私は何と戦っているんだろうと思ってしまった出来事
介護でしんどいと思う時は、
本人の世話でもなんでもなくて
考え方が全く違う人とうまくやっていかなければ生活が回らないという現実を
突きつけられた時…
オットを介護して18年目
まさか「またか」と思うことが「また」あった
もう何度こんな経験をしたことか・・・
18年で体得したことは、こんな時
自分の意見を主張しても、気分が悪くなるだけで
状況が好転することはないということだ
要するに諦める。
自分の気持ちに蓋をする。
「もうええやん。いっても無駄だわ」
ふっ~と深く大きなため息をつく
海の底に身を沈め、動かずじっとしていたくなる
そんな気持ちに襲われるのである
私はこんな時、人間を辞めたくなる
事の発端は一週間の始まり。月曜日に起こった
月曜日の朝のヘルパーさんは、
ヘルパーさんとしてどうなのかという疑問点が多い人だった
でも、まぁまぁ長い目で見ようと
苦労して紹介してくれたケアマネに気を遣う自分もいたりして
18年も要介護5のオットと暮らしていたら
色々あったし、これからだっていろいろあるはずだから
「いちいち、細かいこと言ったって状況が良くなるなんて考えられないわ」
と自分の時間を生み出すために
何か大きなものを引き換えにしているような
そんな罪悪感に蓋をするように日々を過ごしている
月曜日のヘルパーさんは
ある時は排便の始末をしないまま下着をつけようとしていたり
ある時は歯磨きの後のうがいをさせないで口中歯磨き粉で真っ白なまま
デイに送り出したり
とにかく「それってヘルパーさんとしてどうなん?」ということが山積みの人だった
「主人は「気持ち悪い」って言えないんだよ」って言いたくなるのを
ぐっと我慢して
「気をつけてね~」とお願い上手なふりをした
暑い日も雨の日もまず来てくれる
それだけでありがたいと思うように考える癖をつけて
自分の気持ちに嘘をついている私がいた
要は私が仕事に行くためにはお願いするしかないのだ
でも、正直、大丈夫かなと一週間の始まりからいつもハラハラしていた
案の定事は起こった
我が家は1キロ弱の極小チワワを飼っている
もう15歳、何度も命を落としかけては頑張ってくれている老犬だ
その老犬のために夏はクーラーを24時間体制
かけっぱなしで出かける
そうしないと東向きの部屋はサウナ状態、
極小の老犬チワワなんて数時間で天国行きってことぐらい
誰が考えてもわかる
わかるけど、あえて毎朝のヘルパーさんには
「エアコンのリモコンは触らないで」と
老犬の話をして、お願いをして、出かける
なのに先日家に帰ってみたら
2台のエアコンは切られていて
部屋は蒸し風呂状態
口から舌を出してぐったりした老犬が横たわっていて、
声をかけても全然動かない
あんなに慌てたことはない。
水も飲まない老犬に、氷をなめさせたりアイスをなめさせたり
幸い、ぐったりから少し動くようになり、
水も飲んでくれたから本当によかった
でもなんで???
どう落ち着いて考えても、朝のヘルパーさん以外
リモコンを切った人が思い浮かばない。
私はそのヘルパーさんが所属する事業所に電話で確認した
そのやり取りは今でも思い出したくもない
その事業所のサ責(責任者)は、こう言い放った
「私たちはご主人のお世話に入っているのです。犬の世話に入っているのではありません」
開いた口がふさがらないとはこのことだ
私はヘルパーさんに犬の世話など頼んだことは一度もない
ただ、家を出るとき愛犬のためにエアコンをつけたままで出かけること、
それが出来ない主人に変わって、
どうぞエアコンのリモコンはそのままで
触らず出かけてねと頼んだだけだ。
ご丁寧に、頼んでもいないことをしたのはそちらなのだ
これだけ猛暑で、家の中でも熱中症になると言ってるのに、
どうしてそんな余計なことをしたのか、意味が分からないし、
責任者の説明ももっと意味が分からない
挙句ケアマネを通して、サービスの打ち切りを言ってきた
何かあってからでは遅いから、サービス打ち切りは結果良かったんだけど、「もやっと」する以上に言葉では言い表せない
私の元気を全て吸い取られた
そんな気分になった
一言も「ワンちゃん大丈夫でしたか?」も、
「すみませんでした」も
聞くことが出来なかった
サービスを打ち切るのはこちらの方だ!!
障がい者の家族になるということ
そんな言い訳をする人たちにヘルプに入ってもらわないと
我が家の生活は成り立たないという現実に
介護って「超しんどい」って気持ちになる
戦うべきはここなのだ
とても良くしてくれるヘルパーさんが多い中
一部の常識が全然違う人に
体の中のエネルギーを全部持っていかれて
笑えなくなる
介護でしんどいと思うことは、
本人の世話でもなんでもなくて
考え方が全く違う人とうまくやっていかなければ生活が回らない
という現実を突きつけられた時や
制度に人を当てはめようとする想像力のかけらもない人に出会ったとき
自分のエネルギーをすべて持っていかれて
私はそんな時
少し元気が出るまで
人間を辞めて海底に身を潜めたくなるのだ