R.I.P.愚者から親愛なる愚者へ
この話はツイキャスでも数度話したことのあるお話で
私の占い師を志ざすルーツ、そして私が「愚者」を名乗るキッカケになったお話です
私には父と同じくらい、いやそれ以上に尊敬している男性がいました
「大童さん」という人です
私は東日本大震災の時、家が全壊になり家のあった場所は今でも更地なんですが、当時の私は高校三年生の自宅学習期間中で家に当時付き合って居た女性を連れ込んで居た日に被災しました。
就職先が決まっていた私でしたが、しばらく雇える状況じゃないと就職見送りという形になってしまいました
子供の頃から不幸続きで何をしていても上手くいかない事に劣等感を凄く抱いておりました
被災後半年後にその就職先には就職出来たのですが、結局1年間程で辞めてしまいました
大童さんとの出会いは、私が次に就職する何でも屋さんでの事でした
大童さんはその会社の部長をしており、とても可愛がって頂いておりました
今日は皆さんにその僕の人生に置いて大切な人のお話をしようと思います。
文章にして書いたら温かみがない気がするので、お手紙みたいな形にして書かせてもらいます。
拝啓
大童さんへ
そちらはどうですか?
お元気にしてますか?なんて聞くのは少し変ですよね
俺の方は元気にしていますよ!
ヒロトもこうちゃんも結婚しちゃいました
あいつら結婚式に俺の事呼ばなかったんですよ?
酷くないっすか?笑
まぁ、そんな話は良いとして
大童さん、俺も俺で今東京に居るんですよ!
ここにい続けでもダメだ!って思って福島飛び出ちゃいました。
でも東京に来て何が変わったかと言うと、水が美味しくなくなった位しか変わってないですかね
あ。でも東京の人間は面白い人沢山です!
でも、大童さんほどすげぇ人間にはまだ出会えてません
いや、大童さんは俺にとっての最高のヒーローなので
俺が中学の時いざこざがあって避けていた佐野くんがウチの会社に入社するってなった時、佐野くんが入社するなら俺辞めますって社内会議になったじゃないですか。
あの時、会社にとって佐野くんの入社は喉から手の出るほど最高の条件だったと思うんです
重機にも乗れるし、大型車にも乗れる、資格だらけで俺と比べたら何も秀でてるもの無くて…。
でもあの時大童さんなんて言ってくれたか覚えてますか?
「俺は翔と仕事出来ないならこの会社辞めるし、翔を捨てる会社なら潰すよ。翔、俺と一緒に会社やろう!」
大童さん…あなたはこう言ってくれましたね。
あの時、初めて父親以外の大人の男性から認められた時だったと思ってます
あの言葉であの時の俺は心から救われました
あなたはとても自由な人で善悪のしがらみも関係なく、好きなものは好き、嫌いなものは嫌いって言う人でしたね
そして何より一途な愛の持ち主でした
福島県の除染の仕事中あなたは鬱になって仕事に来なくなりましたね
久しぶりに出勤した時理由を聞いたら
「元嫁さんとの関係が上手くいかなくてね…」
とあなたは心細く笑っていました
俺は必死に元気づけようと
「大童さん!飲みに行きましょ!風俗にも行きましょ!」って言って励ましてみましたが、今思えばもっとあっただろ…って思います。笑
数日後飲みに行って2人で風俗に行ってめちゃくちゃオバサンに2人とも当たって爆笑したのが今でも懐かしいです。笑
翌年の冬からあなたはまた会社に来なくなりましたね。
あの年の年末貴方が福島拘置所に居ることを仕事中に聞きました。
クリスマスイブに元嫁さんに復縁を迫った際に断られ、殺人未遂を犯してしまって現行犯逮捕で捕まってしまったと。
正直驚いたし、ショックで何も言えませんでしたし、会社も数日間休みになりました
あの時、社長に呼ばれて
「翔。部長とこの先も仕事したいか?」
って聞かれました
俺は一生懸命考えて
「俺は今の大童さんとは一緒に働きたくないです」
と言ってしまいました
俺なりの精一杯の答えだったんです
「一緒に働きたくないって言ったのはメンバーでお前だけだぞ!なんでだ!」って社長に怒られちゃいました。
でも、あの時の大童さんを受け入れて甘い場所を作ったら、大童さんはダメになってしまうって、俺なりに無い頭使って考えた答えだったんです。
すみません…。
数ヶ月後、仕事復帰しても再度休んだりの繰り返しの最中、俺も会社に居るのが辛くなり辞めてしまいましたね
次の仕事はあっという間に見つかりました
介護の仕事です
