香港・マカオ無計画ゆる旅行記⓪
はじめに
これはたいへんに無計画な筆者によるはじめての香港・マカオ旅行の記録です。完璧な旅程とはほど遠いことを念頭に置いたうえで、反面教師にしながらご笑覧ください。
冗長な旅行記なので、各パートの末尾に枠囲い形式でまとめを掲載しています。お忙しい方や情報収集だけが目的の方はぜひ適宜読み飛ばしてくださいね。
なお本記事⓪では準備段階からホテル着までの移動をメインに取り上げます。以下のような方々にオススメです。
上記にあまり関心がなく、実際の観光まで飛ばしたい方は次の記事①へ!
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出発前(航空券・ホテル予約など)
香港唯一のLCC・香港エクスプレスが2月14日00:59までセールをやっているらしい、と聞いたのが2月12日。
前々から香港に興味があったこともあり、持ち前の衝動性が疼いてしまう。すぐに手帳を開き日程をこじ開け、同じくフットワークがふんわりしている友人にダメもとで連絡すると、なんとOKスタンプが。というわけで急遽、三泊四日のおんな二人旅が決定した。
価格は成田から香港まで往復で36,000円くらい。
片道2,600~という甘い文言に誘われた割にはサーチャージやら時間の都合やらで値上がりしたが、大手航空会社だと往復10万は中々下らないのと比べれば上出来でしょう。
続いてホテルの立地を検討していく。
香港への渡航は初めてで土地勘はまるでない。いきなりディープな場所に居を構えると空港から宿へ向かう間に力尽きる可能性が高いので、香港国際空港からのアクセス性を第一優先にしたいところ。
方向音痴にとって、海外のローカルバスの乗車難易度は非常に高い(後の特大フラグ)。
さらに到着が夜になることも考え、空港からの移動は高くはつくが機場快線(エアポートエクスプレス)を利用しようと決めた。
そしてこのエアポートエクスプレスの停車駅からは、周辺ホテルまでの無料シャトルバスが出ていると言うではないか(※旅行計画者は絶対に記事の最後まで読んでください!)!
それなら迷う心配はまずないだろう、と九龍からほど近い佐敦(ジョーダン)という駅にホテルを予約した。
周りに夜市や観光地も多く、拠点としても悪くないはず。
尤もシャトルバスが停まるような高級ホテルに泊まるお金はないので、某高級ホテルから徒歩で行ける範囲にある庶民派ホテルを探すというコバンザメ作戦である。
当時の私はなんて完璧な計画……と夜神月スマイルを浮かべていたが、これが大きな間違いだった。
ともあれ航空券とホテルを予約してしまえば、最低限の準備は終了。ここまで一晩で済ませた。
旅行までの約2週間に用事が詰まっていたこともあり、ここからはほぼ何もせず当日を迎えてしまうのだった──😉
香港エクスプレスに乗るぞ!
さて、いよいよ出発当日。出発の二時間半ほど前に成田空港へ到着。
前日に香港エクスプレス公式アプリからオンラインチェックインを済ませていたので、カウンターをスルーしてそのまま保安検査場へ向かい、そのまま出国手続きを済ませる。
ちなみに荷物の預入は有料なので、前日夜に気合🦾で手荷物の7キロに収めた。
出国するとすぐに待ち構えていたのが、LCCの宿命・搭乗ゲートが遠すぎるよ問題。
出発までは免税店を見たり食事をしたりしてのんびり過ごそうと思っていたのだけど、実際は成田空港のほとんど【最果て】まで徒歩で移動している間にかなりの時間を失ってしまった。また、【最果て】にはあまりお店がないことが多く、フードもすべて売り切れ……かなしみに暮れながら搭乗ゲートのベンチで手持ちのグミを食べる。
ここで私ははじめて周りから日本語が全く聞こえないことに気づいた。
搭乗ゲート周辺で話されているのは7割中国語、2割英語、1割その他…点という具合だ。
まだ飛行機に乗ってもいないのに海外気分でお得♪と思ったが、搭乗の案内や諸々のアナウンスもすべて中国語か英語で行われていたので、慣れていない人は少し不安になってしまうかも。搭乗の大まかな流れは大手日系航空と変わらないので、あまり臆さずに行こうね~。
そうこうしているうちに搭乗開始。
そういえばここまで手荷物の重さを計っていないなと思っていたが、待機列に並んでいる途中に係員が手で持ち上げ、感覚で確認していくというなんともアバウトな計量方式だった。前夜、あんなにがんばって7キロに収めたのに……。
周りを見ると手荷物のサイズ規定を確実に超えているコストコバッグや、個数制限を無視して複数の荷物を持ち込んでいる人もかなりいた。確実には言えませんが、手荷物規定に関してはそこまで神経質になる必要はないのかも。
私はチェックインカウンターを通過していなかったのでこのタイミングでパスポートのチェックもしてもらい、機内へと進む。
座席はよくあるLCCと同程度の広さ。私は身長が150cm台なので足も伸ばせるが、トイレに行くには隣の人に立ってもらわないといけないくらいだった。
離陸までは乗り込んでから60分ほど待機があった。
LCCだと離陸の順番待ち序列も低いのかなあ。この待ち時間も抖音の爆音動画や謎の仏教っぽい音声(イヤホンを付けるという概念は、ない。)が鳴り響き、海外は始まっている!という感じでうれしい。そして、ようやく離陸!
