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おたぎ 2024.05


はじめに

京都鷹峯にある日本料理店、「おたぎ」に参りました。
旅行計画の度に何度か予約を試みたのですが、中々取れず…
今回念願の訪問です!!
結論から言うと、めちゃんこ良かった…

勝手に評価!

  • 総合評価:4.7 凄く良い!

  • 料理・味:4.7

  • サービス:4.8

  • 雰囲気:4.7

  • コスパ:4.6

実際に食べたもの

コース(33,000円、税込みサービス料なし)を頂きました。

柑橘のフレッシュジュース

食前杯として、供されました。
4種類の柑橘を、なんと手絞りです!
勿論繊維っぽさはない滑らかな口当たりなのですが、しっかり果肉を感じる。
この時点で、こちらは間違いないお店だと確信しました。

熊本産天草雲丹 じゅんさい 青ゆずジュレ 卵豆腐

物と腕が良い。
雲丹は臭みは全くなくてまろやかで濃厚な甘みとコク。
じゅんさいはつるんとした口当たりとショキショキした心地良い食感。
カツオ出汁に青ゆずを加えたジュレは、綺麗な旨味にゆずの爽やかな香りが鼻を通ります。
ほんのりと塩気の入った卵豆腐とも相性抜群。
旨味はしっかり感じますが、とても柔らかく軽やかな一品でした。

平目のすり身と蟹のしんじょう

平目のすり身をベースに、毛蟹のほぐし身をたっぷり入れたしんじょう、ふんわりと優しい旨味に蟹の純粋な甘みがふわっと感じられて、軽やかに消えていきます。
まぐろぶしの出汁とこぶ出汁を半々で加えたお汁は、しっかりとした旨味の中に丸みというか、まろやかさを感じる。
丁寧に細く切られた糸生姜は処理がしっかりされているためか、強すぎない心地良い清涼感。
それぞれを頂いても美味しいのですが、全ての調和が美しく取れていました。

明石鯛

7時間ほど締めた鯛、もっちりとした弾力とコリコリと食感が楽しめます。
そして、綺麗にとろける脂を感じる。

和歌山串本産 初鰹

皮目は炭火で炙って供されます。
私は鰹は苦手なのですが(嫌いではないけれど、好んで頂かない)、こちらは目を見張るほどに美味しかった!
特有の鉄っぽさは勿論なく、とろ~んとした口当たりと淡白ながらも深い旨味に頬が緩みます。
自家製の生姜ポン酢のタレは、甘みとほんのり酸を感じる味わい。勿論鰹との相性が抜群で、余すことなく鰹と絡めて頂きました。

八寸
(手前右から時計周りに)白子の酒蒸し、車海老とゆり根の鮨仕立て、からすみ、
天日干し胡瓜とくらげの胡麻和え、わさびと酢味噌のぬた和え、そら豆の白和え

全体的に、塩気は優しく甘みの効いた味付け。
癖がなくてミルキーで濃厚な甘みのある白子。
甘いタレが合う、まろやかなゆり根の生地とふっくらな車海老。
塩気が程よく、お菓子感覚で頂けちゃうからすみ。
天日干し胡瓜やくらげの食感と甘くて濃厚なゴマダレ。
まろやかな甘みの中に、ほのかにつーんと辛みの効いたぬた和え。(一番酒が進んだ)
ホクホク食感のそら豆に、何度も裏ごししたことで濃厚で豆の甘みを感じる白和え。
どれもとっても好み!!

とり貝炭火焼 アスパラガス

ぱつんとした肉厚なとり貝は、柔らかな磯の香りとミルキーな旨味。
すだちを絞ると、その爽やかさでよりマイルドに。
アスパラガスも表面は香ばしく、中は水分と芯を感じる焼き具合。
シンプルながら、とても味わい深かったです。

京都産 平井牛 花山椒

ヒレとモモを交互に重ねています。
柔らかな牛肉は口溶けが良くて、脂もあっさり。
上の実山椒は味付きの出汁でさっと湯洗いされており、山椒特有の辛みはまろやか。繊細な牛肉を邪魔しない、絶妙な塩梅に仕上がっている。(ゲストが頂くタイミングに合わせて出汁をご用意されていて、恐れおののきました…)
和牛らしい味わいを楽しめつつも驚くほどに軽やか。
多めに頂いたはずが、どのゲストより早くに完食してしまいました…

