ダブり〜1限目〜L

スタジオへ着くと、タケツさんにエトウの
親父さんの事を話した。

すると、タケツさんは
「そう言う事かぁ!?俺の周りに聞いてやるよ」
と言ってくれた。
「ユウ、とうとう彼女ができたのか?
なんて、かわいい子だっ。お前にはもっ、、」
俺は遮る様に
「ちがいますよ。この子はナカタリョウと言って
俺のクラスメイトっス」
「こないだ話したでしょ??」
タケツさんは
「あぁー副会長さんかいな。
これは、これは。。でもこんなかわいい子がクラスメイトっていいもんですなぁ会長さん」

あははっ

副会長が会釈をしていたが顔はひきつっていた。
「副会長さん、ユウはこう見えてバカだから
頼むわなっ」
と言ってタバコに火をつけた。
笑顔で「ハイっ」と返事をする副会長。

俺はそれを横目に、こう見えてバカの意味を考えていた。

すると、
「ユウっち」
と後ろから俺に抱きついてきた

「ササマキかぁー久しぶりだな」
「お前学校来てる?」
と俺は言った。

「もちろん、毎日行ってますよー。
誰かさんみたいに、ダブりたくないからねー」

「ユウ、今日は早いな。」
とタイケが言った。

ササマキはタイケの彼女だ。
そう、あのパトカーに僕は死にましぇーんって
飛びだした奴。

俺は副会長に、
「こいつがタイケ、さっき電車で話した奴」
「そして、その彼女のササマキ」
と紹介した。

「あっ、うちの制服だね?1年?」
「私、2年のササキマキよろしく」
と副会長に言った。

「1年のナカタリョウです」
「ササキさんよろしくお願いします」
副会長は結構礼儀がいいんだ。

「ササマキでいいよっ」
と言うと
「いや、そんなぁー言えないですよ」

ササマキは
「いいから、いいからっ」と言った。

「はい。じゃーササマキさんって呼びます」
と副会長が言った。
「リョウちゃんは、ユウっちの彼女?いつから付き合ってるの?」
「もうした?」
と聞いていたので、俺は
「ササマキ、お前バカか?」
「そんな事をすぐ聞くな!!」
「てか、俺達は付き合ってない」
「ただ同じクラスなだけだ」
「おい、タイケ、こいつなんとかしろっ」
と、俺はパスを出した。

「えぇ〜もしかして照れてんの?」

タイケが
「はいはい、マキ行くぞっ」
「リョウちゃーん、また後でねぇ」
と言ってスタジオへ行った。

俺は、一服してから行くからと言って喫煙所へ行った。

そう、こう見えてバカってのはササマキの事だ
と気付いた瞬間だった。


「ユウ、おつかれ」
「イサカ、今日はありがとうな!
          なんとか助かったよ」

副会長に紹介した
「イサカ、今日やってくれた奴だ」
「ネットが得意で色々やってもらってるんだ」

「はじめまして、ユウから聞いてるよ
                よろしく」
と、イサカは大人な自己紹介をした。

「はじめまして。よろしくお願いします」
と副会長が挨拶した。

「あーほんとだ!?ユウが女の子連れてる」
「捕まるんじゃないか??大丈夫か?」
とナカヒロとウエイが来た。
俺は、副会長をこの子供達に紹介した。

「で、ユウ。今日の件だけど、あれから調べたらちょっと気になる事がわかったんだ」
とイサカが言った。
俺は
「何かわかったか?」
と言った。

すると、イサカはカバンからA4用紙を取り出して俺に手渡した。
そこには、エトウの親父さんの会社の事とその取引先の情報が記されていた。

「よく調べたな」
「ほんと凄いなお前は」
と俺は礼を言った。

するとイサカは
「次のページを見てくれないか?」
と俺に言ってページをめくった。
そこには、あの会社の事が記されていた。

「気にならないか?」
とイサカが言うと俺は
「確かになっ」
と返事した。

「おそらく俺は、ゴウに頼まれたのだが、
それとは別でコイツの事を調べなくてはいけないかも知れなくなったかもな」

そう、レイズはムラマツへ続く会社だった。
俗に言うフロント企業ってやつだった。


ナカヒロが
「やめとけって、ムラマツに関わるなって
お前やばい事になるかも知らないぞっ」
と気にかけてくれたが、俺は
「ゴウに借りを作ってしまった」
「今まで俺達はそうしてやってきたろ?」
「あいつが何を考えてムラマツを調べてるのかはわからないが、俺は今回の借りを返したい」
「そして、エトウの件もあるからな」
「だから、お前達には迷惑はかけたくないから、この件は俺だけでなんとかしてみるよ」

決まった。
これは、決まった。
なんて、カッコいいんだ俺っ


すると、
「わかった。じゃー迷惑はかけないでくれよな」
とナカヒロが言った。

俺は、
「えっ!?ここは俺達も協力するぜ」
的な展開を待っていた。


プププ
はっはーはー
とみんなが笑いだした。

「ユウ、俺達何年一緒にいるんだ?
      もちろん出来る事は協力するよ!」
とウエイが言った。

「会長、私も協力するからね」
と副会長が言った。

「いや、これは何があるかわからないからお前は
やめといた方がいい」
「と言いたいけど、どうせ付いてくるんだろ?」
と俺が言うと
「だって友達でしょ!?」
と副会長が言った。


俺は
「だなっ」

すると、タイケがスタジオの方から
「おーいっ、ライブも近いから練習すっぞっ」
と俺達を呼んだ。

「アイツも俺達と一緒だからなっ」
とウエイが言った。

俺は
「ありがとうな」
「まーとりあえずはバンドだっ、
     ムラマツの事はまた作戦をたてよう」
と俺は言った。

「ユウ、ところでライブ用の新曲はできたか?」
とイサカが言うと

俺は、
「あぁー!てか、今出来た」
と言って、俺達はスタジオへ向かった。
             
              1限目Mにつづく










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