生検の数日前のこと夫にしこりのことを話しました。 『去年の12月にしこりを自分で見つけてね。病院受診したらやっぱりあることがわかったところ。◯日に生検をすることになったんだ。』とツヤ子が言いました。 そしてしこりを夫に触ってもらいました。 『本当だ…。』と夫はいいました。 『わかった。でも、良性だったら何でもないってことだよね。』と夫。 『そう、でも悪性だったら癌ということ…。』とツヤ子。 『まだわからない。だからあまり考えても仕方ないけど、息子達のことを考えると心の準備は必
乳腺クリニック初診日いよいよ予約の日となりました。 クリニックの場所をグーグルマップにナビしてもらいながら向かいました。 キョロキョロと慣れない駅前をおばちゃんが進みます。 エステのような作りのクリニックまあ、おしゃれな乳腺クリニックなこと…。 まるでエステみたいな優雅な受付、待合室でした。 昔の病院によくあった消毒薬のニオイもなく、待合室はフカフカの椅子におしゃれな絵画…。 (凄いなぁ…。どこにいるのか頭が混乱してくるよ…。) 診察の緊張と、初めての場所の緊張と、昔
きっかけはリンパマッサージ ツヤ子は入浴中にリンパマッサージをする習慣がありました。 以前、勤務していたクリニックの同僚看護師に癌患者向けのリンパマッサージを勉強している人がいました。 その人はイタズラ好きで、よく色々なスタッフの背後から腕のリンパマッサージをして、痛がる姿を見て笑ってました。 それ以来、ツヤ子はリンパマッサージが習慣になったのです。(文章にすると結構ふざけてますね…。) 12月のある日、いつも通りリンパマッサージをしていると、右の乳房にしこりがあるのに気づ
人手不足の原因 一言でいうのは難しいけれど、保育園に勤務して3年くらいすると、この業界の慢性的な人手不足になる仕組み、みたいなものがわかるようになってきました。 医療業界にあって、保育業界にないもの以前の記事で書いたように、『保育士』という資格は色々な取得方法があるために、教育概念を共有しにくい上に、保育スキルの習熟度も個人差がある。そのため出来る保育内容が変わってくる…という現象が起きています。 コレ、医療業界では起こりにくい現象だと思います。 病気の診断基準が医師の
どのように子どもが『落ち着き』をなくしていくのか、ツヤ子の経験を元に、架空の男の子Aくんが保育園でどのように成長していくか、というお話の続きです。 新しいタイプの興奮状態を見せたAくん(前回の振り返り) 4歳クラスに進級し、休み明けの登園はますます落ち着きがなくなったAくん。 ある休み明けの登園日のこと。 Aくんはちょっとした音や物の動きを見ると 『オマエ〜!』バンッと、 叫び、床や机、人を叩くという興奮状態に陥りました。 何かがフラッシュバックしている?Aくんはもち
前回の記事の続きで、架空の男の子Aくんが、保育園を利用して、どのような成長を見せるか? いよいよ幼児クラスへ進級します。 3歳児クラスの頃Aくんは3歳児クラスに進級すると、『落ち着きのなさ』が一層強くなってきました。 常にキョロキョロと視線が合わない、 機嫌が良くてもピョンピョン飛び跳ね、体の動きを制御出来ないようでした。 そして、『きゃあ〜』『おっぱい、おっぱい』と決まったフレーズを口にし、全力疾走したり、おもちゃを投げて『キャハハ』と笑いました。 そうかと思うと、床にベ
これまで、『発達障害』を勉強しようと色々な本を読みました。そして、ツヤ子の勤務先(保育園)の子ども達の『落ち着きのなさ』は一見、『発達障害』のようですが、そうではないことがわかってきました。 『子どもの落ち着きのなさ』のまとめもう一度、保育園の子ども達に見られる、落ち着きのなさについてまとめます。 1.発達障害(←先天性の脳の特性) ・ 自閉傾向・自閉症 ・多動性障害 ・発達遅滞 2.愛着障害 ・回避型 ・アンビバレント型 ・混乱型 3.赤ちゃん返り(←
前回の記事で子どもの『落ち着かない理由』がいくつかわかってきたところで、今回は愛着の種類について参考になったことをまとめてみたいと思います。 『「愛情の器」モデルに基づく愛着修復プログラム』 米澤好史著 2015.10.20 福村出版 がとても参考になりました。本著は愛着障害の分類、発達障害との見分け方、愛着障害の子どもに対して、どのように対応すれば、愛着形成を促すことができるのか、具体例が多数記されています。 子どもに変化が…!手応えあり! この本で得た知識を参考
