ツヤ子調べ② 『「発達障害」と間違われる子どもたち』を読んで… その3〜親子のコミュニケーションと『発達障害もどき』編〜
前回、前々回の記事に引き続き、
『「発達障害」と間違われる子どもたち』 成田奈緒子著 2023.3.15 株式会社青春出版社
の内容を紹介しつつ、今回は『子どもの発語』に注目し、『発達障害もどき』と親子のコミュニケーションについて書き残したいと思います。
『発達障害もどき』は親子のやりとりからも生まれる
本著の成田先生によると、親子のコミュニケーション不足からも『発達障害もどき』は生まれるとのこと。
その理由を理解するには、子どもの話し言葉の習得の仕方を知ることが必要です。
子どもは顔全体を見て察する
子どもの話し言葉の習得は、大部分が模倣になります。
周りの人がどんな口の動かし方、どんな音を出しているかを見て、マネて習得していきます。
つまり、子どもは、顔を見合わせて話す機会が少ないと、言葉の獲得は遅れる、ということです。(←子育て相談でも発語についての相談が増えてる感じがします。)
コロナ禍でもマスクをするか?
言葉の獲得時期の乳幼児期。
大人達がマスクをして会話するということは、子どもたちの模倣学習の機会を奪うのでは?、と保育園でもかなり議論となりました。
子どもたちと職員の安全を考え、マスクをつける選択をした保育園が多かったのではないでしょうか。
子どもの言語や社会性の発達指数の平均が2020年に低くなったというデータもあるそうです。(本著より)
アフターコロナでもマスク
アフターコロナとなった現在でも、日常、マスクを利用する人は、コロナ禍前より多いのではないでしょうか?
コロナ感染症がなくなったわけではないので、スーパーマーケットや、電車の中、病院など、人の集まる場所では自己防衛を考えると利用はこの先も続くでしょう。
つまり、子どもの模倣学習機会は社会的変化により、減ってしまっている、とツヤ子は思うのです。
デジタル機器の多用がもたらすこと
成田先生は本著の中で『「発達障害もどき」のお子さんには生活リズムの乱れとデジタル機器(ゲームやタブレットなど)の多用がみられる』と、記しています。
デジタル機器は刺激が強すぎる
「からだの脳」を発達させなくてはいけない乳幼児期。
デジタル機器の情報量は多く、「おりこうさん脳」を刺激し、脳の発達バランスを崩す可能性があるのでは?
また、デジタル機器の光は眩しいですから、夜見れば「おひさまかな?」と、子どもの脳は勘違いし、ギラギラになって寝付きが悪くなる可能性が…。
つまり、デジタル機器の多用は、子どもの脳の発達バランスを崩すと同時に、生活リズムを乱すのでは?と、ツヤ子は思うのです。
さらに保育園の子どもたちは慢性的な睡眠不足。
睡眠中の学習定着時間も短い…。
その結果は…。
生活に浸透したデジタル機器が親子関係にもたらしたもの
子どもは人の顔全体を見て、声を聴いて言葉を獲得していきます。
いかにして、子どもと大人(親)が視線を合わせる機会を沢山作れるかがポイントです。
しかし、今の子育て環境には困難があります。
それはスマホやタブレットなどの生活に浸透したデジタル機器の存在です。
特にスマホは生活の必需品となりましたね。
大人は常にスマホを確認し、視線をスマホと合わせなければならない生活です。
そして、子どもは動画に視線を奪われ…。
親子の視線はどこで合うのか?
動画に夢中の子どもに親の声は届くのか?
これらのことを合わせて考えると、
ツヤ子はスマホがなかった時代に比べると、家でも、外でも、子どもたちの模倣学習機会が減少したように感じるのです。
そして、本著では、親子のコミュニケーション不足の積み重ねが『発達障害もどき』を生んでいる様子を理解するために、実際の症例を紹介しています。
親も子も辛い
本著を参考に、3回に渡って色々考えてみましたが、今の世の中、親も子も辛いのではないか、とツヤ子は思いました。
子育ての難しさの質が、変化してると感じたからです。
原因がミルフィーユ状態
『発達障害』や『療育』を取り巻く環境と社会的変化が同時に色々起きていたように、
『子育て』を取り巻く環境と社会的変化も同時に色々起きているのだと思いました。
子育ての社会的変化がもたらしたもの
今のパパさんママさん達が社会的に望まれていること(共働きで長時間働く)に一生懸命答えようとすればするほど、大切な子ども達とすれ違い、発達のバランスを崩しかねない生活を選択しなくてはなりません。
子育ての環境の変化がもたらしたもの
生活の中に浸透したデジタル機器がもたらした、
子どもの生活リズムの乱れと脳バランスの崩れ、
親子のコミュニケーションへの影響…。
さらに子どもの模倣学習機会の減少…。
ツヤ子は現代の子育てのしにくさの原因は、何層にも積み重なっているように感じます。
正確な知識を上手に利用した子育てを
子どもの発達は、科学的や医学的(←ここポイント!)に発見されていることが沢山あります。
今回でいうなら『脳の発達順番』や『子どもの睡眠の役割』『言葉の獲得のしかた』です。
子どもの成長の絶対必要条件を押さえること
世の中が変化しても、
『子どもが健康に発達するためには不可欠なことがある』
ということを忘れないようにすることが、ツヤ子は大切なのではないかと思うのです。(絶対必要条件とでもいいましょうか…。)
せっかく、情報収集が容易なデジタルな世の中。
正確な子育て情報(子どもの発達の絶対必要条件)を上手に利用して、
大切なポイントはしっかり押さえて、
各ご家庭の『らしさ』を大切に、
子育てをぜひ楽しんで欲しいなぁと、ツヤ子は思うのです。
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