ミュンヘンの小学生という本に出てきたことでとても心に残っていること。
前の記事で話題にしました『ミュンヘンの小学生』
について思い出したことがあったので書いておきます。
たぶんこの本に書かれていたと思うのです。
私が読んだのは35年くらい前。
記憶を辿ります…
この本が出版されたのは1965年ということは、1960年前後のお話しと思われるのですが、
そう、この本のメインの話題は、
独特な、それでいて人の根幹を育てる教育についての経験談なのですが、
そこに、東洋人に対する差別…というか、あまり東洋人のことを良く思っていなかった人たちがいたことが書かれていました。
お嬢さんが、区民プールみたいなところへ行った時のこと。
現地の人たち…子供たちもたくさん…がプールの中で遊んでいて…お嬢さんも雰囲気に誘われてプールに入りしばらくチャバチャバしてると、気がつくと、プールに入っているのはお嬢さんだけになる、と。
ゾワッ
お嬢さんはつまらなくなってプールから出る。少し経って気がつくとみんな入って遊んでいる、だからまたお嬢さんもプールに入る、すると…しばらくするとプールに入っているのはお嬢さんだけ。
ゾワゾワッ
その場にて人種が違うのは、自分たちだけ、という事実を踏まえると…
誰かが指示してるわけでもないし、こっちに感情をぶつけてくることもしない。ただ現地の人たちの全体意志として、『一緒にプールに入る気はない、あなたと私たちは別だ』という無言の表現なのです。
怖っ。
私は10代のとき、この本のこの出来事のことをすごく考えました。何度も何度も、まるで自分が体感しているかのように感じました。
そして、相手を知らないし、知ろうとせずに排除することの安易さを思いました…
人はそれから60年も年月を過ごしたのですよ。
…学びはまだまだ、これから、ですね…
ミュンヘンの小学生―娘が学んだシュタイナー学校 (中公新書 (416)) https://www.amazon.co.jp/dp/4121004167/ref=cm_sw_r_cp_api_i_Yto3EbVGZ3BXA
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