後輩指導で何で相手の話を最後まで聞かないといけないのか-後輩指導物語-
後輩が出来ると指導する機会は多くなる。そんな中で、相談という形で多くの質問やクレームが寄せられることを経験した人も多いのではないでしょうか。
そんな時、まずは相手の話を最後まで聞き切ることが重要だなあと日々感じています。
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澤田直也は、大学を卒業し働き始めて9年が経過した。教育責任者になり、自身の教育に対する知識の少なさに気が付き、それ以降日々教育について学んでいる。
澤田が勤める病院は、若いスタッフが人数が多い。そのため教育のシステム作りだけではなく、スタッフ教育も澤田の主要な仕事の一つになっている。
ある日後輩指導について、部下から相談があった。
後輩(後):相談に乗って欲しいのですが
澤田(澤):どうしたの?
後:いや、後輩が人のアドバイスを全然聞かないんですよ。
澤:ハッハッハ。ちなみにどんなアドバイスしたの?
後:勉強の仕方が分からないって言うから、講習会受けに行ってみなとか、
本かしてあげようかとか伝えたんですけど、なかなか実行しないんで
す。
澤:他には何か言っていなかった?
後輩は少し考えるそぶりをして
後:勉強の仕方が分からないって事しか、、、分からないです。
澤:僕も上手くないんだけど、人の話を最後まで聞くって大事だよね。それ
はね・・
後:いや、でも僕は話を聞いている方だと思うんですよ。
澤田は少し笑いながら、その理由を説明し出した
澤:まあまあ、最後まで聞いてみてよ
①話を途中で遮られるとイラっとする
全く根拠はないけど、ただ単純にそう思うだろうし、皆経験したことがあるのじゃないだろうか。
②問題解決のために必要な情報が得られない
相手が今何に、どんな風に困っているかを聞き出すことが、問題を解決するための第1歩になる。情報収集が不十分な状態でアドバイスすることになるため、適切なアドバイスにならない可能性がある。
③お互いの関係性が悪くなる
誰しも自分の悩みが頭の中で整理できていない事があり、相談の第1声が本人が本当に悩んでいることじゃない場合も多い。その場合に相手としては相談に乗ってもらえなかったと思い、自分は問題に対して適切なアドバイスをして解決の手助けをしたのに動き出さないというギャップが生まれ、相談をせっかく受けたのに相手との関係性が悪くなることもある。
後輩はちょっと考えて
後:思い当たる節があるような、、、
澤:僕はこれをやって、良く失敗してきたんだよ。
後:とりあえず最後まで話を聞いてみようと思います。
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最後まで話を聞き切る。あまりに当然ですが、実践はなかなか難しい。まずは、時間に余裕がある時に意識してみても良いのかもしれませんね。