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私の合格体験記

1年半ほど前に書いた文章です。

高校の先生に「進路案内に載せる体験記を書いてほしい」と頼まれて書いた。

決して楽ではなかった受験期。自信をなくすことも、辛い思いもたくさんした。でも、しっかりと自分と向き合った大事な期間。

書くことで、自分の感情に向き合えた。文章を書くのが好きなのかもしれないと気づいたきっかけでもある。

親、先生、後輩から「感動した」「頑張ろうと思った」とたくさん褒めてもらったり、私自身もたまに読み返すくらい、思い入れのある文章。

音楽科の生徒に向けた音大の合格体験記なので、実技に関することが多めだけど、普通科の人にも通じる部分があるように意識して書いたし、受験じゃなくてもいろいろなことに立ち向かっている人の背中を押せる言葉を選んだつもり。

どこかに残したいとずっと思っていたので、このnoteという場所にひっそり置いておく。


受験期を振り返って

私にとって高校3年生の一年は、正直うまくいかないと思うことばかりでした。それでも今振り返ってみると、悩んだり試行錯誤してもがき続けたからこそ成長でき、合格という結果に繋がったのだと思います。
受験というのは、たった一回の演奏で判断され人生が決まってしまいます。私は自他ともに認めるあがり症で、本番になると緊張してしまい、なかなか自分の満足できる演奏ができずにいました。なんとかして克服しなければと思い、入試本番までにたくさんのコンクールや試演会に参加しました。思い出したくないくらい大きな失敗もしましたが、弾くたびに課題が見つかり、「次はこう弾いてみよう」と考えているうちにステージで弾いても緊張せず、自分の演奏に集中できるようになりました。「不安に集中するのではなく目標に集中する」という思考ができたことが私の中では大きかったです。
受験期で一番苦しかったのは入試前1ヶ月です。少し気が緩んでしまったのか、これ以上どう頑張ればいいのかわからなくなってしまいました。そんな私に先生が「常に新鮮な気持ちで音楽と向き合うこと」の大切さを教えてくださいました。受験曲というのはどうしても、練習する期間が長いので途中で飽きてしまったり、演奏がマンネリ化してしまうこともあると思います。私はそれから移調して練習してみたり、同じ作曲者の同じ調の曲を聴いてみたりして新たな視点から曲を捉えてみることで、まだ気づいていなかったその曲の素晴らしさを感じることができました。そうすると、また練習が楽しくなって本番までいい状態を保ち続けることができました。
このように私は受験期を通してたくさんの経験をしましたが、それらを乗り越えて頑張ることができたのは周りのサポートがあったからこそです。常に熱心にご指導くださった先生方、お互いに切磋琢磨し合った友達、八つ当たりしても何も言わずに見守り続けてくれた家族…。本当に感謝しています。自分の夢に向かって頑張ることができる環境にいられるのは幸せなことです。これから受験を迎えるみなさんには、常に感謝の気持ちを忘れず、時間を最大限に活用して、充実した日々を送ってほしいと思います。

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