平山滋

言語聴覚士の平山と申します。 これまで、急性期病院、回復期病院、クリニック(訪問リハビ…

平山滋

言語聴覚士の平山と申します。 これまで、急性期病院、回復期病院、クリニック(訪問リハビリ)で働いてきました。 私は、新人の頃なかなか言語聴覚士の仕事を覚える事が出来ず苦労しました。 どのようにリハビリを進めていけば良いか分からない新人STを対象とした記事を書いてみようと思います。

最近の記事

伏見稲荷大社について調べてみました。

1. 歴史 伏見稲荷大社は、京都市伏見区にある稲荷神を祀る神社で、全国に約3万社ある稲荷神社の総本社です。創建は奈良時代の711年で、秦氏という一族によって建立されました。稲荷神は五穀豊穣、商売繁盛、家内安全、芸能上達などの神として信仰されています。特に平安時代以降、商人や農民の間で稲荷信仰が広まりました。江戸時代には商業の発展に伴い、商売繁盛を祈る信仰がさらに強まり、現在でも日本全国から多くの参拝者が訪れます。 2. 見どころ • 千本鳥居: 伏見稲荷大社の最も有名な見

    • 平等院鳳凰堂について調べてみました。

      1. 歴史 平等院は、1053年に藤原頼通が父・藤原道長の別荘を寺院に改装して建立されました。平安時代の日本では、浄土教の信仰が広まり、人々は死後に極楽浄土に生まれ変わることを願っていました。平等院はその浄土の世界を地上に表現するために建てられ、貴族たちの信仰の中心となりました。 2. 見るべき場所 鳳凰堂: 鳳凰堂は平等院の中心的な建物で、その特徴的な翼を広げた形は、建物全体が鳳凰の姿を模しています。屋根には、一対の鳳凰像があり、これが「鳳凰堂」の名の由来となっていま

      • 清水寺について調べてみました。

        久しぶりに京都に行く事になり、計画を立てる事になりました。せっかく行くので、清水寺について少し調べてみました。 「歴史」、「見るべき場所」、「信仰」の3点でまとめてみようと思います。 歴史 奈良時代後期:創建。 平安時代: 坂上田村麻呂が仏殿を建立。 江戸時代: 徳川家光により現在の本堂を再建。 見るべき場所 本堂(舞台): 釘を使わずに柱と大木で舞台を支えている。 本堂は国宝に指定されている。 清水の舞台からの四季の風景は絶景。 音羽の滝: 音羽山から湧き出る3筋の

        • ギャッチアップ30°は本当に有効か?嚥下障害を簡単に㉑

          今回は、食事中の姿勢について考えていきます。嚥下障害の方にはギャッチアップが有効であることが多いですが、必ずしも全ての方に適しているわけではありません。そこで、ギャッチアップの*メリットとデメリットについてまとめてみました。 メリット ①送り込みが容易になる   舌の動きに障害があり、送り込みが難しい方には、重力を利用することで、食物の送り込みを助ける可能性があります。 ②解剖学的に誤嚥しにくい   体の角度をつけることで、喉頭や気管が上に、咽頭や食道が下に位置するた

        伏見稲荷大社について調べてみました。

          食事摂取後の注意点⚠️嚥下障害を簡単に⑳

          今回は、食事摂取後に確認すべきポイントについてお話しします。確認するのは、①口腔内の残渣、②咽頭ゴロ音、③湿性嗄声、④食後の姿勢の4つです。 ① 口腔内残渣 食後に口腔内の残渣を確認することは非常に重要です。残渣がそのままになっていると、咽頭に流れ込んで誤嚥するリスクがあります。口の中は暗くて見えにくいので、可能であればペンライトを使用して確認しましょう。残渣が見つかった場合は、うがいやスポンジブラシで取り除きましょう。 ② 咽頭ゴロ音 / ③ 湿性嗄声 呼吸時に喉が

          食事摂取後の注意点⚠️嚥下障害を簡単に⑳

          嚥下障害を簡単に⑲食事介助編

          今回は、食事介助の方法についてお話ししていきます。食事介助で注意すべきポイントを、①食物の認知、②一口量、③スプーン操作、④次の一口を入れる前の確認、の4つに分けてまとめてみました😊 ①食物の認知 まず、何を食べているかを患者さんにしっかり認知してもらう必要があります。そのために、食べ物をよく見てもらったり、匂いを嗅いでもらうなど、五感を刺激することが大切です。 ②一口量 嚥下障害がある方の場合、一口量は少なめにすることが望ましいですが、少なすぎると食べ物を認識しづらい

          嚥下障害を簡単に⑲食事介助編

          嚥下障害を簡単に⑱食事介助編

          今回は、食事介助について書いていこうと思います。嚥下障害のリハビリでは、以前紹介した課題特異性の考え方のように、食事を食べることで食べる機能は向上します。そのため、適切な食事介助は非常に重要です🙆 まずは、食事を始める前の準備についてお話しします。 ①食べる環境作り   食事の時間になったら、いきなりベッドから起こすのではなく、少し前に起こして「これから食事の時間だ」ということを意識してもらうことが大切です。患者さんが食事に向けて心身の準備ができるようにしましょう。 ②口

          嚥下障害を簡単に⑱食事介助編

          第30回日本摂食嚥下リハビリテーション学術集会に参加してきました

          今年は福岡での開催で、私は最終日のみの参加でした。台風の影響もありましたが、多くの方々が発表されており、大変勉強になりました🤔 特に印象に残ったのは、「摂食・嚥下障害を支える京のまちづくり」という講演です。講演ではまず、障害とは個人と環境のミスマッチであるという話があり、具体的にどのように環境を変えていくかについてお話しされました。 伝統のある料亭や酒造、お茶屋、大学などと連携し、飲み込みやすく美味しそうな料理や飲み物の写真が次々と紹介されました。最後に、あまり食事をと

