
◇
子どもが産まれる前、夫とはお互いフルタイムで忙しく、平日の晩ごはんを共にすることもほとんどなかった。週末は溜まった家事や用事を済ませてバタバタ過ぎていくような、そんな生活だったから、朝から晩まで赤ちゃんと3人で過ごしている今の生活はなんだか不思議で、とても特殊で、お互い慣れないことばかり。小さな言い合いも、無かったといえば嘘になる。それでも初めてのことで手探りの中、夫の存在は精神的にとても助かった。
寝かしつけに失敗した時、娘の泣き声に一緒に苦笑いし合える相手がいてくれてよかった。真夜中の授乳時に、肩にブランケットをかけてくれる相手がいてくれて良かった。何か気になることがあったら調べたり、どこかに相談したり、孤独で不安なその過程を、一緒に過ごしてくれる相手がいてくれてよかった。
寝不足と肩こりと、自分でも説明がつかないような感情の揺れにとまどいながらも、ぐっすり眠る娘のベッドをそっとのぞいて、可愛いねと顔をほころばせる彼の存在に、いつも救われるような気持ちになる。
こんなに濃い時間を毎日一緒に過ごせるのは、今だけかもしれない。
よく話し、よく協力し、相手の考えを尊重しあって、たまに小さな喧嘩を重ねて。それでも互いを信頼しながら娘の成長を一番近くで喜び合って。
こんな日々がずっと続いてほしい、なんて思ってしまう。
でも同時に、娘の成長と家族の未来にも、思いを馳せずにはいられない。
◇
娘が産まれてから今までを振り返ると、大変さよりもじんわりと温かい幸せな気持ちが勝っている。そう思えるのは、間違いなく夫のおかげだと思う。
子育てにはいくつもの壁があるらしいけれど、将来どんな試練がやってきても、この日々がきっと糧になる。夫の育休は、私にそう思わせてくれた最強のおまじないであったと思う。
◇
娘が朝のお昼寝をしている間に、洗濯物を片付けようなんて思ってたけれど、ネットで買い物もしたいし、いくつか調べ物もしたいのだけど、それらを全部こらえて私はこれを書いている。
たくさんのやるべきことを後回しにしてでも、私はこれを書き残しておきたかった。日々のタスクに埋もれてしまう前に。またいつでもここに戻ってこられるように。