もしも伽椰子が犬ならば?|『THE JUON 呪怨』(3)
テーマ発表!!
第1回、第2回に引き続き、映画「THE JUON 呪怨」をベースに新しい物語を妄想します。
※「THE JUON 呪怨」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。
妄想開始!
嘉村 「THE JUON 呪怨」は、強い恨みを抱いて死んだ女性が怨霊と化し、
「理不尽な凶行」を繰り返す物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!
三葉 承知しました。
嘉村 前回ご紹介したのは、「『THE JUON 呪怨』 ~『善人を殺せ!悪人は殺すな!』編」でした。
案②
三葉 まずは、「THE JUON 呪怨」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。
三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。
嘉村 ふむふむ。
三葉 そして、前回の記事では……
三葉 と申し上げました。
嘉村 ふむふむ。
三葉 「伽椰子の『理不尽さ』」とは、「自分のテリトリー」(伽椰子が殺された場所 = 伽椰子の呪いが蓄積されている場所)に足を踏み入れた者を、見境なく殺してしまうという点です。相手が誰であろうとお構いなし。たまたま訪問し数時間滞在しただけで、呪い殺される。……嗚呼、理不尽!
嘉村 ふむ。
三葉 ということで前回に引き続き、本記事でも「理不尽さ」を生み出すためのアイデアを考えてまいりましょう!すなわち、「『THE JUON 呪怨』 ~『人間らしい怨霊』編」です。
嘉村 「人間らしい怨霊」……?
三葉 そもそも、伽椰子は人間です。いまは怨霊と化し、外見もいろいろアレではありますが……しかし、パッと見て「(元)人間」だと判別できる水準を保っている。
嘉村 ええ。
三葉 でね、これこそがポイントだと思うんですよ!
嘉村 ほぉ。
三葉 上述の通り、伽椰子は「『自分のテリトリー』に足を踏み入れた者を見境なく殺す」という理不尽な怨霊ですが……もしも彼女が人間でなければどうでしょう?例えば犬だったら?自分のテリトリーに侵入した者を威嚇し、攻撃することに違和感はありませんよね。
嘉村 あー。
三葉 犬に限らず、クマでもトラでも同様です。彼らが侵入者を攻撃することに「理不尽さ」はない。
嘉村 確かに。
三葉 あるいは、ロボット(≒ システム)ならどうでしょう?「侵入者を殺せ」と命令されていれば、そりゃ容赦なく殺すでしょう。
嘉村 ふむ。
三葉 つまり、もしも伽椰子が動物やロボットなら、彼女がやっていることに違和感はない。
嘉村 なるほど。
三葉 逆に言えば、我々が彼女の行動を見て「理不尽だなぁ」と感じるのは、彼女が怨霊化しつつも「人間らしさ」を保っているからだと考えられます。「人間(らしさを保っている)」なのに、「人間らしくない行動」をとる。このギャップが「理不尽さ」の源泉と言えるでしょう。
嘉村 ふむふむ。
三葉 ということで……もうお気づきの方もいらっしゃるでしょう。そう!まずは、一見理性的に見える怨霊を登場させてみましょう。具体的に言えば、「理知的な見た目をした怨霊」や、「知性を感じられる行動を取る怨霊」ですね。
嘉村 ふむ。
三葉 鑑賞者は思うでしょう「ほぉ、随分と人間らしいヤツだな」。ここに鑑賞者の「油断・隙」が生じる。「こんなまともなヤツだ。まさか無差別に襲ってくるはずがない」「失礼なことさえしなけりゃ、安心だろう」「供養し、弔ってやれば、むしろ感謝されるんじゃない?」なんて具合ですね。
嘉村 ええ。
三葉 ところが、そうは問屋が卸さない!次の瞬間、突如怨霊が「人間らしさ皆無の行動」と取る。……このギャップです!理性的に見えたのに、そんなことをしちゃうの!?嗚呼、まさに「理不尽」!かくして鑑賞者はびっくり仰天。あるいは、思わず吹き出してしまう。
嘉村 ふむふむ。
三葉 例えば……身なりのしっかりした紳士の霊。あるいは、温厚そうなおばあちゃんの霊。または、愛らしい赤ん坊の霊。そんな彼らが「テリトリーに侵入した」というだけの理由で、罪なき人びとをドシドシ呪い殺していく。……とまぁ、そんな調子です。
嘉村 なるほど。
三葉 以上、「『THE JUON 呪怨』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!
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「THE JUON 呪怨」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。
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最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。
(担当:三葉)