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こうして私は料理が得意になってしまった|だしらぼ 有賀薫

スープ作家有賀薫さん、インスタもnoteもフォローしていてレシピが大好きなことはもちろん、活動もすごく気になっている方。
スープ作家としての活動を始めた時期が自分がおうちごはんパートナーとして仕事をしようと思った年齢に近かったこと、料理関係のお仕事を専門としていないところからの現在の活動、そしてスープ作家という肩書き(ポジショニング?)。
ご本人のお写真もいつも素敵な笑顔で、今まではただ楽しくSNSを拝見していただけでしたが、この機会に集中して著作を読ませていただきました。
その中でも特に印象的だった2冊の感想を。


だしらぼ

まさにずっと気にかかっていた=出汁。
余裕ができるようになって、野菜の切れ端を貯めてデジブロスをとったり水出し(和風)をとったり。出汁パックも使うし、顆粒だしや昆布茶を使ったりすることも。
でも、どうも自分の中でとっ散らかっている感じがして、、、
その時に「だしらぼ」を読んで、ものすごくスッキリ整理されたのと、さらに奥深い出汁の世界をますます見てみたくなりました。

何より秀逸なのが、出汁の分類ネーミング!
食材の旨味(すべての食材からとれる)=エブリシングだし
出汁といえば、の昆布とかつお節の=ラスボスだし
そして手軽=インスタントだし (も否定しない)
エブリシングだし、ラスボスだし。天才です!

有賀さんは物事の輪郭(本質)を的確にとらえてキャッチーに見せてくれるコピーライティングと、従来ややこしい?と思われていたものをわかりやすくまっすぐ届けてくれる文章が魅力です。

そして、とても好奇心旺盛な方。
楽しみながら、たくさん美味しいを探る姿は尊敬です。
レシピを覚えるのではなく、ベーシックなおいしいの法則を探っていきたいと思っているので、きっとこれからも何回もページをめくることでしょう。
出汁についてはもちろん、対談や合間のコラムから有賀さんのハッピーチャレンジング精神を摂取していきたいと思います!

こうして私は料理が得意になってしまった

1エッセイに1レシピ。
そのレシピも決して難しいものではない。
読んで、気軽に試してみたいな、と思える。

家族と自分のために30年ごはんを作ってきた家庭への思いだったり面倒くささだったり大変さだったり、もマルっと詰まったエッセイは「あるある」「そうそう」「ですよね〜」って共感。
自分は、、、と思ってみたら、20年。
作ってない期間もあるし、、、と考えたらまだまだですな。

「こうして私は料理が得意になってしまった」の章では、プロとの差について書かれています。
例がわかりやすい「青菜炒め」というのも絶妙。
その次の「スープの方程式」もとてもわかりやすくて、汁物を作る指針になります。

そしてこの本でも、野菜のおふとん、野菜は大きくはじめて小さく終わる、などわかりやすくてかわいい表し方!
買ってきたお惣菜でも、炒めるだけの味付け肉でも「ちょっと工夫でこの美味さ」の秘密がかくれています。

本書の感想からは少し外れますが、雑でもいいので自分の(記録の)ために頑張っている時こそ一枚パチリ!写真を撮っておくことをお勧めします。
特にSNS用ということではなく、誰に見せるということでもなく。

私は下の子が生まれてからの10年間くらいは記憶がぼんやりで、、、時間をお金で買うような生活をしていたな〜という印象でした。
でも、スマホの写真を見ると、家の中で子どもと一緒におむすび作っておうちピクニックしてたな、とか、夏休みのお弁当作ってたな、とか、意外とがんばってたな自分、がいたりします。
友だちも親戚もたくさん遊びにきて来てごはんを作ってくれて、本当に助けられて愛されて過ごしていたことが、印象だけではなく事実としてわかるのが後からですけどうれしいです。

みんな、毎日を精一杯生きている。
そして、今日より若い自分はいない。
何かを始めるのに、遅いということはない。
お子さんたちが勉強しているレポートや数式は解けないけど、おいしさの数式なら解ける気がしている今日この頃です。

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