安定飛行に入るとすぐに機内食(事前オーダーしていた人のみ。機内でも注文できる)が配られた。香港エクスプレスではペットボトルの持ち込みも禁止と聞いていたので私は律儀に水と食事をオーダーしていたのだが、周りの乗客は案外気にせず持ち込んでいた……やはりかなりアバウト。
両隣の乗客の伊右衛門特茶とお~いお茶に挟まれながら、250ml300円の高級水をちびちび啜る……。
ところで香港エクスプレスには映画やゲームなどの機内エンターテインメントが存在しない。前の座席に液晶が無いのだ。
活字を読むと酔ってしまう私は、Audible(無料体験)を旅の相棒にすることにした。
張り切って『旅行で使える英会話』『はじめての広東語』みたいな本をダウンロードし、5時間後、空港に降り立つ私はとてもかしこくなっていることだろう……と思っていたのだが、最初の15分くらいであっさり・ぐっすり寝てしまった。人生ってうまくはいかないもの……🤔☽
というわけで、我係日本人(ンゴーハイ ヤップンヤン・私は日本人です)と唔該(ンゴーイ・ありがとう)だけを胸に、私は香港国際空港へ降り立った──
空港からホテルまで
着陸後もLCCの宿命はつきまとい、空港まではシャトルバスと専用の列車のようなものを乗り継いで移動する。
計1時間ほどかけて入国手続きを済ませると、別便で着ていた友人と合流。
待ち時間に両替(一万円)、オクトパスカード(香港の交通系IC)購入のおつかいをきちんと済ませてくれていた。唔該(ンゴーイ)!
さっそく機場快線(エアポートエクスプレス)に乗る。これは香港空港トウチャクターミナルのA出口を出てすぐのところに大きな看板があったので、方向音痴でも余裕で気づけた。チケットは入国審査を待っている間にオンラインで買っていたので、QRコードをかざして入場するだけ。
エアポートエクスプレスの中は新幹線のようなつくりで、とても快適。20分少々であっという間に九龍に到着した。
……ここまではすこぶる順調だった。
あとは九龍駅から出ているという「周辺ホテルまでの無料シャトルバス」に乗るだけ……乗るだけなのに……全然見つからないんだけど……
22時すぎの九龍駅はびっくりするほど静まり返っていて、ほぼ無人。
なんとか警備のやさしげなおばさんを見つけ、「フリーシャトルバスはどこか」と聞いてみたら、なんと現在は休止中とのこと。
一気に暗雲が立ち込める。とはいえおばさんにホテルの場所を告げると「そこまでなら全然歩ける!駅のなかを歩いていくと近いよ!」とのことだったので、じゃあ徒歩でいっか!とまだ呑気に考えていました。
ところが、歩いても歩いても地上出口が見当たりません。
次第に私たちは同じ景色の連続+ぐるぐる回るグーグルマップの方位磁針+たまに現れては消えていく人間──に恐怖を覚えだします。
友人が異変を探し始めちゃったところで、徒歩での移動はギブアップ。
今度は九龍駅から出ているローカルバスを使って移動しよう!と奮起する。
しかし変に移動してしまったせいで、またバス乗り場が中々見つからない!途中で警備のおじさんに聞いて「ノーバスターミナル」(んなわけあるかい)と突き返されても、めげずに歩き回った。
そのうちようやくバスターミナルに辿り着いたが、これまた客の姿は見当たらない……。たまにバスはやって来るのですがどこが乗り場なのかもわからず、グーグルマップ経路検索が示す系統番号のバスに近づいてみても運転手にジェスチャーで追い払われる始末。
なんかもう香港のこときらいになっちゃうかも……😢と準備不足を棚に上げて不貞腐れはじめていたとき、一連の流れ(大荷物を背負った謎の日本人女子たちがバスに走って行っては追い返される図)を見ていたらしい運転手がバスに案内してくれた。
もう今日は動かさないはずのバスを、我々のために特別に出してくれるそう……!?
そうなればもう、唔該(ンゴーイ)の連呼である。
香港、大好き!香港、最高!
ちゃんとお礼が言えるようにもっと広東語を勉強しておけばよかった、と思いつつ揺られること10分少々、ようやくホテルの最寄り駅に辿り着いた。
九龍駅到着からホテルまで本来なら15分ほどで着くはずの道程が、約2時間。夜であっても20℃を越える気温と緊張が合わさり、着ていた洋服は汗でびしょびしょになってしまった。
己の無計画さを反省し、明日以降はもうちょっとどうにかしようね……と友人と誓い合ったところで、香港・マカオ旅行1日目は幕を閉じた。
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【次回予告】
・尖沙咀(ちむさーちょい)っていい響き
・香港は竹を信じすぎている
・沈黙のピークトラム
それではまた〜✊✌🖐