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とある洋菓子店でアルバイトをした時の話。
その洋菓子店は、とても珍しい食材の掛け合わせで新しい味の世界を提案するのが強みだった。
そのストーリーやこだわりが大好きだった。
どんな味か、食感か、甘みは強いか、酸味があるか、お酒に合うか、どっしりしているか、軽やかか
知らない食材については、どんなものか調べ、店頭のお菓子をほぼ全て自腹で購入し、食べた感想をメモし覚えていた。
そしてライバル店の品物も実際手に取り、どういったところが違うのか自分なりに考え、自分の扱う品物の良さは何かを考えるのに活かしていた。
冒頭の「とても珍しい食材の掛け合わせで新しい味の世界を提案するのが強みだった。」というのは、ライバル店との差から導き出した私の結論だった。
正直安くない商品だったため私の収支はしばらく赤字だった。
だからこそ商品の味も良さも知らずに売るのは嫌だった。店頭に立つ限りは、アルバイトも社員も関係なく、ただブランドの一端を担う人になる。
お菓子によっては廃棄が出て、味見をすることも出来た。
後に食べ比べた感想としては、ここの洋菓子に限って言えば、正直廃棄でもそうでないくらいの品質を保っていた。自腹で買うまでもなかったかもしれない。しかしそれは自腹で買ったからわかったことだった。
それにお客様は定価で買われているのだ。
お客様がどんな気持ちで買われているのかは大事な視点だと信じている。
お菓子の詰め合わせを頼まれれば、予算や送り先様の好みを伺い、様々な味や食感を組み合わせたり、甘さ控えめにしたりと、好みやライフスタイルに寄り添う提案をした。
お客様に喜ばれるそういう丁寧な接客が好きだ。
残念ながら、人気店のあまり、会計などでスピードや数字の丸暗記を求められる場面が多々あり、あまり向いておらず辞めさせられてしまったのだけれど。
次に就くなら、じっくり説明して伝えることが評価される仕事がいい。
こだわりやストーリーが詰まったものがいい。
そして、心から好きな品物に関わっていきたい。