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そして花になる 淵゛作品集

今日は淵゛さんの画集を紹介したい。
(この画集買ったのは5月だったのだけどなかなか消化できず…まぁそのくらいボリュームがある。この値段で。超オススメ。)

淵゛(ぶち)さんは色彩と装飾品が魅力的なイラストレーターだ。
リンクを貼ったのでちょっと飛んでほしい。語彙力がないもので。

web|https://qooo003.wixsite.com/mysite
Twitter|https://twitter.com/Qooo003
pixiv |https://www.pixiv.net/users/35406586
Instagram|https://www.instagram.com/qooo003/

画集だが、第一章は完全新作の描き下ろしストーリー、第二章は過去作品集になっている。

第一章のフルカラー書き下ろし47ページは相当描いたなと思う。
花やメリーゴーランド、海、ドライフラワー、鉱石、模様、アクセサリー、パン、ケーキ…
淵゛さんの好きなモチーフを詰め込んだ画面が続く。(え、描けるもの多すぎ…)

装飾品や模様がとても良くて、一体どこからインプットしてるんだろう…。
古今東西の様々デザインを柔軟に取り込んで、自身の作品に活かせる人だと見た。

色彩を失った少女が旅にでるというストーリーは抽象的で、作家自身のバックグラウンドが伺える。
この描き下ろしストーリーのタイトル『そして花になる』には
“Ashes Become Flowers and Wings”という英訳がついているのだが、
この “灰から花”というのがストーリーのテーマであるのと同時に、淵゛さんの作風の変化とリンクするように思われる。

第二章の過去作品を眺めると分かるのだが、淵゛さんは2020年頃を境に作風が変わる。

元々、淵゛さんは大学で日本画を専攻していた。しかし卒業制作を前に病を患い、退学せざるを得なかったという。その後、2018年からイラストをSNSに上げるようになり、今に至る。

だから初期の作品は日本画の影響が強いらしく、色彩は暗く淡く寒色…儚さや綻びといった要素が強かった。
20年以降はどちらかというと陽の絵が多く、彩度の高い絵が増えていく。
どの絵も光の表現や画面の構成力が見事で、元々の画力が高いのもあって、いつまでも眺めていられる。

巻末のインタビューによると、大学を辞めた後、沖縄に行った体験が、その後の創作に大きな影響を与えたという。本州と沖縄では色の見え方が違うと。
また、生まれは京都らしい。京都というと寺社や日本家屋をイメージするが、実は西洋建築も多く、日本と西洋が混合されたような街で暮らしていたという。
育った環境と自身の経験が作家に与える影響って大きいんだなあ。

表紙帯には「着彩の魔術師」とあるが、色彩の映える作家さんはライティングも強いんだよなぁ…と思う今日この頃。

参考記事。こちらのインタビューも面白い↓



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