前回の記事『赤ちゃんを抱っこするのが大切な理由』で現在の育児環境は『アタッチメント(愛着)を形成しにくい可能性がある』ことに気付いたツヤ子。 更に愛着について調べると、以下の本に出会いました。 『愛着障害、愛着の問題を抱えるこどもをどう理解し、どう支援するか?』 米澤好文著 2019.8.28. 福村出版 米澤先生は和歌山大学教授です。専門は臨床発達心理学、実践教育心理学。教育現場に足を運び教育を実践し、研究もする実践的研究者とのこと。 そのため、本著は教育現場(保育現場
前回の記事『「発達障害」ではないけれど落ち着かない子ども達』で子ども達の心の健康状態が良好ではないと感じたツヤ子。 それは 「発達障害」でもなく、 「発達障害もどき」でもなく、 「赤ちゃん返り」でもなく、 「その他」があることに気づきました。 『その他』について調べていると、以下の本に出会いました。 『子どもの発達格差 将来を左右する要因は何か』森口佑介著 2021.6.29 PHP新書 森口佑介先生は発達心理学者です。専門は発達心理学、発達認知神経科学が専門で、大阪
『ブラックボックス化していたクラス』の記事で子ども達の『落ち着きのなさ』に困っていたM先生のクラス。その後に起きた子ども達の気になる行動について書き残したいと思います。 信頼関係を築き始めていたM先生『コールアンドレスポンスが出来ない子ども達』の記事で書きましたが、M先生はクラスの子ども達の特徴を考慮しつつコミュニケーションを取るようにしていました。 その成果で、M先生と子ども達の信頼関係が築かれていくのがツヤ子にも感じられた頃のこと…。 寝かしつけはM先生! 午睡時に
前回、前々回の記事に引き続き、 『「発達障害」と間違われる子どもたち』 成田奈緒子著 2023.3.15 株式会社青春出版社 の内容を紹介しつつ、今回は『子どもの発語』に注目し、『発達障害もどき』と親子のコミュニケーションについて書き残したいと思います。 『発達障害もどき』は親子のやりとりからも生まれる本著の成田先生によると、親子のコミュニケーション不足からも『発達障害もどき』は生まれるとのこと。 その理由を理解するには、子どもの話し言葉の習得の仕方を知ることが必要です。
前回の記事の続きで『「発達障害」と間違われる子どもたち』 成田奈緒子著 2023.3.15 株式会社青春出版社 を読んで考えたこと、気づいたことを書き残したいと思います。 「発達障害もどき」とは? 本著の成田先生は臨床経験より、診断はつけられないが、発達障害の症候を見せる『発達障害もどき』(←成田先生が個人的に作った言葉です。)の子どもがいることに気づかれます。 脳が発達する順番はどんな人でも変わらない 『発達障害もどき』の原因を理解するには、まず、脳の発達順番につい
原因解明の1冊今回、ツヤ子が読んだ 『「発達障害」と間違われる子供たち』成田奈緒子著 2023.3.15 株式会社青春出版社 は、前回の記事に書いた「発達障害ではないけど、気になる子どもの動き」の原因を解明してくれる1冊となりました。 181ページと、サクッと読めるページ数です。 おまけに中身は大切な部分は太文字になっており、成田先生が『読みやすさ』を大切にされて書かれたのが感じられます。 3回に渡ってお届けします 子育てについて色々学ぶ事が多かったため、今回は3回に渡
復習したから気づいたこと 前回の記事で、『乳幼児の発達障害診療マニュアル』で乳幼児の定型発達について復習したツヤ子。 乳児クラス、幼児クラスをみても、発達障害ではないだろうけど、気になる『子どもの動き』がいくつか出てきました。 『座る姿勢』 ほぼ9割位の確率で座る姿勢がよくないのです。 『もー!座る姿勢くらい、いいじゃない!』、と思う人もいるかも? 昭和のスパルタ教育を受けた世代のツヤ子は『あんまり厳しいのはねぇ』なんてついつい思ってしまう(笑)。 でも、今の子ども
発達障害の復習をしよう!M先生のクラスの子ども達の『落ち着きのなさ』を相談されてから、他のクラスにも同様の現象が起きていることがわかってきました。 そして、子ども達の発達も心配ですが、職員の分裂とクラスのブラックボックス化はさらに進んでいることに、鈍感なツヤ子はようやく気づき始めました。 とりあえず、大人事情より、目の前の子ども達をなんとかしなくては、ということで、『発達障害の復習をしよう!』と、思いました。 『乳幼児の発達障害診療マニュアル』 洲鎌 盛一著 医学書院 2