大自然とカレー
高一の時、林間学校で班ごとに晩飯を作ることになっており、何だか面倒くさいと思ったから、飯盒で米を炊くのは仕方がないけれど、料理は湯を沸かしてレトルトカレーでいいんじゃないかと班のメンバーに提案したら満場一致で採択された――実際は一人だけ不服そうだったが、多勢に無勢で押し流された――。
それでみんなで近くのスーパーへ行って、思い思いのレトルトカレーを買って来た。自分はククレカレーを買ったように思うけれど何しろ昔のことだから定かでない。ボンカレーだったかも知れない。
当日、大鍋に湯を沸かしてみんなで「それっ!」と云ってレトルトカレーを放り込んでいたら、周りの女子から「ちょっと、この人たち…」と呆れられた。
そうして地学の玉里先生が「お前たちは、この自然の中に日常を持ち込むから笑われるんだ」と呆れたように言った。この先生は絡んでくることで自身も注目されたいのだろうと思った。
あの時「ちょっと、この人たち…」と云ったのは和田さんだったと記憶しているが、和田さんはよその高校だったはずだからきっと違うだろう。
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