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中年の青春

この日は数ヶ月前から楽しみにしていた群馬に遊びにいく日だった。メンバーは写真が好きなおじさん達。
その会の集合地点に向かって朝5時台の電車に乗って移動していた。なんだか遠足みたいだ。

今回のメンバーは写真家の幡野広志さんのワークショップやトークイベント、SNSなど…色々な偶然が重なってできた縁だ。

そんなおじさん達5人が午前9時めがけて群馬県は高崎に集まった。
みんな社会人なのでそれぞれ現地集合となった。LINEで日程とある程度の行き先を決めたくらいだったので交通手段は各々の自由。
僕は電車に乗って在来線を乗り継いでゆっくり3時間ほどかけて行くことにした。
陽の光が少しずつ明るくなっていくのを見たり、先日買ったドラクエ3をやったりしてまったり過ごした。
集合時間より少し早めに着いたので軽い朝食を取りながら到着の連絡を入れた。

押しボタン式の電車のドアだと気付かずしばらく開くのを待っていたら後ろの人が押してくれた。
ごめんなさい。
高崎駅に着いたら縁起の良いお顔が出迎えてくれた。僕の地元の一大イベントが達磨にまつわるお祭りなので達磨を見るとなんとなく親近感が湧く。
大きなバスターミナルがある景色を見ると旅してる感が一気に湧き上がる。
行ったことのない場所に訪れるとあんまりじっとしてられない。
きっと今日は美味しいものが食べられるはずなので少し控えめの朝食にした。でもこのパンとコーヒーも美味しかった。


少しして迎えの車が来て乗り込んだ。運転手はシンイチさん。彼とは何回か会ったことがあるので顔を見てほっとした。両手放しで背中を預けられるような安心感がシンイチさんにはある。一緒にいる人にそんな大きくて優しい安心感を抱かせる雰囲気を僕もいつか纏いたいと密かに思っている。
乗っている車は綺麗かつしっかり使い込まれていて、大事にされていることが伝わってくる素敵な車だった。

運転もとても上手だった。安心感の塊。
普段は運転するので、助手席に乗るだけで特別感がある。

待ち合わせ地点に着くとそこには顔見知りの方が1人いた。土さんだ。彼とも何度か楽しい時間を過ごしている。
今回のメンバーではダントツに一番若くておじさんという括りに入れるのは失礼だけどしっかりもののナイスガイ。
あと初めましての方が2人。ハシモトさんとメジロさんだ。
初めましての方お2人とは最初は緊張感がもちろんあったけど、写真を撮ることが好きなことという共通点があることがあってかすぐに打ち解けた。みんな気遣いができて愉快な人だった。
そこからは群馬県民のハシモトさんのアテンドで群馬巡りが始まった。
2グループに分けて車2台で行くことになった。運転手2人と、乗車する3人に分かれてグーパーをしてチーム決めした。いつ振りにやったか思い出せないグーパー。いつのまにかおじさん達の青春は始まっていた。

すでに一体感をまとっていた。
もうすでに楽しいことが起きる期待しかしなかった。

最初はハシモトさんの車に土さんと僕が乗り込むことになった。ハシモトさんの車もしっかり使い込まれている綺麗な良い車だった。
ハシモトさんは人の良さが身体全身から放たれている。きっとこの人の周りには自然と人が集まってくるんだろうなぁと思った。

身の上話をしているうちに景色が山道に変わっていった。

天気が良くて何を撮っても楽しい。
助手席よりさらに座ることが少ない後部座席!
息子達の目線はこんな感じなのかなと思いながら乗っていた。
車内で流れている曲が懐かしすぎた。その演出までしてくれるハシモトさん、さすがでした。
雪を見るだけでちょっとテンションが上がるのは一生続くのだろうか。





このあたりまで書いていたところで続々と他の方達の記事が投稿されていった。
みんな写真も文章描写も素敵だった。
この先は3人の記事を見れば完全に把握できるし、同じことを書いてしまう自信しかないので皆さんの記事をぜひ読んでほしい。