手打ち茶そば そばの実 夏みょうが のり 

手打ちだとは思えないほどに、均一な太さ。
そばを啜ると、優しくも深い出汁と共にみょうがの清涼感やのりとそばの実の風味が口いっぱいに広がる。
こんなにレベルの高いそばまで頂けるなんて…

小鮎 甘酢あん 白髪ねぎ ペッパー

採れたての小鮎は苦みがまろやかで心地良い。
かつお出汁を感じる甘塩気のあるタレと、白髪ねぎの清涼感、ペッパーのアクセントが堪らなく食欲をそそります。

熊本産 くまさん

おたぎさんでは毎年色々な白米を食べ比べされて、一番気に入ったものを通年で提供されているとのこと。
柔らかい炊きあがりで、とってもミルキーな甘みを感じられます。
固め炊き好きの私ですが、こんなに柔らか炊きのお米を美味しいと感じたのは初めてでした。

白米には、漬物、自家製の塩昆布やあさりの味噌汁が付きます。
特に、優しい甘みと塩気とこぶの旨味が詰まった塩昆布がお気に入り。
白米のおかわりは自由とのことで、ついついたんまり頂いてしまいました。(少なくとも4杯は頂いた)

爆食していると、即興で作った和え物や出来立てのちりめんじゃこも頂きました。

別途料金はかかりますが、白米の他に締めのご飯をお作りいただけるとのことでした。
ということで、以下3品をお願いしました。

蟹チャーハン

中華料理店顔負けのパラッパラッの仕上がり。(同じお米を使っているとは思えない)
蟹がたんまり入っていて、贅沢な一品です。
スパイスが効いた箸の進む味付けで、掻き込むように頂いてしまいました。

ハヤシライス

八丁味噌や白味噌をベースとしたハヤシは、まろやかで深いコクと甘みと鷹の爪のピリッとした辛みが良いアクセント。
ミルキーで甘い白米でぴったりな味付け。

オムハヤシ

まだハヤシライスの余韻に浸りたい…ということで、卵とじとの合い掛けを注文。
出汁と塩気の効いた卵とじと甘めのハヤシライスは相性抜群。
多めによそっていただいたはずが、こちらもあっという間に完食してしまいました。

完熟マンゴーのプリン、木の芽とよもぎとあんこの餅

デザートも勿論、手作り。
見るからに凝っています…

甘くてとろ~んとしたマンゴーに、滑らかなプリン。
ジュレとミルクがかかっております。
丁度よい甘さで、つるんと飲み物感覚で頂けちゃいます。

黒砂糖で炊いたあんこは甘みが深い。
粒感の残った餅は、よもぎの風味と山椒がほのかに香ります。
満足感がありつつも、ペロリと食べられちゃう美味しさでした。
 

奇をてらわず落ち着きがある一方、新鮮な組み合わせや型にはまらないメニューも。
食材の質や料理人の腕の良さ、そして実直で温かな大将のお人柄が鑑みえます。
どれも本当に美味しかった!!

サービス

非の打ち所がない、温かくて細やかなサービスでした。
大将も女将さんも、お弟子さんも、物腰の柔らかく、律儀。ちょっとしたことにも、「ありがとうございます」と優しく仰っていただき、心が浄化されていく感覚に。
そして、健啖家である我々を気遣って、少し多めにお料理を盛ってくださったり、ご飯も余分に炊いてくださったり。(お土産のご飯も沢山頂いてしまいました)
強いて言うのであれば、テンポがゆっくりであることでしょうか…でも、時間を気にせず、まったりするひとときは本当に心地良かったです。

お値段

コース(33,000円、税込みサービス料なし)、ビーズ中瓶×1、日本酒2合、締め3種追加で、74,000円/2名でした。
この内容なら10万ほどは覚悟していたのですが…思わず、連れと顔を見合わせてしまいました(笑)

まとめ

コースが進むたびに、すぐに近くに伺えないことが悔しくなるほど、素敵なひとときを過ごすことができました。
常連さんだらけ、コースの途中で次の予約をお願いされる方といらっしゃるのも大納得でした。(私もしたかった…!!)
また絶対に伺いたい!!


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