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【第3回】これからどうなる?いきなり!ステーキのマーケティング施策を考えてみた#マーケティングトレース

こんにちは!たいま せいやです。今回はマーケティングトレース第3回、いきなり!ステーキのマーケティングトレースです。少しでも良いなと思ったら「スキ」お願いします!

これまでの投稿はこちら☟

【第1回】ペッパーフードサービス財務分析

【第2回】ペッパーランチマーケティングトレース

それではマーケティングトレースしていきましょう!

いきなり!ステーキの概要

いきなり!ステーキはファストフード的にステーキを気軽に楽しめる新たな形のステーキレストランです。ペッパーフードサービスのサービスの3つ目の事業であり、売り上げの主軸となっています。2013年に銀座に1号店が出店し、現在は全国に464店舗、海外に4店舗を構えるまでに成長しています。

コンセプトは

「コストパフォーマンスを追求したステーキとワインを楽しめるスタイルのお店です。」

最初の一軒目として「いきなり」サクッと食べれられる状況を作ったといういきなり!ステーキはまさにその名の通り、「いきなり」をテーマにステーキを提供しています。

さらに、ステーキの提供方法にも特徴があります。店内での注文方法とグラム単位の量り売り価格で提供している点です。

画像引用:いきなり!ステーキFC加盟資料 いきなり!ステーキの楽しみ方

200gや300gなど決められた量を選択して注文する形式の店がほとんどの中、注文した量を目の前で切り落とし、はかりにかけます。実際目の前で肉を測られた時は自分で食べる肉が切られている事実に見入ってしまいました。

ビジネスモデル

・原価率が異常に高い
いきなりステーキのビジネスモデルは開業当時の飲食業界では非常識と言われモデルでした。通常、飲食店の費用は、家賃、人件費、原価がそれぞれ売り上げの3割程度で、利益が1割程度が相場と言われています。一方、いきなり!ステーキは原価率6割(7割)?と破格の原価率です。

しかし、低価格でステーキを提供すると同時に、サクッと食べられる、立ち食い形態をとってるため回転率をあげています。そのため、原価率が高くても、回転数が多いために結果的に利益がでるモデルを構築しました。

直営店舗が多い!いきなり!ステーキの経営形態

フランチャイズは加盟店(フランチャイジー)がロイヤリティ(加盟料)を払うことで本部(フランチャイザー)が運営ノウハウやブランド力を提供して店舗運営を行うモデルです。ペッパーランチと同様、フランチャイズ店舗と直営店舗の2種類の店舗があります。しかし、異なるのはFCよりも直営店の出店数が多いという点です。
表は2018年末時点の店舗状況です。

これは前述した非常識なビジネスモデルだったためにFC契約をする店舗が少なかったためと一瀬社長は言及しています。https://toyokeizai.net/articles/-/167889?page=2
これからはフランチャイズ店舗が増えていく可能性は大きいようです。

売り上げ状況

いきなりステーキはペッパーフードサービスの事業の中で最も売り上げをあげている事業です。全体の85%を占め、最も新しい事業ながら事業の主軸となっています。営業利益率は最も低いことが表から読み取れます。また、最新のIR情報で、2019年の業績が下方修正されました。要因は以下の通りです。

「いきなり!ステーキの店舗同士の 競合などの影響により既存店の売上高は計画に比べ大幅に減少致しました。 その影響を受け、いきなり!ステーキ業態は、今後の出店用地(既存店の売上に影響を及ぼさない用地)の 見極めを慎重に行うこと、既存店を必要に応じて他業態へ変更することを鑑み、当初の出店計画を 210 店舗か ら 115 店舗と見直しました。」

引用:業績予測の下方修正に関するお知らせ

失速の理由
失速の理由は主に2つです。
1つはいきなり!ステーキのビジネスモデルが珍しくなくなったことです。
革命的なモデルだっただけに、メディアでも大きく取り上げられました。料理の提供形態に特許は取得しているものの、模倣した競合が相次いで参入し、いきなり!ステーキの独自性が弱まってしまいました。

2つ目は出店計画の失敗です。
いきなりステーキは2017年末に188店舗だった店舗数を2018年末には397店舗と2倍以上に拡大しました。いきなりステーキはロードサイドへの出店が主です。

この計画は店舗が面する道路幅や通行台数などを軸に出店場所を計画されていました。しかし、商圏の人口を考慮していなかったためにいきなり!ステーキの店舗同士でカニバリゼーションを起こしてしまいました。5~10kmは自動車では簡単に移動できてしまう距離であったことも影響しています。

マーケティング戦略

ここからはマーケティングのフレームワークに沿って、いきなり!ステーキの戦略を整理します。

4P
Product  ボリュームあるステーキ

Price    グラム量り売りでお客様が調整可能

Place     全国&海外展開 
           ロードサイド

Promotion TVCM,ポイントカード

やはり特徴はPriceでしょう。量り売りの形式であるため、お客様は食べたい量と値段を比較検討しながらぴったりの値段とボリュームのステーキを食べることができます。※肉の種類のよって最低量が決められています。

また、Promotion戦略の1つでTVCMを放送しています。2018年2月~3月までの間で放送されていました。ペッパーフードサービスとして全国放送のTVCMを打ったのは初の試みになります。元々知名度があった、いきなり!ステーキをさらに高める効果があったと予測できます。

3C
続いて3C分析です。

市場として、追い風にはなっているものの店舗拡大による戦略ミスと競合の参入により厳しい現状があると予測できます。

ファンコミュニティで圧倒的差別化!!~自分がCMOだったら~

ここで着目するのは競合との差別化です。先行モデルとして拡大したいきなり!ステーキですが、競合が参入してきています。そのため、この業態で勝つためには差別化を行い、現状のブランドをより強固にする必要があると考えました。

いきなりステーキの競合はステーキ専門店「やっぱりあさくま」が最有力候補として挙げられます。やっぱりあさくまはステーキ専門店「ステーキあさくま」の新業態として登場しました。現在は東京九段下店の1店舗のみですが、今後店舗を拡大する計画だそうです。

この「やっぱりあさくま」と決定的に差別化を図るために私がCMOとして提案する施策は1つです。

「いきなり!ステーキファンによる経営参画顧客コミュニティの構築です。」

具体的にはいきなり!ステーキのファンコミュニティを形成し、ペッパーフードサービスの株主になってもらうという施策を打ち出します。この施策はファンマーケティングを発展させた戦略の1つで、KAGOMEやヤマハ発動機が実際に行っています。

いきなり!ステーキの強みは知名度と熱烈なファンがいることです。
その強みを生かし、ファンを中心とした株主コミュニティを形成します。

ファン株主はその会社の製品のファンであるから株を保有しています。他の株主と違い、損得という感情よりも会社、サービス、製品を応援したいという気持ちが高い株主です。もし、仮に経営危機に陥ったとしても株を手放されるリスクは相対的に低くなます。また、コミュニティが形成されたことでファン同士の繋がりもでき、口コミの発生など広報の施策としても効果が期待できます。

現に、SNSで調査してみると#いきなりステーキゴールドカード#いきなりステーキ300gといったハッシュタグをつけた投稿が各々100件以上あり、コミュニティ形成の素地は整っていると予測できます。

ここまででいきなり!ステーキのマーケティングトレースは以上になります。

最後に

今回で全3回に及んだペッパーフードサービスのマーケティングトレースは終了になります。今後は他の企業をピックアップし、マーケティング脳を鍛えたいと思います。

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今回もお読みいただきありがとうございました!

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