僕はこの日の出来事ではなく、この1日で感じたことを書いて終わりにしようと思う。

頼れる兄貴!
押すなよー!と言わんばかりの背中。
土さんの背中に翼があった。
人気が少ない方が落ち着くよねって満場一致した瞬間だったと勝手に思ってる。
防水の靴を履いていたどこまでも楽しもうとする用意周到な兄貴。
日々の何かを込めて霜柱と戯れる大人達。
見たことのない大きさの霜柱。
触ってもしばらく溶けなかった。綺麗だった。
撮ったり…
撮られたり…
ここでちょっとしたハプニングが起きたけどそれもまた良い思い出。
むしろハプニングあってこその思い出。
この時間はこの1日で一番口数が少なかったかもしれない。
とても良い景色と天候で気持ちが良かった。
初めて極みの信玄餅を食べた。美味しすぎた。
これは究極のエコなのではないか。
次の目的地を相談する2人。
決まりきっていない流れが心地よい。

この1日で感じたことは
「これはまずいぞ。居心地が良過ぎる」
だった。

決まったのはトンカツ屋。
最高のチョイス。
分厚くてジューシーな大満足の豚カツ。
ソースでも塩でもおろしポン酢でも…
何かけても美味しい。
このきのこの炊き込みご飯。
豚カツに負けないくらい美味しかった。
口の中に美味しいものしか入ってこなくて
大変幸福な時間でした。

5人中2人が初めましてだったけど、ずっと1ミリの隙間もなく終始楽しかった。最後のカフェは部活終わりに部室とか、ファミレスとかでまったりしているようななんとも言えない居心地の良さが漂っていた。
これはみんなが気遣いの民かつ子ども心を残しているというとても健全な人達だからだと思う。

外観から良い雰囲気がすでに出ていた。
中に入ったらコーヒーの良い匂い。
この光景を見ているだけでもリラックスできる。
2階が席になっていたが時間帯が良かったのか貸し切り!この流れも良かったなぁ。
それぞれ好きな豆を選んだ。
ほっこり一息。何時間でもいられた。

カフェでの名残惜しすぎる時間に後ろ髪をひかれながら解散。

今回のアテンド最高でした!最高の群馬体験をありがとうございました。
終わりがあるからまた次の楽しみができるんだと自分に言い聞かせながら…


とはならずボーナスタイムが発生した。なんと、初めましてのメジロさんと生活圏がほぼ一緒だったこともあり、気の優しい彼は車に乗って一緒に帰ろうと誘ってくれたのだった。

車に乗り込んでの2時間程、ずっと切れ目なくメジロさんと話をしていた。この日の振り返りから自分たちの家族の話、ゲーム遍歴などなど…同い年かつ生活圏が近いこともあり話が尽きない。
楽しすぎて帰りの車内では写真を撮っていないことに家に帰ってから気づいた。それくらい喋り通した。
メジロさんは同い年なのにとても落ち着いていてエレガントな人だった。僕はいつも浮き足だっているので見習いたい。

ホスピタリティに溢れているしっかりもの。
でも霜柱を見つけると一番テンションが上がっていた。そのギャップも素敵だ。
ポケモントークで盛り上がりまくった。

幡野さんのワークショップを受けて、写真を撮るようになっていなければ確実になかったこの日。また良い出会いや時間を過ごすことができた。
37歳になってもこんなに楽しいことが起きるなんて想像していなかった。これからもどんどん楽しくなる予感しかない。

底抜けに楽しい時間をありがとうございました。
この日ご一緒した4人はもちろん、訪れた場所やお店の人々、撮らせてもらった被写体、この縁を作ってくれた方々に心から感謝を込めて…




中年の青春はまだまだ続きそうです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

最後はしっかり兄貴が締めてくれました。こちらもぜひ。

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池田翔太
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