【週末投稿】つれづれ有用植物#35(ヤマノイモ科:ヤマノイモ属 自然薯)
山菜は慣れた人なら、すぐにその存在に気付くのだけど、知らない人は「ここにあるよ」と指さしても、どこにあるのかなかなか分からない事がある。
山里や川辺に行かなければ採れないと思っている方もいるけども、実は都会の公園や道端に案外山菜が生えている事もあり、身近な種類もあります。
前置きが長くなってしまいましたが、ヤマノイモ(自然薯)も意外に身近に生えている山菜の一つです。電柱やフェンスにからまって生えている姿を見かける事ができます。一番わかりやすいのは、秋にタイトル画像にあるようなツルにムカゴがくっついている植物を捜すと良いでしょう。
ヤマノイモはツル植物なので、春から初夏に太陽の光を求めて上に上にと成長しながら自分の体を増やして行き、夏に花を咲かせます。雄雌異株で雄花の花序は直立し、雌花の花序は垂れ下がります。秋にはムカゴという自分の種を増やすための小芋をツルの脇に付けます。その後、ムカゴは自然に落下し、発根をして増えて行きます。時々、スーパーでこのムカゴを袋売りしているのを見かける事があります。
このムカゴはご飯に混ぜて炊くと、美味しい「ムカゴご飯が」出来上がります。あくが少なく、ホクホクして美味しいです。
そして、秋には地上部は枯れますが春から秋まで十分に光合成して作り出されたでんぷんは地下にいわゆる「自然薯」としての「芋」を形成しています。自然掘りは山に行って、深い穴を掘らねばならないので、なるべく斜面を探し「堀り棒、掘り蒲」と呼ばれる大人の背丈ほどの鉄の棒で、先端が平らになったようなものを使って収穫しています。現代では畑で細長い塩化ビニールパイプや波板シートを使って畑で栽培されています。
そして工夫次第で、ご家庭でも自然薯を育てる事が出来ますのでぜひともチャレンジしてください。秋以降にロングポットを使って種イモ(手に入らない時は、ムカゴを購入しましょう)を植え付けましょう。浅植えで問題ありません。
そしてフェンスのそばに置いて、ツルを這わせて育成します。
おおよそ育成3年以降である程度の大きさになりますので、収穫ができます。私は秋にムカゴが自然落下して、春に葉が出たものを掘り起こして、ロングポットに移植する事で増やしています。
【育成して2年目の自然薯】
収穫はポットの中身を取り出すだけなので、露地植えよりも収穫は楽になります。
【3年目で収穫した自然薯】
収穫した自然薯は金属タワシで軽く擦るとある程度の表皮をはがす事ができます。
毎年、植え付けをすると毎年冬に自然薯が収穫できるようになります。生でそのまま食べても美味しいですし、摩り下ろしてとろろにしたり、天ぷらにしても美味しいです。