こねないパン(artisan bread風)
アーティザン・ブレッド。
英語で artisan と書きます。もともとフランス語です。意味は、英辞郎先生によりますと、
つまり、artisan bread とは、「熟練したパン職人さんが手作りしたパン」という意味です。
今回は、「職人ワザを何ひとつ持ち得ていないド素人が作っても、まるで職人が作ったみたいな見た目になる、美味しいパン」を手作りします。
材料と器具
* 漂白されていない小麦粉(あるいはパン用の強力粉)3カップ
* 塩 小さじ1& 1/4
* ドライ・イースト(Dry Yeast)小さじ4分の1
* 室温の水 1& 5/8 カップ
* 途中で使う小麦粉 適量
* 焼くときに使う小麦粉/コーンミール/ブラン(Wheat Bran)適量
* オーブンにそのまま入れられる厚い鉄鍋(ルクルーゼみたいな)6~8クオート入る大き目のサイズ。
* パーチメントペーパー(下の画像をクリックすると商品に飛びます)
1)小麦粉、塩、イーストをボウルに入れて混ぜる
ぶわーと膨らむので、大き目のボウルを使ってくださいね。
2)水を入れてよく混ぜ、軽くラップかけて放置。
粉っぽさが残らない程度に混ぜるだけです。こねない。ゴムベラでボウルの底に生地をまとめます。
室温70℉/21℃以上ある部屋に、18時間、放置してください。
3)小麦粉を振った台の上で数回”たたむ”
室温に18時間も放置すると、勝手に発酵が進み、生地がぶわわーと膨らんでいます。
発酵が進んだドーの表面はこんな風になっているはず。
とても柔らかくて粘っこい生地なので、台や手にくっつきやすいですから、台の表面には十分な小麦粉を振ってください。
手にも小麦粉をはたき、粉の上で数回折り返して、まとめます。ドーを「捏ねる」わけじゃなくて、パタンパタンと何度か「折りたたむ」感じ。
4)まとめたらラップを軽くかけ、15分ほど休ませる
5)生地を丸く整えて表面に粉をはたき、2時間放置
パーチメント・ペーパー(Parchment Paper/ベーキングペーパーとも呼ばれる)を用意します。木綿の布巾の上でもいいですが、パーチメントペーパーを使えば、そのまま鉄鍋に移動させられるので便利。
休ませた生地を手早く丸くボール型にまとめ、小麦粉やコーンミールやブランなどを振ったパーチメントペーパー(あるいは木綿の付近)の上に置いて、ラップ(あるいはふきん)をかけて、2時間放置し、再度、発酵させます。
このとき、表面にブランをまぶしたり、ゴマをまぶしたり、わたしのやったみたいに小麦粉をたっぷりふりかけたりします。
6)オーブンを鉄鍋と一緒に温める
放置開始から1時間半近く経ったら、オーブンに蓋ごと鉄鍋を入れ、450℉/230℃に温め始めてください。
半時間ほど、空の鉄鍋を、オーブンの中で温めます。これ、重要。
7)熱々の鉄鍋に入れて蓋をし、オーブンで30分
2時間放置すると、発酵を続けた生地は、ふた回りぐらい大きく膨れています。
表面に好きなように切り込みを入れ、温めていた鉄鍋をオーブンから取り出し、パーチメントペーパーの端っこを持って鍋の中に入れ、
蓋をして、オーブンの中に戻します。
蓋をすることにより、生地から出た水分が鉄鍋の中で蒸気となるのです。
8)30分後、蓋を取り、さらに15分~30分
30分後に、蓋をはずします。
蓋を開けると、こんな風に、鍋の中には美しいパンが出来上がっています。
蓋を取って、さらに15~30分焼くことで、表面にコンガリと焼き色がつくのです。
9)表面が好みの色に焼き上がったら火を止める
火をとめた後に、ドアを数センチ半開きにして、さらに5~10分置くと、表面のパリパリ度が高まります。
10)できあがり!
焼き上がったパンは、熱いうちに、すぐに切ってはいけません。
粗熱がとれるまで、放置。
小麦粉に塩とイーストと水を混ぜて放置して焼いただけ・・・
なのに、この見栄えの良さ・・・
まるでプロの職人芸・・・
断面も美しい・・・
味も素朴でアルティザン・・・
外はカリッカリ、中はしっとりフカフカ。
軽くトーストして、オリーブオイルに浸して食べると、極楽の味。
参考にしたレシピ
今回は、ニューヨークタイムズのレシピ『No Knead Bread』を参考にしました。このリンクの中に作り方の動画があります。言葉がわからなくても、手順だけみれば、なにやってるか、わかります。
「こねないパン」なら、じつは私は何年か前から焼いていまして、別ブログに作り方を紹介したことがあります。
同じドーをつかってバゲットを焼いたこともあります。
「こねないパン(アルティザン風)」のレシピはいっぱい出ていますが、材料の調合がちょっとづつ違うぐらいで、いずれのレシピを見ても、作り方はだいたい同じです。
今回使ったNYタイムズのレシピのいいところは、➀秤をつかわなくていい、②水の温度もどうでもいい、③ともかくひたすら長時間放置するのみ、④一回で8クオートの鉄鍋一個のパンができる、⑤ドーを毎回使い切る、などなど、さらに手間が省けるという点で、よろしいかと思いました。
なお、上につけたNYタイムズのレシピページの動画で、作り方指南しているひとは、NYシティの有名人気パン屋さん、 Sullivan Street Bakery の職人さんです。