見出し画像

しんどいときは、しんどいって言ったほうがいい?

昨年の夏に、友人がお空に旅立ってしまった。

長年の闘病の末のことだった。
でも、闘病していたとはいえ、何かしら楽しいことを見つけては、
活動的に過ごしていた彼女。
音楽が好きだった彼女。
野球が好きだった彼女。
美味しいものが好きだった彼女。


春になると、我が家の近くにある太閤桜を、毎年楽しみにしていた。
見に来る年もあれば、体調によっては、見に来れない年もあり。
どちらにせよ、一緒に太閤桜の開花を楽しみにしていた。

彼女がすごいのは、いつも言葉が最上級にやさしいところ。
別の友達が、
「〇〇ちゃん(彼女のこと)は、天使か?」
と言うくらい、これ以上ないやろというやさしい言葉をかけてくれる。

私が治療で苦しんでいた時も、
自分だって治療をしているのに、
さらっと連絡をくれ、気持ちを楽にしてくれる。
彼女からのメッセージを、何度も読み返しては、
病院での時間を過ごしていたもんやった。


でも、だからと言って、わたしは、彼女に弱音を吐くようなことは、ほとんどしなかった。
質問をしたり、少々の愚痴は言うものの、
苦しい胸の内は、ほとんどあかさなかった。

なぜなら。

彼女が、ほとんど、弱音を吐かなかったから。

ほとんど。
いや。
まったく。
かな。


その様子を見て、

そりゃあ。しんどいことをぶつけられても、
私としても返事に窮するし、
これは、彼女の配慮なんやな。

と思い、
私も同様にしてきた。



彼女が旅立ってから、ほどなくして、別の友人に病気が発覚した。
その友人は、亡くなった彼女と、一番親しかった人である。
病気がわかった時に、
「もっと早くにこの病気がわかっていれば、亡くなった彼女の気持ちを、もっとわかってあげられたのに・・。」
と言っていた。
天使の友達は、天使なんやな。

その友人とは、時々メッセージのやりとりをしている。

物理的にも
気持ち的にも
負担にならないように。

メッセージを送る時は、何度も文面を読み返して、何度も確認する。

季節のことや、
私の身の回りの面白いことや、
共通の知り合いのことに加えて、
さらっと、
体調面のお伺いをする。


それに対して、毎回、お返事が届く。

この友人は、はっきりと、しんどい状態であることを伝えてくれる。
具体的に、困っていることを教えてくれる。
(もちろん、それは、ほんの一部でしかないんやろうけど。)
ダダ下がりのテンションも、そのまま出してくる。


メッセージの中に、
「もう。涙がでたわ。」
なんて言葉があると、
やっぱり、
「どうしよう・・・。」
ってなってしまうけど、でも、それはそれで、そうなんやなってわかり、安心もする。


そうか。
こういうのもありなんか。

心配をかけまいと、余計なことを言わないのもあり。
どちらかというと、わたしもそちらのタイプ。
その方が、相手に安心してもらえると思ってたから。


でも、しんどいことをちゃんと伝えてもらうことでも、
安心することができるんやなあ。

あとは、これからも、友人がしんどいって言ってきたら、
ほんまになあ
と、ふつうに返せるような人でありたいもんやわ。



いいなと思ったら応援しよう!