孫と「いないいないばあ」からの「たけわきまりなさん」
ようやく暑さがやわらいできた。
やっとこさ。
誰もが言ってるけど、本当に暑い夏やった。
もう何もかもが嫌になる暑さやった。
ウォーキングができない言い訳に十分なりうる暑さやった。
そう。
がっつりと言い訳にさせてもらう。
本当にウォーキングゼロの夏やった。
年寄りあるあるで、朝の5時にはもう起きている。
それやったら、まだ涼しいうちに歩き出せばいいものを、家に戻るころには、陽ざしがじりじりし始めるので、もうそれが耐えられない。
当然ながら、運動をしないので、体力がどんどん衰えていく。
2歳の孫と関わることが多かった夏だったが、もうへろへろだった。
孫が泊っていった翌日には、自分のためのお休みをとらないと、とてもとても身体がもたない。
こんなことでは、これからもっと走り回るであろう孫と、一緒に過ごすことはかなり厳しくなる。
あかんわ。
こんなことでは。
ほんまにあかん。
そこで、一念発起して、みなさんおなじみの「たけわきまりな」さんのyoutubeで宅トレなるものを始めてみた。
20分歩くだけとかいうものがあるらしい。
ふむふむ。
今のわたしには、ちょうどいいじゃないか。
と、ここで、「それから、毎日少しずつ頑張っています。」なんて書けたらいいんやけど、やっぱり宅トレの「トレ」がついているだけあって、楽なわけはなかった。
ちょっとやってみたら、全然話がちがった。
歩くだけなんて、そんな甘いもんではなかった。
腕をぐるぐるしたり、キックをしたり、脚と腕をいっしょに動かしたり、かなりめまぐるしい。
おいおい、話が違うじゃねえか。
と言いたくなるんやけど、キラキラ笑顔で「たけわきまりな」さんが励ましてくれるので、
しょうがねえなあ。
と、もたもたとリズムに遅れをとりながらも、がんばる。
そんな日々を、5日ほど過ごす。
三日坊主は回避。
よかった。
しかし、ここで、六日坊主が出そうになってきた。
言い訳はいくらでも、出てくる。
「たけわきまりな」さんみたいに、きびきび動けたら効果もあるやろうけど、わたしのへっぽこぶりでは、何の変化も見られへんやろうし。
こんなんやったら、もうやらんでもいいんちゃうやろか。
でた~~~。
言い訳の王道。
やりもせずに、難癖をつける。
言い訳あるある。
言い訳最上級。
そんな時に、孫がやってくることになった。
孫はやってくると、いつも、教育テレビの「いないいないばあ」を見たがる。
その中の、「ピカピカブー」という曲が大好きである。
音楽に合わせて、大声で歌ったり、一緒に身体を動かしたり、もうそれはそれは、「ノリノリ」以外のなにものでもない。
ばあばである私も、一緒にやる。
腹ばいになったり、ハイハイをしたり、ぐるぐる回ったりと、なかなかにせわしない。
それを必死でやっているのである。
わたしがね。
孫は、らくらくと楽しそうに動いている。
と、ふと思いついた。
孫といっしょに、「たけわきまりな」さんをやればいいじゃないか。
まりなさんにも、腕ぐるぐるがあるし、手拍子もあるし、そして、なにより、音楽に合わせて身体を動かすのは、「ピカピカブー」も一緒じゃないか。
そうや、そうや。
いっつも、「ピカピカブー」につき合ってるんやから、こっちもつきあってもらおう。
そう思いつくと、もう楽しみでしかたなくなる。
早くやりたい!
と、そこまで思える。
孫が到着するやいなや、早速テレビの前に連れていく。
孫もうれしそうに、ソファに座って、ぬいぐるみを抱き、すでに視聴態勢。
ワンワンが出てくると、「ワンワ~ン。」
おうちゃんが出てくると、「おうちゃんや~~。」
ポウポが出てくると、「ポウポでた~~。」
と、いちいちでっかい声で反応する。
そしてもちろん、「ピカピカブー」もご満喫。
よしよし。
この調子。
「いないいな~い ばいば~い!」の終わりのあいさつがすむと、
すぐに、画面は「たけわきまりな」さんに切り替わる。
「おつかれさまで~す!!」
と、笑顔のまりなさんが、早速に歩き始める。
孫は、何事かと、ぬいぐるみを抱いたまま、画面に近づいていく。
そして、画面にじ~っと見入っている。
まりなさんの、あまりの元気よさに圧倒されているのか、見とれているのか。
そして、ばあばの方は、まったく見ようとしない。
「いっしょにやろか。」と、何度も誘ってはみるものの、反応なし。
ぜ~ぜ~言いながら頑張っているばあばを、気の毒に思ったのか、ここで、じいじも加わってくれる。
「いっしょにやろか。楽しいで。」
と、ダブルでお誘いをしてくれる。
それでも、孫の反応はゼロのまま。
そのうえ、ばあばよりも、早くに息が切れだしたじいじは、足踏みをしながら、だんだんと後ろに下がっていき、そのままフェイドアウトしていくじゃないか。
ちょっと、ちょっと。
まだ、1分くらいしかたってないで~~~。
と、孫が動き出した。
ぬいぐるみを、手放した。
そして、腕を動かし始めた。
よし、いいぞ、その調子。
う~んと伸ばしたその腕で、さっとリモコンをとる。
そして、ぷちんとボタンを押す。
画面から、音楽と共に、まりなさんの笑顔も消えていった。
再びぬいぐるみを抱き上げた孫は、リモコンをもったまま、いろんなひきだしの探索活動にいそしみだす。
ばあばは、それを見ながら、とにかく歩く。
息を切らしながら、腕を上げながらキックなんぞをする。
音楽も、まりなさんの笑顔もないのに。
それでも、20分間は動き続けられた。
同じ空間にいるのに、ばあばはキック、孫は探索活動、じいじは仰向けで倒れたままの、三者三様。
とにもかくにも、なんとか六日坊主は回避できた。
孫には、ちょっと早すぎたけど、じいじよりは軽やかに動けることがわかり、それがモチベーションになったみたいやわ。
「いないいないばあ」と「たけわきまりなさん」と「息切れじいじ」