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もぐらコーセー
2021年12月1日 02:13
僕は自分の家の前で、相槌さえ打てずにただ黙って、話の結末を待っていた。「...コーセーあなたは今旅の途中でしょ?、でもいつかは帰らないといけない...もし私たちの所に帰るなら、あなたと幸せになる準備はできてるから。」何も言わない僕を彼女が抱きしめた。彼女の胸の中は、優しくて、暖かくって居心地が良かった。「大丈夫、あなたは優しいから、みんなが幸せにしてくれる。」彼女の優しい声が身体の
2021年5月4日 07:14
僕は目が覚めた、薄暗い部屋にカーテンの隙間から強い日差しが差し込む。布団からジャスミンの匂いがした。僕は左腕の中に居るはずのジャスミンを探しす、しかし、この部屋にジャスミンは居なかった。分かっているのにもう一度2人の部屋を見渡す僕、いつもと変わらない部屋なのに今朝のこの部屋にはどうしても現実味がなかった。時計を見ると、もう13時を過ぎていた。僕はカーテンを開け、絵はがきのような雲一つ無い真っ青の
2021年3月19日 18:34
ジャスミンが突然言った「あなたどうして私の事をBabyって呼んでくれないの?」 呼んで欲しかったんだ!?僕は驚きながら考えて言った「僕は日本人だからベイビーって呼ぶのは恥ずかしいよ」「じゃあ日本語でベイビーってどう言うだよ?」「坊や?」「ボーヤ?」「そうよ坊やこっちにおいで」「私ボーヤ?」「そうよ坊や」「私ボーヤ?嬉しいーーボーヤ。あなたもボーヤ」「坊やハグして」「
2021年2月26日 19:13
音の無いこの部屋で、僕の腕枕で横になるジャスミンは声を出さずに泣いていた。僕の白いジャージの左袖は、ジャスミンの色とりどりの口紅で汚れていた。ジャスミンは、僕のセーターを着て、自分で涙を拭いながら言う「私なんで泣いているのかわからない。ごめんなさい。何も考えないで。」 ジャスミンが鼻を啜る音が、音の無い部屋に広がる。ジャスミンは僕の手を見つめていた。丸くて大きな瞳で。そのキレイな唇を噛み
2021年2月15日 23:25
玄関が開く音で僕は目が覚めた。とっさにジャスミが来た。そう思った。僕のアパートを合鍵で開けたこの女性は、市川あやめ(イチカワ アヤメ)だった。あやめが部屋に入るなり、凄い勢いで愚痴を話す。家族の事、仕事の事、そして彼氏の事。あやめは、会う度に、いつも同じ事を言う。「東京に来る用事があったから、ついでに来ちゃった。」 僕はいつも、その用事とは何なのかは聞かなかった。もし聞いたら、この関係が壊
2021年2月15日 23:05
十二月二十四日 この日はクリスマスイブ、街に出るといろんなお店が飾り付けをしていた。サンタの格好をした居酒屋の店員さんがきゃっきゃしながらお客を呼び込み、家で待つ誰かのためにサラリーマンがケーキ屋に並ぶ。いつもと違う街の中を、いつもどおり一人で歩く僕はいつもよりゆっくりと歩く人々を、いつもより邪魔に感じていた。きっとこのキラキラの街並みを素敵に感じられる人は、心に余裕のある人だけだな。そんな
2021年2月15日 22:58
あらすじある日、売れない芸人の僕がミャンマー人でレディーボーイの女性と出会う。ノンケの僕が、彼女の心に惹かれていくのだが彼女の体は男、心が近づく程に問題は色濃くなる。多くの問題を乗り越えて、二人だけの愛を形ずくっていくのだが、ある日彼女がオーバーステイで捕まってしまう。そんな囚われの身の彼女に僕がプロポーズをするまでを描いた、問題だらけのノンフィクションの物語。普通なら起きないトラブルを、”好