ギャッチアップ30°は本当に有効か?嚥下障害を簡単に㉑

今回は、食事中の姿勢について考えていきます。嚥下障害の方にはギャッチアップが有効であることが多いですが、必ずしも全ての方に適しているわけではありません。そこで、ギャッチアップの*メリットとデメリットについてまとめてみました。

メリット
①送り込みが容易になる
  舌の動きに障害があり、送り込みが難しい方には、重力を利用することで、食物の送り込みを助ける可能性があります。

②解剖学的に誤嚥しにくい
  体の角度をつけることで、喉頭や気管が上に、咽頭や食道が下に位置するため、重力の影響で食べ物が上にある喉頭や気管に入りづらくなります。

デメリット
①早期の咽頭流入
  メリット①の逆で、重力で送り込みが早くなることで、咽頭への流れ込みが速くなり、嚥下のタイミングが合わず、誤嚥のリスクが高まる可能性があります。

②自力摂取が難しくなる
  座位に比べ、ギャッチアップを30°にすると、食事が見えにくくなり、自己摂取が困難になる場合があります。

③身体機能の低下
  入院中の患者さんは、ベッド上で臥位の時間が多く、廃用症候群に陥りやすい状態です。食事の時間は、数少ない離床の機会でもあるため、食事をギャッチアップで制限すると、離床の機会が減少し、身体機能の低下を助長してしまう可能性があります。

今回は、食事中のギャッチアップについてのメリットとデメリットを挙げました。ギャッチアップで経口摂取を行うことには一定の利点がありますが、適切な評価を行い、必要がなければできるだけ早く座位での食事を目指すことが重要です👌







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