その職場のお祭りの時、和太鼓演奏して欲しいと言われ参加した時に従業員の方に一目惚れして、入社を決めました。
結局、めちゃくちゃ頑張ってその人とお付き合いする事になったのですが、その人は7股をしていて、俺は7股の5番目だとカミングアウトされました。笑
子供の頃から不幸続きでどうしようもなく、何をやっても報われず、ずっとずっと自殺願望があった俺はあの時何度も自殺未遂をしていました
俺が占いと出会ったのはその時です
ツイキャスって配信サイトで、もう名前も分からない占い師の人に恋愛相談をして、運命の輪の逆位置が出て「その人辞めといた方がいいよ」と言われ
それでも受け入れられず「俺はこの占い覆して見せます!」と言いました
そしたら、「私はそういう言葉が聞きたくて占いをしている」
そう言われました。
あの時、占いってすげぇな。心が救われた。
って思い俺も占いを始めました
そんな最中
大童さんからメールが来ました
「翔。飲みに行こ。」
それだけの文章。
でも、あなたの提案した日は7股さんと遊ぶ予定の日で俺は迷うこと無く7股さんを選んでしまいました。
精神的に病んでいたあの時の俺は、あなたの事など眼中にありませんでした。
その1週間後
あなたは大好きだったランドクルーザーの中で練炭自殺で死んでしまいましたね。
お葬式は開かれず密葬
複雑な家庭環境だったからお墓の名前は「遠藤」
母方の実家の墓と聞きました
大童さん…。
なんで死んじゃったんですか。
俺があの日話聞いてあげていれば変わりましたか?
また、飲みに行って、2人で風俗行ってってしたら
あなたは今でも生きていましたか?
俺の人生でこれ以上の後悔はありません
俺が大童さんを殺してしまったのと同じです
俺、あなたに恩返しも何も出来ないまま
今年で30歳になっちゃいます
あの日あなたに会って
「俺占いやってんすよ!」
ってあなたを占ったら絶対にあなたは今でも生きていると思うんです
別の日こうちゃんと一緒にお墓参りに行きました
こうちゃんはすぐに帰りましたが、俺はあなたが眠っている所から離れられませんでした
「なんでですか。大童さん…。俺のせいですか?俺占いやってんです。占わしてくださいよ。」
その時引いたカードは
「愚者」
のカードでした。
そんな時
突然のスコールが降りました
あの雨は大童さんが降らしたと今でも思っています
「翔。気にすんな。自由に生きろ。」
そう、あの大雨に言われた気がしました。
大童さんは俺にとって誰よりも自由で、一途な愛を持ち、子供らしく笑う、世界一の愚者で。
そして、あの時から自殺願望はすっかり無くなりました
最後の最後であなたは俺の命も救ってくれたんだなって…。
あなたは俺の最高のヒーローです。
俺もあなたみたいに沢山の人を救いたい。
あなたみたいに苦しんでる愚者を救いたい。
だって、俺にとって相談者さんは今も昔も「大童さん」だから。
あなたの死で苦しんでる人が居るように、俺に相談してくる人にもきっと居るはずなんです。
第2の俺を作らない為にも、俺はこの命を燃やし続けます。
あなたのように生きれば、きっと皆んなに愛される人になれるから。
これからも生き続けます。
たまに、あなたに心から会いたくなる時があります
でも、そんな時はあの大雨を思い出します。
「翔。気にすんな。自由に生きろ。」
そう自分に言い聞かせます。
だからすみません大童さん。
あなたとウーロンハイ飲むのはまだまだ先になりそうです。
気長に待っていて下さい。
いずれあなたの元に行きます。
その時あなたは若い姿かもしれませんが、俺はきっとおじいちゃんなので、あんま無理な遊びは出来ないですからね?笑
コレを読んでいるあなたへ
あなたがもしも1人で辛い思いをしているなら、私に相談して欲しい。
私にあなたを救わせて欲しい。
だってあなたは俺にとっての大童さんだから。
よく愚者さんの占い師になるキッカケは?
と聞かれますが、この話は重すぎて誰にも話せないので7股さんがキッカケと言います。
ですが、俺が心の芯にあるのは、この大童さんという人がキッカケです。
長くなりましたが以上にします。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
~完~
R.I.P.愚者から親愛なる愚者へ
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