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気疎い寝醒め

 懶惰な賓客がペリスコープ越しに眺める式年祭で、驕られた盟約を明らめ
た檳榔樹
 雪渓を統べる熊鷹は、不壊の便箋に書き表された禍事まがごとを、微かな夢合わせ
で霧散させることにいとまが無い

 成層圏での銷夏に、鈍色にびいろの使わしめが白露を密売する
 一枚ひとひらの禁令、あるいは、不在の哲理

 天恵の贋作を監禁した蔦紅葉は、時ならぬ佳人の化現けげんによって討伐された

 廃忘と優しい捏造

 藪陰やぶかげから滲み渡る月琴の音へ、憂き身のおくりなを託す
 曖昧な寝覚めに観取された往事の自伝よ、冥福であれ

 律動せる双曲線に透ける二色ふたいろ忍冬すいかずらは、さぞかし淪落に寛容であろう

 碧玉のなまめき

 美徳が輻輳する妓楼はいずちや?

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