          第30回日本摂食嚥下リハビリテーション学術集会に参加してきました

          嚥下障害を簡単に⑰気管切開編

          気管切開をしている方の経口摂取について 今回は、気管切開をしている方の経口摂取について書いていこうと思います。 気管切開での経口摂取の進め方 1. 早期にカニューレの抜管が見込まれる場合   カニューレの刺激が分泌物を増加させている場合は、経口摂取に先行してカニューレの抜去を目指します。 2. カニューレの抜管が困難な場合   一方向弁(スピーチバルブ装置)を使用して経口摂取を行います。 ※経口摂取を開始するには、唾液嚥下が可能であること、カフ上の吸引物が少ない

          嚥下障害を簡単に⑰気管切開編

          嚥下障害を簡単に⑯気管切開編

          スピーチカニューレの抜管について 今回は、遂に③スピーチカニューレの抜管についてお話しします😄 カニューレの抜管までにはさまざまな手順が必要でしたが、これで最後になります。 抜管するための条件 スピーチカニューレの状態と比較して、抜管後は吸気も口や鼻から行う必要があります。そのため、抜管前に十分な準備と確認が求められます。 抜管する手順 私が勤めていた病院では、スピーチカニューレの状態で呼吸や痰の量などが安定していれば、医師の判断で抜管されることが多かったですが、こ

          嚥下障害を簡単に⑯気管切開編

          嚥下障害を簡単に⑮気管切開編

          前回は、①カフ付きの側孔なしカニューレから②カフ付き二重管スピーチカニューレへの移行について書きました。今回は②カフ付き二重管スピーチカニューレから③スピーチカニューレへの変更についてお話しします😄 変更するための条件 スピーチカニューレはカフがついていないため、唾液誤嚥がないこと、または誤嚥しても自己喀出ができることが必要です。唾液誤嚥の確認については、前回の記事でも説明したように、カフの上に唾液が貯留しているかを確認します。 変更する手順 カフ付き二重管スピーチカ

          嚥下障害を簡単に⑮気管切開編

          嚥下障害を簡単に⑭気管切開編

          前回は、気管カニューレの種類について書きましたが、今回はどの順番で気管カニューレが変更されていくかについて書いていきます😄 カニューレ変更の順番 1. カフ付きの側孔なしカニューレ 2. カフ付き二重管スピーチカニューレ 3. スピーチカニューレ 4. レティナカニューレ 5. 抜管 ※レティナカニューレは使用されずに抜管される場合や、全ての手順を経ずに抜管される場合もあります。 今回は、全ての手順を経た場合について説明する予定ですが、まずは①カフ付きの側孔

          嚥下障害を簡単に⑭気管切開編

          嚥下障害を簡単に⑬気管切開編

          初めて気管切開の患者さんを担当した時、どのように関われば良いか悩みました💦そこで、今まで気管切開の患者さんに関わった経験や自分で調べたことをまとめていこうと思います。今回は、気管切開の種類について書いていきます。 ※私が担当した患者さんが利用していたことが多いKOKENのカニューレについて解説します🙇 ①カフ付きの側孔なしカニューレ 気管切開後の最初のカニューレとしてよく使用されます。吸気も呼気も気切孔から行われます。また、カフがあり側孔がないため、唾液誤嚥がしにくい構造に

          嚥下障害を簡単に⑬気管切開編

          嚥下障害を簡単に⑫食物認知編

          今回も食物認知について書いてみようと思います。前回は、食物認知の問題と思っていても実は嚥下機能の問題である可能性についてお話ししました🤔今回は、食物認知が問題であった場合の対応について書いていきたいと思います🫡 ①環境調整 環境調整の大切さについては、訪問リハビリを行うようになってから特に実感するようになりました。病院で食べなかった認知症の患者さんが、自宅に帰ると食べ始めるという経験を多くしました。要因としては、部屋の雰囲気や介助者、料理、食器の種類などが考えられますが、元

          嚥下障害を簡単に⑫食物認知編

          嚥下障害を簡単に⑪食物認知編

          今回は、食物認知について書いていこうと思います。認知症などの影響で嚥下機能は良さそうでも、なかなか食べてくれない患者さんに出会うことも多いと思います。ここでは、どのような時に食物認知ができていないと評価するかを考えてみます🫡 食物認知ができていないと考えられる場合 1. 食べ物を見ても口を開けない 2. 食べ物を口に入れたまま口が全く動かない 3. ずっと咀嚼していて、なかなか飲み込まない 1と2の場合、食物認知ができていないと判断しやすいです。 3に関しては、悩むこ

          嚥下障害を簡単に⑪食物認知編

          嚥下障害を簡単に⑩訓練編

          今回は、喉の訓練法についてご紹介します。声門が閉まりづらく誤嚥のリスクがある方に対して、声門を閉める訓練を中心に挙げてみました。以下に挙げる訓練法は、比較的導入しやすいものばかりですので、ぜひ患者さんに適した方法を試してみてください🫡 ①プッシング・プリング訓練 壁を押したり、肘掛けを引っ張ったりしながら強く発声することで、声帯の内転を強化し誤嚥を防止する訓練です。やり過ぎると声帯を痛めてしまう可能性があるため、可能であれば内視鏡で正しい運動ができているか確認することをお

          嚥下障害を簡単に⑩訓練編