スーパーのパートで勉強になったこと
まるで現役大学生のES(今の学生さんも書きますよね…?)のようなタイトルですが。来月から新しい職場に行くので、今お世話になっている職場について軽く振り返りをしておきたいのと、売り上げが良いお店なのでモノを売る上で色々と勉強になったことがたくさんありました。後学の為に守秘義務に違反しない範囲で思ったことを書いておきます。
・人の購買行動について
スーパーで働く前はあまり考えたことがなかった視点ですが、人って、大筋の行動はそんな変わらないものなんだな~と思いました。私が勤務しているのは朝から昼までの時間帯ですが、それでも購買行動を読み取るのには十分な材料がありました。
例えばポイントがたくさんつく日には、少しでもお得になるよう買い物をしたい心理が働くのでとにかく客足が多い(それも朝から!)。お天気の良い日はお客さんが多く、お盆や長期休暇は連休の中日に売り上げが増える(食事の準備が大変だから?)。反対に雨の日は買い物に行きたくないので、前日の商品がたくさん売れ残る。
全般的にどんな日でもご高齢の方は朝早くから行動し、若い現役世代は昼前から動き出す。何もない平日は比較的暇。どの日も一番レジが混むのは10-11時台で(早いと9時台)、お昼を過ぎると一気に人は減る。
夏にはドリンクとアイスがたくさん売れる(暑いから)。寒い時は汁物がよく売れる。
入り口近くで販促しているもの、チラシで安売りしているものはよく出る。自分が商品を並べていると、その商品が買われる率がなぜか高い(人が棚を触っていると、目が行くからつい気になる?)。個数制限があるものは限界ギリギリまで買っておきたくなるし、周りのみんなが買っているものは買いたくなる心理が働く。
よく世の中で言われているご高齢の方の行動時間帯とスーパーの利用時間帯は一致するし、たくさん売れるように見えているものは買いたくなるし(これがより組織的になったものが「流行」?)スーパーは改めて人の生活と密接に関連しているんだなと改めて実感しました。今まで顧客と接する仕事もしたことはありますが、その中でも一番お客さんの暮らしに密着しているのがスーパーだなと思いました。
・自分が知らない商品の存在
スーパーには本当にたくさんのモノがあります。普段は脳のコスパの為に情報量がカットされているだけで、ありとあらゆるものがコンパクトに効率的にまとめられているのがスーパーです。特に働いた側の視点と、普段買い物をしている時の視点は全然違いました。自分が買い物をしている時は、自分の興味嗜好の範囲内のものしか買いませんが、実際に品出しをすると「こんな商品があったのか!」と知ることができます。すぐに品出しが必要な商品は店として推したいものが多いので実際に買ってみて美味しいな、お得だなと感じて嬉しいこともありました。お客さんに商品の場所を尋ねられることが多いので、自分の嗜好以外のモノも覚えていくし、商品を選ぶ時の目利きのセンスがなんとなく良くなった気がします。商品に詳しくなれることは、お得にモノを調達できるという面でプライベートにも効いてきました。
・運営は大変
私が勤務しているお店は、店舗自体は普通の広さだと思いますがパート、アルバイトさんだけでかなりの人数がいます。ほぼ24時間営業なので朝・昼・晩で完全に人が分かれています。社員さんは入社して早々にこれらのパートさん、アルバイトさんの「上司」になるわけで、古株のパートさんにも気に入られるようなコミュニケーション能力がないととても胃の痛くなりそうな仕事です。シフトは割と自由に組ませてもらえるのはとてもありがたいのですが、やはり不足している時間帯(特に夜間)もあるのでその穴はおそらく社員さんが埋めていると思います。人数はたくさんいても、時間帯によっては全然人が足りていないこともあるのでそれなりに負荷感はあります。スーパーで野菜や肉を買い物できることは当たり前のことと捉えらえがちですが、一度中に入ってみると運営はとても大変なことだと気が付きます。野菜一つにしても、トラックの運転手さんが運んできてくれないとそもそも売り場に並べることもできないので全ては誰かの労力、助け合いで成り立っているんだなと実感します。当たり前のことを当たり前にやり続けるのはすごく大変なんだなあと感じました。
・店長の存在
どんなお店でも店長、つまりリーダーの存在は大切だと思いますがスーパーもその例に漏れず、店長がきちんと場を監督しているとそのお店は強いと思います。監督というと大袈裟ですが、安定感のある人格の方だと、下の人間はとても安心して働けます。私がいる間に店長が一度替わりましたが、共通しているのはご自身も忙しいのに、一人一人をよく見て負荷が偏りすぎないよう調節して、バランスが取れるようにしているのはこのお店の強みかなと感じました。普段の様子も店長がこのお店を好きで、大事にしているということが伝わってくるような感じでした。リーダーが自分のいる場所を好きだと、従業員にも良い影響があるというのは発見でした(意外とそういう職場は少ないものです)。
・思い出の場所
あまり詳しく書くと、身バレするので書けないのですが私が勤務している店舗は十年単位で長期間営業されています。赤ちゃんが産まれて立派な成人になるぐらいの年数です。寂しいことに、私が育った地元のスーパーは同じぐらいの年数の間になくなってしまいました。小さなころに通った小さなショッピングモールの中のスーパーで、家族と買い物をした思い出はもう自分の記憶の中にしかないのか、と思うととても悲しいです。地方の衰退とはこういうことか、と肌で感じます。
しかし今自分が働いているお店は現在も人が通い続けていて、売り上げも高く、これからもこの地域に人が住んでいる限りこのお店はずっと残り続けると思います。人は財産な気がします。地元の方にとっては昔から馴染みの場所で、やや大げさだけどこれからの思い出の場所の一つになりうる場所。これからも、このお店がそうあってほしいなと願います。
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